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SECOND ~リアルすぎるオープンワールドをプレイするのは苦難の日々です~  作者: 虎ノ介


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3/3

PvP

 PvP


 それはプレイヤー同士が戦う行為。


 PvPプレイヤーは戦闘を好む、いわば戦闘狂であり、NPCからもプレイヤーからも敬遠される存在だ。


 それでは、もしPvPプレイヤー同士が出会うとどうなるだろうか?


 意気投合する? 避ける?


 全て違う。


 彼らが出会った瞬間に起こす行動はただ一つである。


 どちらかが塵になるまで、PvPをするのだ。


 モズはPvPを好んでいるわけではないが、売られた喧嘩は全て買うので、気づくといつもPvPプレイヤーのランキングで上位にいる。


 友人のカグレイいわく、ただのPvP好きの戦闘狂だそうだ。


 モズ自身は否定しているが、傍から見ればただのPvP好きの戦闘狂である。


 そんなモズはSECONDでもPvPをするのである。


 ゲーム開始からたった15分にして……。


 *****************************


 相手は双剣か……。


 こっちは短剣だから、ガードを無理やり壊して強行突破するのは不可能だな。


 見たところ、俊敏性が高まるスキルも持っていそうだが……。


 まず、このゲームで何が強いのか分からないからな。


 まぁ、初心者狩りならバフとかは積んでいないはずだから、いけるか?


 確かSECONDはリアルさを追求しているんだよな?


 なら、《《あれが》》やれるか?


「炎よ、相手を燃やし尽くせ!!」


 敵が赤色の短剣を振ると、こちらに向かって大きな火柱が迫ってくる。


 横にステップして避ける。


 まずい!! 後ろにはバラーが!!


 振り向くと、火柱は轟々と音を立てながら、黒猫に向かって突っ込んでいく。


 あの手のタイプは生き返らない。どうする? 短剣でも投げれば防げるか?


「モズ様!! 戦いに集中してください!!

 私は大丈夫です!!」


 黒猫は大きな声を上げながら、炎に向かって尻尾をブンと振ると、炎は瞬時に跡形もなく消えてなくなった。


 急いで前を向き直すと、初心者狩りがすぐそこまで迫ってきている。


 短剣を構えると、右腕から光が飛び散る。


「面白い腕だな!

 だけど、生まれたてならSP装備も意味はない!!」


 初心者狩りは大きく飛び上がり、こちらに向かって双剣を十字に構えて振り下ろそうとしてくる。


 馬鹿が! 空中では身動きが取れない!!


 いいタイミングで避けるか、パリィすればこっちの勝ちだ!!


 いや、待て。これは超高難易度。


 そんなサーバーで、こんな素人丸出しの馬鹿がいるのか?


 十字……。


 俺はパリィの準備を中断して、急いで十字の射線上に入らないように避けた。


 バン!!


 初心者狩りが双剣を叩きつけた場所から大きな砂埃が立ち、十字の射線上には水柱と火柱が横向きに発射された。


 さっきの呪文のようなものはブラフ!!


 本当は双剣を振ることによって、火柱や水柱を出すことができる武器!!


「まさか、これを初見で見切られるなんてね……。

 いいじゃないか!! 初心者ばかりで飽きてたんだ!!

 やろうか、光の右腕君~!!」


「馬鹿が、こっちの番だよ!」


 俺は避けた拍子に掴んでおいた砂を、初心者狩りに向けて投げつける。


 目に入ったのか、目を押さえながら悶えている。


 よし!!


 これだけリアルなら、もしかしたらアレもできるのか!?


 目を押さえている初心者狩りに向かって走りながら考える。


 やってみる価値はある!!


「おらぁ!!」


 走った勢いを短剣に乗せて、初心者狩りの炎の剣を持つ方の腕に振り下ろした。


 ゴトン!


 炎の剣は手から離れなかった。


 離れたものは、腕だった。


 俺と初心者狩りの間には、炎の剣を強く握りしめた右腕が落ちていた。


 そして、初心者狩りの傷口にはあの光が灯っていた。


「参った!!」


「は?」


 参った? こういうのは最後までやるんじゃないのか?


「最後までやりたいのか?

 アンタはそんなプレイヤーには見えないけど?」


 男は首を傾げながら言った。


「そうだけど……」


 すると、初心者狩りの男の顔が少し強張る。


「アンタ、もしかしてこのゲームやったことないのか?」


「ああ」


「なのにあんだけ上手かったのか!?

 ゲームごとに操作感も違うのに? バケモンじゃねぇか!!」


 無言で右腕を上げて振り下ろす。


 初心者狩りはそれを難なくかわす。


「悪かったよ!

 にしても、まさかの初心者か。それはすまなかった」


 初心者狩り? は頭を下げながら謝る。


「お前、初心者狩りじゃないのか?」


 普通に考えても、最初の平原にいるプレイヤーを狙ってくるのだから、初心者狩りだろう。


「俺は輪廻狩りだぞ?

 このゲームでは死んだら全て初期ステータスに戻るから、そこを狙うんだよ。

 それに、この草原はある程度進めたプレイヤーがスポーンする草原だぞ?」


 ここは最初の草原じゃないのか?


 確かに、最初の草原の周りに城塞都市なんてないか……。


「あと、お前のそれ、SP装備だろ?

 死んでも自分の装備スロットに残り続けるスペシャル装備だよな?」


「この義腕のこと言ってんのか?

 この義腕はただのスキン的なものだよ。

 本物はこっち」


 俺はスキンを外そうとして、メニューを開いた。


「……」


「どうした? 何かあったのか?」


「なぁ、これってどうやってスキンとか外すんだ?」


「……改めてすみませんでした!!

 スキンの外し方は、かくかくしかじか……」


 お、できた!


 すると義腕がなくなり、あの黒く焼け焦げた皮膚の隙間から光が見える腕が露わになる。


「俺の体自体に問題があんだよ」


「何だこれ!?

 初めて見たぞ!! どうやったらこんなことになるんだよ!!」


 俺はこの腕になった経緯を説明した。


 *****************************


「馬鹿じゃねぇのww!!

 普通なら痛い思いをしたら、手を引くだろ?」


「いや、仮想現実だから大丈夫だろって思って……」


「それが馬鹿って言ってんの!!」


「うるせぇ!

 そういえば、お前、名前なんて言うんだ?」


 メニューを開いて再び義腕をセットすると、右腕が重くなった。


 男の右腕を見ると、傷口の根元からやはりあの光が見える。


 少し似てるけど、俺のやつより明るくないな。


「俺の名前は【炙りカルビ】だよ」


「俺の名前はモズだ。改めてよろしくな、カルビ。

 そういえば、その右腕は大丈夫か?」


「あ、これか?

 大丈夫だよ。後で義腕でも市場で買うから」


 義腕とかも売ってるのか……。


 まぁ、さっきみたいな戦闘で体の一部を失うことはあるだろうからな。


「いや、そうじゃなくて、痛み的なものは?

 右腕を雑に切り落としたんだから、痛いんじゃないか?

 それに、その光だって……」


 あの光に触った時、あれだけの激痛が走ったんだ。


 あの性質がまだ残っている可能性も捨てきれない。


「あ、そういえば言い忘れてた。

 俺、痛覚ねぇんだわ。現実でも、こっちでも」


読んでくれてありがとうございます!!

いつも通りの語句説明です、いつもすいません!

輪廻:死んだプレイヤーが特定の場所で生まれ変わる事。

レベルはリセットされ装備も全て最初と同じになる。

生まれ変わる場所は五か所だけだ、何かの方法を使うと生まれ変わりの場所を変える事が出来る。

輪廻狩り:生まれ変わったプレイヤーを狩るプレイヤー。

SP装備を持つ相手だと殺される場合もある。

SP装備:輪廻した後でも自分が装備し続けることが出来る装備品。

ちなみにモズの腕はSP装備ではない。

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