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煩悩まみれの聖職者と女子高生(悪役令嬢)だけで世界を救うって本気ですか? 〜終末世界は残念な二人に託されました〜  作者: さかもり
第二章 各々が歩む道

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主従契約の結果

「いやしかし、このサブジョブは……」


 怒濤の獲得ラッシュに困惑していた俺だったが、特に気になるものがあった。

 サブジョブとして獲得した[ネクロマンサー]と[魔王候補]。双方ともが契約をした悪霊が持っているジョブに他ならない。


『婿殿、どうしたのじゃ?』


 戸惑う俺にイーサが声をかけた。従たる者の彼女には俺の変化など分からないのかもしれない。


「いや、お前たちのジョブやスキルを覚えたんだ……」


 俺の返答に二人もまた驚愕する。本来の主従契約ではあり得ないことだ。奴隷にしたとしてもジョブやスキルを奪うようなことにはならない。


『旦那様、それはひょっとして私たちが取り憑いている状態だからかもしれません』


 ミアが見解を口にする。この契約よりも前に二人が俺を宿り木にしたこと。俺の魂に乗っかっていた彼女たち。契約によって強固な結びつきとなった可能性があるのだと。


「信じられんが、そうかもしれない。普通の奴隷契約よりも強く結びついてしまったらしい」


 祓うつもりでいるのだが、徐々に関わりが強くなっている。スキルはともかく、ジョブを共有してしまうなんて流石に笑えない話だ。


『婿殿、妾たちは名実共に番いなのじゃ!』

『こんなにも近くに感じられるなんて幸せです!』


「気色の悪いことをいうな……」


 否定しながらも、俺にだって彼女たちの感情が伝わっていた。歓喜する二人の想いが意図せず流れ込んでくる。交わしたものは普通の奴隷契約であったというのに。


 まあしかし、祓えない現状ではベストの選択だろう。もう身体を乗っ取られることはないだろうし、俺の命令に彼女たちは逆らえないのだから。


「そいや、こいつらの情報が見えないかな?」


 魂強度不足で何も分からなかった二人のステータス。強い結びつきとなった今であれば、何かしらの情報が得られるのではと思う。


「魔眼っ!」


 即座に俺は魔眼を実行する。二人のステータスを明らかにしようと。



【名前】ミア・グランティス

【種別】悪霊 (ハイエルフ)

【ジョブ】ネクロマンサー

【属性】闇・風

【レベル】2128

【性別】女性

【体力】0

【魔力】4058

【戦闘】4991

【知恵】3876

【俊敏】0

【信仰】0

【魅力】4540

【幸運】0

【スキル】

・死霊術(100)

・死霊使役術【極】(100)

・死体使役術【極】(100)

・アンデッド耐性(100)

・アンデッド耐性【極】(100)

・簡易腐食術(100)

・腐食術(100)

・腐食術【極】(100)

・アンデッド生成術(100)

・アンデッド生成術【極】(100)

・ウインドカッター(1)

【固有スキル】

・ハイエルフの睨み(100)

・猛毒(100)

【従契約】クリエス・フォスター



 唖然としてしまう。レベル1000以上が確定していたけれど、ミアのレベルはその倍以上である。体力値などは死霊であるからだろうが、残りの数値は目を見張るものがあった。


「祓えるはずがねぇよ……」


 ゴクリと唾を呑み込んでから、俺はイーサにも魔眼をかける。

 彼女の場合はミアよりも覚悟が必要だ。何しろミア・グランティスを殺したのはイーサ・メイテルに他ならないのだから。



【名前】イーサ・メイテル

【種別】悪霊 (サキュバス)

【ジョブ】魔王候補

【レベル】2498

【属性】闇・火

【性別】女性

【体力】0

【魔力】10199

【戦闘】12556

【知恵】14045

【俊敏】0

【信仰】0

【魅力】20554

【幸運】0

【スキル】

・催淫(100)

・超催淫(100)

・プロージョン(100)

・ハイプロージョン(100)

・エクストリームテラプロージョン(100)

・ファイアーアロー(1)

・ダークフレア(1)

・不明

【固有スキル】

・女王の魅了

【称号】神殺し(全基礎値5割増)



「何だよ、これ……」


 ミアでもあり得ない数値であったというのに、イーサは次元が違う。称号により基礎値が五割増となっていたけれど、それを引いたとしても彼女は絶対的な強者であった。


「イーサとミアの属性が俺に流れ込んだわけか……」


 通知にあった火属性と風属性の獲得はどうやら二人が原因らしい。またツッコミどころ満載のステータスには言葉がなかった。


「イーサにはまだ未確定項目がある……?」


 どうしてか所有スキルの一つが不明なままである。しかし、この強さなのだ。俺のステータスでは閲覧しきれないのかもしれない。


『婿殿、今度こそ妾のあられもない姿を見たのかえ?』


 惚けた顔をしてイーサが聞く。恐らく彼女は分かっている。圧倒的な強者なのだ。俺がステータスを覗き見たことくらい察知しているだろう。


「まあな。神殺しとか半端ねぇな。それにこの魅力値は……」


 魅力値はイーサが魔王候補たる所以だ。比類なき魅力値により竜神を籠絡し、彼女は絶大な力を得たのだから。


「余裕があるわけだな。俺が祓うといったところで……」


 レベル321になったとして足元にも及ばない。もしも彼女が本気で魔王を目指していたのなら、数日で可能だったと思う。何しろイーサは覚醒に乗り気ではなかったと聞いているのだ。


「あれ……?」


 ここで俺は思い出していた。

 そういえば剣士のサブジョブを得たとき、ステータスが上がったのだ。メインはクレリックであったけれど、剣士として上がるべきステータスがプラスされていた。


「まさか……?」


 現状のクリエスはサブジョブに魔王候補とネクロマンサーを手に入れた。従って補正によるステータスアップを成し遂げている可能性がある。


 緊張しながらも、俺は自身のステータスを開いている。



【名前】クリエス・フォスター

【種別】人族

【年齢】17

【ジョブ】クレリック(剣士)(ネクロマンサー)(魔王候補)

【属性】光・闇・雷・火・風

【レベル】321

【体力】260

【魔力】224

【戦闘】216(+64)

【知恵】206

【俊敏】250

【信仰】262

【魅力】194(女性+320)

【幸運】91

【加護】シルアンナの寵愛

【スキル】

・ヒール(99)

・浄化(53)

・魔眼(55)

・剣豪(2)

・隠密

・ライトニングボルト(1)

・ハイスピアサンダー

・ダークフレア

・ファイアーアロー(0)

・プロージョン(0)

・ハイプロージョン

・エクストリームテラプロージョン

・ウィンドカッター(0)

・死霊術(0)

・死霊使役術【極】

・死体使役術【極】

・アンデッド耐性(0)

・アンデッド耐性【極】

・腐食術(0)

・腐食術【極】

・アンデッド生成術(0)

・アンデッド生成術【極】

・催淫(0)

・超催淫

・プロージョン(0)

・ハイプロージョン

・エクストリームテラプロージョン

・ファイアーアロー(0)

・ダークフレア(0)

【付与】

・貧乳の怨念[★★★★☆]

・女難[★★★★☆]

【称号】

[変態紳士](パーティ内に巨乳がいると戦闘値10%アップ)

[ドラゴンスレイヤー](竜種に対して戦闘値50%アップ)



 俺のステータスはベルカさんが加わる前と同水準にまで戻っていた。魔王候補はいうに及ばず、恐らくはネクロマンサーもSランクジョブなのだと思われる。現状は八分の一であったというのに、これだけの補正が入った理由は間違いなくSランクジョブ二つの補正によるものだろう。


「あれ? 火属性と風属性魔法だけどうして初級しか覚えていないんだ?」


 丸ごと覚えたものと初級魔法だけ覚えたものがある。使用に関しては初級魔法の熟練度不足でグレーアウトしていたけれど、火属性と風属性魔法は初級の魔法しか表示されていない。


 俺の疑問に二人は苦笑いを返す。どうやら思い当たる節があるらしい。


『火属性魔法なんぞ使う気になれなんだ……』

『腐食術が強力でしたし……』


 どうやら二人は少しも種族的属性魔法を使っていなかったようだ。正直に残念であったけれど、彼女たちが使用していたスキルは俺のものとなっている。充分に戦っていけると思えるものだった。


「これならいける……」


 にわかに希望を見出していた。現状は八分の一しかステータスが伸びないのだが、得られた二つの強力なジョブによって相殺できるのではないかと。


「とりあえず先を急ごう。ベルカさん、馬車の用意をお願いできますか?」


「クリエス様、呼び捨てで結構です」


 どうにも距離感が掴めないけれど、ベルカさんは馬車の停留所まで案内してくれる。


 激変した自身の能力。ステータス自体はほぼ同じであったけれど、恐らく成長率は以前を遥かに凌ぐだろう。


 俺は自分自身に期待しつつ、旅路を急ぐのだった。


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