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日常サイエンス!!  作者: たかべー
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如月牡丹は広めたい!!

四月下旬、GWが間近に迫り、多くの生徒はワクワクして、少し浮ついた様子で過ごしていた。休み時間に友達と予定を立てる人、早くGWにならないかと待ち遠しそうな様子で窓の外を眺めて授業に集中できていない人、すべて部活の練習予定の人などいろんな過ごし方があるようだった。そんな誰もがGWを楽しみにしているようだった。

そんな中、如月は一人頭を抱えていた。どうやって『相談部』の認知度を高めようかと考えていたのである。『相談部』を創ったはいいが、まだほとんどの生徒に知られていない。今まで部室に来てくれたのは、顧問の師走先生に連れて来られた水無月、たまたま近くを通りかかった霜月、そして親友の葉月の三人だけである。

部活の最初のスタートとして友達の相談から始めるのは問題ないだろう。やったことないことなので、練習になり一石二鳥である。しかし、『相談部』の目標は、暦学園の生徒や先生、その他の学園関係者全員を笑顔にすること。一人で悩みを抱えるのではなく、一緒に解決することである。今はまだ知り合いばかりだが、ゆくゆくは多くの人の助けになるような部活になれば良いと考えている。そのためには、まず認知度を高める必要がある。悩みを抱えている人がいて、誰かに話を聞いてもらいたいと考えている人がいたとしても、『相談部』のことを知らなければ、意味がないのである。

如月は創部したときにチラシを作り、学園内のすべての掲示板にそれを貼ったが、あまり効果がないようだった。我が校は元々普段から掲示板を見る人が少ないのである。掲示板を見るときといえば、テストで上位の順位が発表されるときや行事のお知らせが貼られたときくらいである。それ以外はほとんどの人が素通りするのが現状だ。

口コミも重要だが、これは実績がないと広まらないので、認知度がない今考えても仕方のないことである。

これは由々しき問題である。『相談部』は認知度を上げたい。そうしなければ部活の目標を達成できない。しかし、その要となる掲示板が使いものにならない。学園のホームページに『相談部』のことを載せてもらうという手もあるが、生徒が学園のホームページを見ることなんて入学前に一回あるかないかだろう。定期的に全生徒に配られる学園新聞に『相談部』を特集してもらうのはどうだろうか? いいかもしれないが、日程調整やいくつか段取りが必要であるため時間がかかる。それに発行されるのは一ヶ月に一回だ。自分でいろんな人に吹聴するのは? もちろん試みるが、これも時間がかかるだろう。

こんな風に如月は一人で悶々と考えていたが、良い案が思い浮かばなかった。授業中、休み時間、登下校、晩ご飯中、入浴中など一日ずっと一人で考えていたが、考えすぎたことで頭がパンクし、何を考えているのかわからなくなった。とりあえず寝てから明日また考えようと思ってベッドに横になったが、気になって眠れるはずもなかった。そんな状態だったので、最終手段として水無月に相談することにした。そう決めた瞬間、気持ちが楽になり、一気に肩の力が抜け、ぐっすり眠ることができたのだった。そして翌朝は気分良く目覚めることができた。


読んでいただき、ありがとうございます。

次回もお楽しみに。

感想、お待ちしております。

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