決戦と言う名の蹂躙!
「久々ですね、お兄様!」
「ああ、腕がなるな。しかし、帝国軍は想像以上に弱いから手加減をして、余り死なせないようにね?」
カストルはシオンに注意を促した。
「わかっていますわ。お兄様の方こそ気を付けてくださいね?」
シオンとカストルは隣に並んで、目の前の万の大軍を見据えた。
「ジンさん、私達が飛び出したら少し距離を取りながら援護をお願い致します!」
「ああ、任せておけ!まぁ、俺達の出番は無いような気がするがな?」
いえいえ、そんな事はないですよ?
多分………
「よし!行くぞ!シオン!!!」
「了解ですわっ!」
中央のシオンとカストルが飛び出した!
馬よりも速いスピードで、敵陣へ突っ込んだ!
ドッカーーーーーン!!!!
カストルが上段から思いっきり振りかぶると、盾で密集していた前衛歩兵部隊の一角を吹き飛ばした!?
「何事だっ!!!?」
指揮官の目の前には、カストルが剣を振り回すだけで真空波が飛び、周辺の兵力達を吹き飛ばしていた。
「なんだあれは!魔法の類いか!?弓隊!何をしている!敵を狙え!」
「ダメです!味方が近すぎて狙えません!」
「クソッ!?」
その時、カストルの後ろでシオンが魔力を練っていた。
「さて、お兄様ばかりに良いところは譲りませんよ!」
シオンは溜めた魔力を解放した。
「いきますよ!ファイヤーボール!!!」
シオンは初級魔術のファイヤーボールを発射した。…………あれ?なんでファイヤーボール?
シオンの放ったファイヤーボールはとても大きかった!…………事はなかった。通常の1メートルぐらいの大きさだった。
では、なぜシオンは魔力を溜めてファイヤーボールを放ったのか?
それは─
「ななななっーーーーーーーーー!!!!!!!」
「うわぁーーーーーーーーー!!!!!!」
「逃げろーーーーーーーー!!!!!!!」
中央の隊列はすでにバラバラに崩れていた。
シオンの放ったファイヤーボールは通常の大きさであったが、問題はその数であったのだ!
シオンの上空に、約1000個ものファイヤーボールが出現し、それが雨の如く降り注いだのだ!
ドン!ドン!ドン!
ドドドンッ!!!!!!!
中央の敵陣に降り注ぐファイヤーボールに帝国軍は逃げ惑うが、密集しているため思うように動けない!隣にぶつかり合い、倒れた所を踏み潰されて死んでしまう者も出てくる始末だ。
その混乱の中、カストルは剣を振りながら真っ直ぐに敵の総大将のいる後方の陣に向かっていた。
「ば、バカな…………」
総大将ガーランドは言葉を失った。目の前の惨状に何も考えられなかったのだ。
突然の前線の崩壊に、1000個ものファイヤーボールの雨により、中央部隊は建て直しが不可能なほど入り乱れていた。シオンは威力を手加減していたため、死者自体は軽微であったのだが、陣形がバラバラになり、多くの帝国兵が逃げ惑った為に、戦わずしてボロボロになったのだ。
そこに、ローズガーデンの軍隊が突撃してきた。後はもう部隊での対応が不可能になった帝国軍はただ狩られるだけの存在となっていた。中央はあっという間に崩され、ローズガーデンの部隊にどんどんやられていった。
「さて、左右も崩しますか♪」
中央にローズガーデンの軍が突撃を開始したと同じ時期に、シオンの両親であるスピカとカウスも行動を開始した。
スピカはシオン以上の魔術師である。今回の帝国軍はグリーンウッド家だけで殲滅できたが、敵国を他国の援軍だけで倒してしまうと、後で問題になるので、帝国軍を混乱させる程度にしようと魔法を放った。
「風の魔法もいいけど………うん、水の魔法にしましょう。水の精霊よ、我が声を聞き我が願いを叶えたまえ。『アクア・パニッシャー』!」
スピカが呪文を唱えると、スピカと対峙する西側の敵陣の真上から、滝のような水が降ってきた!
「ぐわぁぁぁぁぁああああああ!!!!!!」
もの凄い水圧に多くの兵士が押し潰され、周辺にいた兵士は押し流された。
「さぁ!誇り高きローズガーデンの兵士達よ!今こそ、侵略者達に鉄槌を!自国の愛する者の為に戦うのです!」
スピカの掛け声に、余りの魔法に呆然としていたローズガーデンの兵士達は勝ちを確信し、雄叫びを上げながら、突撃していった。
「「うおぉぉぉぉぉぉぉおおおお!!!!」」
「ぐっ…………!?は、早く陣形を立て直せ!」
帝国の指揮官が必死に叫ぶが、水圧に押し流された部隊はバラバラとなっていて、すぐには立て直せそうになかった。そこに、ローズガーデンの部隊が突撃してきたのだ!
「ぐわっ!?」
「ぎゃあっ!」
どんどんローズガーデンの兵士達は帝国軍を倒していった。
そして、東を受け持ったカウスも行動に出ていた。
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