改造制服
ウィステリア先輩が助言をくれたように、夏の湖では新しい魔法を手に入れなきゃ勝てないってことがわかった。
ヒロインであるレクティータさんは “治癒魔法” を使って男たちをサポートするんだと思う。
「なぁにぃもぉー! 思い浮かばなくてよぉーっ!!」
二年生になってから数週間。
公爵家のサロンで会議、実験、特訓をくり返すが成果なし。
当人である刃丞が焦燥感からか日々迷走しているみたいだ。
いまは黒銀の聖魔法を両手からだして絨毯に当ててる。聖魔法の色が円を描いて消えていくけど、床に安らぎを与えてどうするというんだ……。
「どうしてわたくしの魔法は遠距離不可なのかしら、ふふっ離れたくないっていうの?」
不満をブツブツ唱えながら次は高価そうなクッションに聖魔法を当て始めてる。親友の奇行をとめられない無力さよ。
「………翔義の触手ちゃんは遠くでも仕事をするのよね」
「イメージしたら出来たな、理由はわからん」
「なにが違うのかしら」
ふぅぅ、と息を吐いてクッションをソファに戻す。
「……あのカンチョーは忘れないわよ」
「すまん」
ぼそりと言われたのに素直に謝る。
以前、刃丞がピネちゃんのおっぱい堪能しながら抱きしめようとしてたので、事案を阻止すべくとっさに触手ちゃんを刃丞の尻にけしかけたらズン!ってしたらしい。魔力に想いが乗りすぎたんだと思うけど、結果はごめんな。
「翔義は新しい技できてきてるのでしょう?」
「ああ、触手ちゃんを回転させてムチみたいに使えるようになってきたんだ。攻撃力がました感じだな」
「そもそもだけど、触手って何魔法になるの?」
「……さぁ」
そういえば考えたことなかった。なんとなく水魔法からの派生だろうと思ってるけど。
「あ、そうだわっ」
すっかり聖魔法に飽きたらしい公爵令嬢さまがソファから立ち上がり仁王立ちになる。
「わたくし成長したのよ。そうしたら制服があわなくて気に入らないのよね。ちょっと手伝ってくれる?」
巨乳といっていい胸を突き出してアピールしてきた。
「いいけど。なにすんの」
「まずはコルセットの形から変えていきたいから、触手でボディスーツみたいにして」
「?」
何言ってんだ???
よくわからないうちに刃丞が両手をパンパンと叩く。すると外で待機してたメイドさん達が部屋に入ってきた。
「新しい制服を作るにあたり、メルにかたちを整えてもらいます。生地を持ってきてちょうだい。ここで大まかに決めてしまうから」
「かしこまりました」
何もかしこまってないけど、おれを置いて話が進んでいく。
大きな鏡が入ってきて、制服と同じ色だけど素材が高そうな生地も運び込まれた。
鏡のまえに刃丞が陣取るとふたりのメイドさんがスス、と寄り添い制服を脱がせていく。
「え、脱ぐの……」
おれの呟きは無視され、コルセットまで脱がされて下着、詳しくいうとパンツだけになった刃丞が腰に手を当てて鏡越しにおれを見てきた。
「さあ! やってちょうだい」
「なにを!?」
美少女が半裸で偉そうにしてるけど、中身が刃丞だから冷静でいられる。おっぱいポローンだけど、なんかエロくない。
「カルダモン様、恐れ入りますがお嬢様のお体を縛っていただきたいのです」
「メルにボディメイクしてほしいの」
「ああー」
触手ちゃんを細く長くして刃丞の体を縛る。
「そうそう、そのまま根本ぐいって上げてみて」
「なるほど、とてもわかりやすく、さらに変更しやすいですね。さすがお嬢様のご友人です」
それからは刃丞とメイドさんに言われるがまま、刃丞のおっぱいを上に下に、寄せたり潰したり、尻を上げたり締め付けたりした。
ようやく満足いったところで、こんどは布を当ててスカートがどうだ襟は開いてるのが可愛いだ清楚だ萌えるなどとやりあうお嬢様とメイドたち。
散々やりあり、時には好みのスカート丈でケンカをし、今まで以上に信頼しあうようになったらしい皆様が満足されたのは日もくれた頃だった。
「ありがとう、メル。おかげで完璧な制服になりそうだわ」「とんでもないことでございますわ……」
王子の婚約者になるくらいだから美にこだわらないといけないのかなって思ったのは最初だけで、刃丞も楽しんでるのがわかってからはモテメンとそれ以外の意識の差がわかった気になったよ……。
おれはまだベージュのコルセットでいいやってぐったりしながら家に帰った。
ブクマ、評価ありがとうございます(^ν^)二年になったので生活でもほのぼのさせていきたいと思います!




