魔法学校2年生
新学期の日の朝。
すがすがしく晴れて気持ちがいい。
新しい制服のジャケットに腕を通して玄関にむかう。
ダンドワさん、ラデュレさん、バルベロさんがお出迎えしてくれていて、馬車に乗れば学校までスイーだ。楽だよなぁ。
「お嬢様、改めまして進級おめでとうございます。本日よりわたくしたちメイドは二年生の学棟エントランスでの待機となりますので、お間違いになりませんようお願いいたします」
「はーい、ありがとう」
今日のお付きはバルベロさん。みんなよりちょっとおカタイ対応のメイドさんだ。
学校の正面玄関から見ると一年生棟のおくに二年生棟がある。馬車はいままでと違うコースを走ってエントランスについた。
二年生のエントランスもホールになってておれの家より装飾が凝ってる。そこの壁にクラス割と教室の場所が書かれているので、生徒がこんもりと人混みを作ってた。
うーん、なかなか見れない。
「あらぁ、ごきげんようカエノメルさん」
振り返ると刃丞のとりまきのひとりプリュネちゃんがいた。ベンチのほうから歩いてきてるので今まで座ってたのかな。ピネちゃんたちは見当たらず、めずらしく一人だ。
「ごきげんようプリュネ様、おひさしぶりですね。おひとりですか?」
「ええ、そうですの。いまはメイドがクラス割を見に行ってますし……戻ってきたわぁ」
「プリュネお嬢様お待たせいたしました。前年とおなじくAクラスでございます」
「そう、またローズマリー様たちとはご一緒できなかったのねぇ……カエノメルさんはもうクラスを確認しました?」
メイドさんの報告を聞いたプリュネちゃんは眉をさげて悲しげに呟いた。Aクラスも十分エリートのクラスなんだけど、Sクラスにいくには実力はもちろん身分とか交友関係とかでも判断されるらしいんだよね。
「いえまだです」
「恐れながら、お嬢様はBクラスでございました」
気配もなくクラス割をみてきたらしいバルベロさんが、おれの真横に戻ってきて教えてくれた。ありがたいけど、おれもプリュネちゃんもビクッとしちゃった。気配消すのやめてほしいな。
「わたくしたちはローズマリー様とは離れ離れになってしまいましたのね、残念だわぁ……けれどお昼はまたいっしょに過ごしましょうねえ」
手をキュッと握られて微笑まれる。プリュネちゃんは癒やし系の見た目だからつられておれもニコニコした。
「はい、ぜひ」
「ふふっではまたね」
ゆっくりと立ち去るプリュネちゃんだが、その後ろをベンチの周辺にいた数人の女生徒たちがしずしずと付いていく。……あれがプリュネちゃんの子飼いって人たちかな?
「女傑の才がおありですね」
バルベロさんが小声で言ってくる内容がこわい。プリュネちゃん可愛いのになぁ。
その後バルベロさんに連れられて教室まで案内してもらった。
Bクラスは特にメンバーが変わった様子はないな。
「ごきげんようレゴさま!」
「カエノメルさん! ごきげんよう、おひさしぶりですわ」
一年のときとおなじ席についてるレゴちゃんを見つけ、いそいそと隣に座った。
「少し生徒がお辞めになってしまったので、カエノメルさんとも会えないかもとドキドキしてましたのよ。会えてうれしいですわ」
ほわぁっと微笑むのにおれも笑顔を返した。けどレゴちゃんが気になること言ってたな。
「お辞めになる方がいらしたんですか」
「ええ、ご婚約が決まった方が。ご実家へもどりご結婚の準備をされるのですわ」
ああーここは貴族多いもんね。それは学校行ってる時間ないよな。
それにしても婚約相手って学校内でみつけたのかな? 同級生との出会いから恋愛に発展して結婚にいくとか……そんなドラマみたいな恋がこの学校にあったのかな! うらやましい!!
「おはよう、みなさん揃ってるかな」
去年より少し空席のある教室に先生が入ってきて、二年生のはじめての授業が始まった。
刃丞のメイドさんからのお達しがあり、それによると新しい学棟でのランチ場所が決まったらしい。
学舎が広いので二年生の中庭にいくのにも迷いそうになる。おれのメイド、バルベロさんはすでにランチの手伝いに行ってるので助けてもらえない。
(自力で行くしかあるまい……)
決意して勘で歩いていると曲がり角から男の集団がやってきた。生徒じゃない成人した男が数人いて、その中央には見慣れた生徒。
顔を見てしまったので足を止めて壁際に避けて礼をする。
「カエノメルじゃないか、きみもローズマリーの所へ行くのだろう。ともに行こうか」
「光栄です、レキサ王子」
刃丞が新学期からがんばってるらしいのを感じ取りつつ、おれはもう一度丁寧に礼を伝えて男の集団のなかに入れてもらった。
二年生編です(^ν^)よろしくお願いしまーす!




