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貴族らしいチョイス

城門で招待状を見せ、南西にある今回の舞踏会場へ向かう。

途中で馬車から降りて城内を案内役について歩いてるんだけど、城広すぎない? 


おれん家が郊外だから早く出発したんだと思ってたけど違うわ。城がでかすぎるからだ。


(令嬢の歩く距離じゃないなー)


外が見える廊下には他にも数人のご令嬢が居るんだけど、景色見るふりして休んでるもんね。

しかしそこは田舎者のおれ、歩くのは慣れちゃってる。付き添いのダンドワさんもしずしず歩いてるが健脚なのは間違いない。


「こちらが本日のホワイエでございます。しばしご歓談をお楽しみください」


頭を下げる案内役に見送られ、アーチ状の入り口に進んでいくとここもかなり広い部屋だった。俺の前世の部屋何個分かな?いや、家ごといけるな……その広さ全面に豪華な装飾がつけれてる。王族すげぇ。


「カルダモン様でございますね。ローズマリーお嬢様がお待ちでございます」


部屋に入って早々、刃丞のとこのメイドさんがお迎えにきた。

ダンドワさんとは別れてホワイエの奥へ行くと、長椅子に優雅に座る刃丞と取り巻きのみなさんがいた。


「メル、ひさしぶりね」


女子を侍らせ微笑む姿はさすが公爵令嬢という迫力があるけど、中身が親友の男だと思うとイライラしかせん。


「カエノメルさんも招待されましたのね」


キャッキャと寄ってきたのはいつもの三人ピネちゃんハチクちゃんプリュネちゃんだ。


「皆様がご一緒なら心強いです、わたくし舞踏会初めてですの」

「まぁ!」

「まあまあ!」

「でしたらローズマリー様にご相談すべきですわ!」


すごいコンビネーションで刃丞の隣に座らせられる。


「わたくしたちはお飲み物持ってまいりますわ!」


どうぞごゆっくりとニヤニヤしてる顔で三人が立ち去った。あれはあとで詳しく聞かれるやつだな。


「ひさしぶりね翔義」


刃丞がフワフワのついた扇子をバサリと開いて口元を隠したのでおれも倣ってフワフワはないけど扇子をひろげる。


「なぁなんでおれが王子に誘われたか聞いたか?」

「それとなく聞いたけどはぐらかされたわ。お会いしたことないわよね?」

「ない。顔も微妙だ」

「ふはっ……やめて、笑わせないで」


小声でこそこそしゃべる。ホワイエ中の女子がそんな感じなので目立つことはない。


「というか、翔義のドレス攻めてるわね」

「そんなんおまえのがすごいじゃん。なんだそのおっぱい」


刃丞のは自慢のおっぱい盛りまくりで上乳丸見えだが、お金かけてるだけあって露出すごいのに下品じゃないデザインだ。

おれには全然わからないけど、生地もすごいの使ってるんだろう。


「せっかく女なのだから、魅力のすべてを引き出そうと思ったのよ」

「ほーん……」

「なにその目。翔義こそ背中のデザイン斬新じゃない」

「ふふふ、気づいたか」


おれのドレスの背中部分はレースで透けているがビジューを連ねて飾っているのだ。


「これはおれの尊敬するロックバンドKISSの衣装を意識して」

「渋い!チョイスが渋い! しかも舞踏会にロック持ち込まないで」

「ええやんけ。ホントは黒のレザーにしたかったけどやめて令嬢らしくってことで色もピンクなんだし」

「レザーって……何をしにくるつもりだったのよ。可愛いドレスだと思ってたのに、隠されたKISSが気になっちゃってもうダメだわ」


ふぅーとドレスから目をそらす刃丞。

日本人なら見えないところのお洒落ってかっこよく感じるものじゃんね。


「それより、ダンスはどなたと踊るか決めてるの?」


ふと真面目な顔で問いかけられた。


「んー……信じたくないし、この名前も呼ばれてるアーティストだと思いたいんだけど」


胸の合間から小さく折りたたんだ例のダンス曲セットリストを取り出すして、刃丞に渡す。


「うわ、生暖かい……ふぅん、見事にレキサ王子派ばかりね」

「レキサ派?」

「そう、レキサ第二王子派。翔義のお父様もお母様もすごく考えられたのだと思うわ。押えるべき方々の名前がしっかり書いてあるし、順番も妥当ね」

「………やっぱり踊る相手の名前なのかそれ」

「アーティストなわけないでしょう。フェスだと思ってたの?」


そうならかなり楽しそうだ。

でもそっか。やっぱり男子とどうにかならないとダメなイベントなんだな舞踏会って。本気で婚約者探ししなきゃなんか……令嬢の義務だもんなー。


「刃丞はあれだろ? 王子と踊るんだろ」

「そうね、一曲目はそうするわ」

「頑張っていまのうちに好感度あげないと追放イベントだもんな」

「………」


急に無言とか。


「おい、まさかまだ “資料” 読めてないのか……!?」

「she isって書いてあるのはわかったわ。………っだって辞書もないんだもの、調べようがなくてよ」

「マジかよ。それじゃあレキサ王子の好感度ゼロも知らんのか」

「………… は? ぜ、ゼロ?」


刃丞の顔がやばい。


「夏休み明けの段階で登場人物の好感度はすべてゼロだぞ? ヒロインにもフェアに作られてるらしい」

「フェアって……! 婚約者よっ?」

「好感度あげた覚えある?」

「男相手にあるわけない」


それが原因でしょうね!


「とにかく、今夜の舞踏会はおれも刃丞もがんばんなきゃな」

「アドバンテージいまから作るの………」


愕然としてるおれたちに舞踏会場へ入るよう促す案内が聞こえた。


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