勇者絶対条件 一章 安価な命と再生 九話 「最悪の現実」
こんにちは、含水茶吹です。
今回もすごくカオスな内容になっていると思いますが、最後まで読んでくれると嬉しいです。
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三滝兼政はクナイがとった行動、そして、小鳥遊華蓮の言った言葉、二人の再生者がとった言動に何か、恐ろしいことが隠れているのではないかと、感じ始めていた。
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「反田さんはどうしているんですか?」
クナイは犬鳴訊覚に気になることを質問した。
現在、彼等は三滝宅の玄関ドア前にいた。
その理由は当然、敵から三滝兼政とた小鳥遊華蓮を守るため、だ。
その際、反田一は敵の一人に遭遇し、犬鳴を三滝宅へと先に行かせる形で逸れたのだった。
そのことを知っている、犬鳴は知っている人間として当たり前の義務を果たす為、口を開き簡単にこう説明した。
「反田は蘇者教の一員と思われる人物で指名手配中の冴中多陶嗜交戦中だ。アイツの到着は片づけ次第ってとこかな」
その言葉にクナイは眉間にしわを寄せる。
「襲撃者が複数いるんですか?」
「あぁ」
クナイの質問に犬鳴は短く答え、彼は続ける。
「恐らく、少人数だろうが、含数人いることには違いない。俺の同族検知能力ではここ一キロ先から、現在進行形でこっちに二人の再生者が気持ち悪い程の高速度で向かって来ている、この感じだとあと一分かからずでご対面だ。俺の能力の応用の再生者の基本能力の『同族察知の認識阻害』をお前のピンポイントの座標だけだが掛けてある、今のうちに覚悟を決めて襲撃に備えとけ」
クナイはその言葉を聞き、息を飲み、頷いた。
犬鳴の能力である同族検知の応用、『認識阻害』。
この能力は同族を感知できるなら、任意の同族を検知できないようにできるのではないかと様々な試行錯誤を繰り返したクナイの知る再生者の中では犬鳴だけしかできない、特殊な技能。
その能力はクナイと犬鳴に対し、対策を講じさせないようにする、時間稼ぎのようなものだった。
それを理解し、クナイは目を瞑る。
敵は近くにいる、そう感じた。
同族察知能力が示した距離は、およそ二百メートル先の玄関の真正面の方角。
再生者の基本能力の同族探知乃限界範囲である一キロメートル以内でよかったと思うのと同時に、二百メートルという距離にしては短すぎる数字にクナイは苦虫をかみつぶした間隔を覚えた。
そして、犬鳴が告げる。
「お出ましだ」
そういった瞬間、空に二人の人影が現れ、
「チッ、三人いんじゃねーか」
と、一つの男のような影が言った。
2
それと同じ頃、反田は冴中多陶嗜に手錠をつけ、電柱に固定していた。
「…冴中多、貴方はここで待っていてください、どの道、後五分くらいで部下の回収班が来ますから」
反田は冷たい調子で、冴中多にそういうと冴中多は単打を引き留めるように言う。
「俺はな、蘇者教の信者ではねぇが、関係者だ。用心棒として雇われてるからな…。どう意味か分かるよな…?」
その言葉を反田はすぐ理解し、目的地に向かいながら、答える。
闇を照らす街頭にその身を照らして、答える。
「死んで逃げれるとは思わない事です。こっちは時間次第ではいつでも蘇生させることができるんですから」
その血だらけの身をなんともないようなそぶりで動かしながら反田はそこを後にした。
3
三滝宅前、四人の再生者がそこにはいた。
「ねぇ、退けてよ」
女の再生者がクナイと犬鳴に嫌そうに告げる。
クナイは女の再生者に一言返す。
「出来ません」
そして、いい時の静寂が訪れる。
…。
……。
その静寂をある音が打ち壊す。
ドゴォオンッ!!
辺りにコンクリートが散らばる。
土煙とコンクリートの破片をまとって動いた女の再生者の隣にいた、男の再生者。
それは犬鳴の方へと向かっていた。
正面から受け止める形になり、敵の顔を見た犬鳴は瞬時に敵の名を呟く。
「ソロベルティ・アルシモフッ!?」
そして、犬鳴は彼の体当たりをまともに受け、塀に激突した。
だが、犬鳴はただの再生者ではない。
殉職したといえど、警官は警官。
ただの人間から、蘇ったわけではない。
塀に打ち付けながらも、犬鳴はソロベルティの身体をしっかりと受け止め、数発の膝蹴りを加え、体を抑える力が弱まった瞬間につま先で彼の顎を重い息梨打ち上げるように蹴った。
「グィッ!?」
ソロベルティは悲鳴を上げ、吹っ飛ばされた体勢をバク転を応用したなんとも強引なやり方で整える。
そして、ソロベルティは口からうっすらと流れた血を腕でぬぐった。
それを見て女の再生者は、
「いきなり突っ込んでも、力量が判んないから、どうなるか分んないでしょ?」
と、いまさらと言ったことをいう。
クナイはそんな女の再生者を見て、頭が切れたらしく額の血を拭う犬鳴に訊く。
「あの女の…、『暴食』ですよね」
その言葉に犬鳴は少し驚いたように質問を返す。
「何だ、クナイ。お前も知ってたのか、てっきり知らないと思って黙っていたんだが…」
その言葉にクナイは掌の上に火球を出しながら、返す。
「その事件、私も担当してますから」
「…それなら話が早いな…」
犬鳴は、塀にのめり込んだ体を起こしながら、そう呟き、敵を見据えて言う。
「命令だ、クナイは『暴食』、俺はもう片方の再生者ソロベルティ・アルシモフをやる。『例の法律』の適応で殺しても構わないが、個人的には『暴食』は捕獲だ」
「はい」
そんなやりとりからコンマ零秒もたたない内に二人の再生者は敵に向かっていく。
4
家でなんとも言えない気配と嫌な予感委再根まれている俺こと、三滝兼政は外から鳴り響いた音に肩を震わせた
ドゴォオンッ!!…ドグァ!!
そんな音が耳に、頭に響く様に届いたのだ。
まるで岩のような硬いものを砕く音とそういう固いものに何か、を叩き付けるような音。
その落ちが俺の不安をさらに煽る。
俺の家の前で何が落ちているんだ。
そんあ疑問が思考を覆いつくし、一つの結論にたどり着く。
人間の中で数えるべき愚かな感情の一つ、知的好奇心。
それが俺にこう告げた。
『外に行け。見えればわかるはず』、と。
俺はその一つの命令につき動かれ、台所から包丁を一本持ち出し、上着を着て外へと向かった。
5
外に出ると、四つの影が踊るようにうごめいていた。
そしてその中から、一つ、俺の方へ飛んできた。
直線方向での移動だったからなのだろう。
残像を遺しながら動いていた影が、人型、それも同じ年くらいの少女の姿がはっきりと見えた。
そして、耳に届いたものは、
「逃げて、三滝君ッ!!」
と、足を止めて叫ぶクナイさんの声だった。
俺はその声通りに、全力で、体を彼女の通ることはない方向へと動かす。
いや、動かすというよりは、倒れ込むといったほうが妥当か。
倒れ込み、ズレた俺の視界が襲い掛かってきた彼女を影と認識した。
まるでボクシングンのジャブを眼の前で掠められたような感覚。
だがそれよりも恐ろしいと思う事が一つあった。
それは彼女の顔が俺の視界が影と認識する少しだけ前にまるで蛇のように大きく開かれ手様に見えたことだった。
そして、俺はその狂気的な状況に戸惑い、襲い掛かってきた女乃方へ顔を向ける。
その姿は本当にそこらにいる同い年くらいの少女で、彼女のその腕からは血がボタボタと流れていた。
だが、彼女が俺の方へ顔を向けたとき、すべてがわかってしまった。
その目期は殺意と狂気その二つが織り交ざった光があった。
俺の目には、その光が赤黒く、爛々と輝く様に見え、実がその光によって固められる気がした。
恐怖、それが俺の体を縛るように止めた。
そして、彼女が再び動いた。
その動きはさっきとは全く変わらない。
その気になれば避けれるのだろう、だが。
だが、全く避けれない。
詩を覚悟した時、目の前の時間が遅くなった。
これは、おそらくよく聞く、脳の処理が現状の情報量を処理仕切れず起こるとかいう現象だろう。
その時間の中で、いくつもの自問自答を俺は繰り広げた。
それはやろうとも思っていない、ほぼ本能的なものだった。
そして、行くもん物問いの回答を終え、一つの答えが浮かび上がる。
まだ、小鳥遊華蓮との約束が終ったわけではない、死ねないのだ、と。
そして、俺の手は人間の限界速度で動く。
包丁を手にして。
襲い掛かってきた彼女の顔面、鼻のてっぺんに、切っ先が向く様に、俺の腕は包丁を固定していた。
そして、そして、そして……。
サク。
そんな軽い音とともに顔に鮮血が飛び散り、包丁から手を離し、思いっきり、後退りする。
そう、包丁がぐっさりと、彼女の顔に刺さっていた。
それはもう、吐き気が催すような惨劇で。
だが、俺は自然と、吐くことはしなかった。
息は荒くもなく、変に冷静だった。
それなのに頭の中にはトンデモない罪悪感と喪失感い苛まれる。
俺は、そして、思考が単純化していることを感じながら、ゆっくりと立ち上がった。
それと、ほぼ同時だろうか。
彼女は、その場にあおむけで倒れ込み、叫んだ。
「いいぃだぁぁっぁぁいいいいいい!?あああああああああああああああああああああああああ!?」
耳を劈くような悲鳴。
そして、俺の思考が完全に単純化されるその瞬間、後ろから誰かが、俺を羽交い絞めに私費雑貨君の要領で座り込ませた。
「三滝君、大丈夫ですか!?」
そして、座り込まされた俺の肩をつかみ揺らしながら話し掛ける声が耳に入った。
あぁ、さっきの一連の動きはクナイさんがやって来たのか。
俺はそんな薄い思考と反応の中、クナイさんに、
「…大丈夫です…」
と、答えた。
実際、今この瞬間、俺は自分のことしか考えることができなかったせいか、自分の身を確認して、この言葉は出たのだった。
そう、逆に言えば、身体は問題なくとも、精神的にはかなりのダメージを受けていた。
だが、さっきも述べたように、俺の思考は単純化されていた事でそんあことなど全く頭の中には存在しなかった。
クナイさんは気付かなかったがもう一人の仲間らしき人物に、
「三滝君と華蓮ちゃんを別所へ移動させます。犬鳴さん、現在、戦闘不能のリプレイヤーから離れてください!」
と一声かけると、動き続ける二つの影から、「おう!!」と短く少し年を取った男の声が耳に入った。
朦朧とする意識の中、クナイさんは俺を担ぎ、家の中へと駆け込み、二階にいる華蓮を空いていたもう片方の肩で担いで、窓から飛び降りた。
そして、俺の意識が途絶えた。
こんにちは、含水茶吹です。
今回も恐ろしくカオスとなっている気がしますが、気のせいだと思いたいです。
今回で人間大人間は終り、再生者の戦いが始まりました。
四つの影しか見えないっていうのも、それまた現実離れしておもしろいかなと思いやってみたんですが、なんとなく、再生者はやっぱ人間なんかじゃねと伝わったら幸いです。
次回はほんの少ししかありませんが説明回です。
ちょっとした整理として設けたお話なので戦闘要素は一ミリもありません。
下手すれば説明も微妙な濁し方で終わる気さえします。
ですが、それでも、最近長続きしているカオスよりは読みやすいと思うので、次回も読んでくれると嬉しいです。
ではまた次回もお会いできることを願いまして。
また次回。




