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ツンデレ婚約者と天然令嬢とメイドと+αのお出かけ回

今回は長めになります。

間違いがあればご指摘ください。


「ど、どう?ケリー。似合う?」

 

 フローリアはケリーの前でふわりとスカートをゆらし、くるりと回った。

 

「はい。とてもお似合いですお嬢。まあわたしが選びましたし間違いは無いですね」

 

フローリアは白を基調としたワンピースに、所々色とりどりのお花の刺繍をされた服を着ている。フローリアもとても満足そうに鏡を見ながら微笑んでいた。

 部屋の椅子にちゃっかり座っているアリアは何か前も見た気がする…と思いながらも、その光景を見ていた。

 

「ケリーの自信すごいな、まあ実際すっごく似合ってるけど……あたしもフローリアのお洋服ぐらい選べるもん!あと、ケリーのドヤ顔腹立つ」

 

「えぇ?そこなの?」

 

 張り合いだしたアリアをガン無視して、ほんの一瞬のドヤ顔を無くしケリーはテキパキと出かける準備を進めていた。

 

「では行きましょう、お嬢。アリアも来るなら早くしてください置いてきいますよ」

 

「ねえ、あたしの扱い雑じゃない??」

 

 たまに言い合いをしても仲がいいケリーとアリアを見ながら、フローリアはふふっと笑った。

 外に出ると既に大きい馬車が止まっていた。

 ケリーはやっぱりもう来ていたかと言う顔をしながらフローリアの手を取り馬車へ乗せた、アリアはフローリアに着いていくように堂々と馬車へ入って行った。

 

「…………」

 

 レイからの視線はお構い無しにケリーは行く先を御者に伝えていた。

 今回はケリーが場所を決めたためレイもどこに行くのかは知らなかった、そして護衛すら付けていない。レイはフローリアとの時間を邪魔されたくなかったのだ…だが馬車に乗り込むとそこには(レイにとっての)邪魔者(アリア)がフローリアと楽しそうに話していた。

 

「ねえフローリア、今度服とかアクセサリーとか選んであげるよ!あたしだってフローリアに似合うようなものぐらい選べるんだからっ」

 

「良いの?アリアが選んでくれるのね、じゃあ私もアリアに何か選んでみようかしら、えっと…センスは期待しないでね私、自信ないから」

 

 アリアは先程のケリーのドヤ顔を思い出し対抗心を強めフローリアはアリアが自分の為に選んでくれるのを楽しそうにしている。

 その様子を見てレイは無意識にフローリアを見て、意識的にアリアを鋭い目つきで見ていた。

 

 (あれ、何かこっち睨んでる?話に夢中で気づかなかったから?それとも勝手に着いてきたから?いやだって、フローリアが不安だから来て欲しいって言ってたんだもん、ダメって言ってないじゃん!)

 

 レイの鋭い目つきに気づいたアリアは心の中でそう叫びながらレイからそっと視線を逸らした。

 目的地に着くまでフローリアの言葉にアリアはぎこちなく頷き返事をするといった時間が続いた……

 馬車に揺られ着いた先には一面の花畑が広がっていた。

 

「わぁ、すごく綺麗だわ」

 

 目を輝かせその光景に感動するフローリアを見ながらアリアもすぅ〜と、息を吸って吐いた。

 

「はぁ〜〜生き返る〜」

 

 アリアは馬車の中での空気を吐き捨てるように深呼吸をした。

 

「お嬢、こちらに休憩できるスペースを作りましたので疲れた時にお使いください。お昼にここでご飯を食べようと思うので皆さんで食べましょうね。それまではゆっくりとお過ごし下さい」

 

 ケリーはテキパキと素早い速度で休憩できるスペースを作りフローリアにそう告げた。

 

「まあ、ありがとうケリー。じゃあ早速お花を見てくるわぁ」


 余程花が見たかったのかフローリアは早々に花を見に行ってしまった。

 

「………………」

 

「……」

 

 いつもより長い沈黙だな、と思いつつもまあそれもそうかとケリーは納得した。

 レイが誘ったのはフローリアだが別にダメとも言ってなかったので友人のアリアもついてきて次第にはフローリアはお花を見に行ってしまった。

 フローリアともっと話したいが自分からグイグイ行かないレイ、天然で花が大大大好きすぎるフローリア。

 ケリーは昔(・)か(・)ら(・)の(・)仲(・)である男に不憫だが自業自得と思いながら楽しそうにはしゃぐフローリアとアリアを眺めていた。

 しばらくしてお昼時になり、皆集まってお昼ご飯を食べることにした。

 サンドイッチや、フルーツ、色とりどりのおかずや、パンにジャムなど沢山用意してあった。

 

「私、この為に朝を少なくしたから沢山食べるわ!あっ、えっと…い、いただきます」

 

 いつになくはしゃいだフローリアだったがレイが居ることを思い出し、恥ずかしそうにサンドイッチを手に取った。

 

「食べれるだけお食べ下さい。レイ様もお好きなものがあればどうぞ、アリアは勝手に取って食べてください」

 

「……」

 

「あーはいはい、食いますよー勝手に。ありがたく頂戴致しますよーだ」

 

 無言なレイとは違いアリアはケリーの言い方に腹を立たせながらパンを手に取った。

 レイはフローリアと同じサンドイッチを食べ始めた。

 

「やっぱりすごく美味しいわケリーが作るご飯。ここで、それに皆さんと食べれてもっと美味しく感じるわね」

 

 フローリアの満面の笑みにレイはガン見し、アリアは毒気が抜かれたようにそうだね〜と繰り返していた。そしてケリーは一瞬のドヤ顔。

 皆がお昼を食べ終える頃、ケリーはせっせと花を使い冠を作った。

 

「お嬢、ちょっとこっちに来てください」

 

「?どうしたのケリー」

 

 フローリアがケリーの元へ行くとケリーは手に持っている花冠を見せた。

 

「どうぞ、お嬢に作りましたよ。花冠です」

 

「わぁ、すごく綺麗ね。ケリーは器用だわぁ」

 

 フローリアは嬉しそうに花冠を頭に乗せた。

 

「ど、どう?」

 

「最高級ですね、目の保養です、天使からの祝福ですかね。ありがとうございます」

 

 顔色を変えずに早口で答えるケリーにえへへっと笑ったフローリアはアリアの所へも行った。

 

「アリアー!見てみて、これケリーが作ってくれたの!」

 

 花冠を頭に乗せ、朗らかに笑うフローリアを見たアリアは手に持っていたフルーツをポロッと落としながら目を見開いた。

 

「か、がわ゙い゙い゙ーーー!!あ、あたしも!あたしもフローリアに花冠作る!!」

 

 そう叫んだアリアは花畑に飛び出して行き、せっせと花冠を作り始めた。

 そしてアリアと同様、手に持っていたパンを落とし、フローリアをみていたレイは自分もと言わんばかりに花を手に取り花冠を作り始めた。

 

「じゃじゃーん!はい、フローリア。フローリアの着てる服みたいに白い花の間に少しずつ色とりどりの花を入れて作ってみたよ!」

 

 アリアはそういうとフローリアに花冠を手渡した。

 

「わぁ、すっごく綺麗ね。アリア、上手だわ」

 

「意外にも手先は器用なんですね」

 

「意外にってなによ!」

 

 歓喜するフローリアに一言多いケリー、アリアは誰か忘れてるなぁと思いレイのいる方を振り向くと花冠を作るのに苦戦しているレイの姿があった。

 

「……もしかして、不器用側だった……?」

 

 そんなレイの方へケリーが近づきそっと横に座った。

「おや、もしかして花冠が作れなかったのですか?仕方ありません、ではお嬢の為の花冠を作るのが上手いわたしが教えて差し上げましょう」

 

 少し上から目線に言うケリーをレイは睨みながら、早く教えろと一言言った。

 

「あの二人って意外と仲良かったりするのかな?」

 

「うーん、どのなのかしら。私はそこまで2人が一緒に居るところは見てないから知らなかったわ」

 

 ケリーがレイに花冠の作り方を教えてるのを見ながらアリアとフローリアはそう呟いた。

 何とか花冠が完成したレイはフローリアに花冠をそっと差し出した。少し崩れ気味な花冠だったがフローリアは大いに喜んだため、レイは内心安心した。

 午後3時頃、おやつを食べようとケリーは持ってきたクッキーを皆に差し出した。

皆が美味しいといいながら食べる中、レイは先程の事があってかクッキーに手を付けずケリーをじとりと睨んでいた。

 

「あら、召し上がらなくて良いのですか?」

 

「…………」

 

 レイの無言の圧を気にせず話すケリーとは違い、フローリアはあわてた様子で言った。

 

「えっと…こ、このクッキー美味しいですよ。ケリーと一緒に私もつk」

 

「いただこう」

 

「……………………たの、ですが…………」

 

 フローリアが言い終える前にレイはクッキーに手を伸ばしサクッと1口食べた。

 

「……美味い」

 

 レイは一言そう言うとそのままサクサクと食べ始めた。

 

「紅茶もありますが」

 

「…………」

 

 またケリーの言葉を無視するレイだったが……

 

「そのぉ、紅茶もこのクッキーに合うように私が選n」

 

「何をボサっとしている、メイド。早く紅茶を用意しろ」

 

 またもやフローリアが言い終える前にレイはケリーに紅茶を用意するように指示した。

 

「……どうぞ」

 

 顔の血管をピキピキとさせながら紅茶を用意しているケリーを見ながら、アリアはうわぁと呟きフローリアは不思議そうに首を傾けた。

 

 ケリーやアリアが片付けをしている時、花畑を愛おしそうに眺めるフローリアの元へレイが近づいてフローリアの横に座った。

 

「フローリア」

 

「あっはい、何でしょうかレイ様」

 

 突然名前を呼ばれたことに驚きながらも自然と微笑むフローリアを直視しながら、レイは言った。

 

「また、誘ってもいいだろうか……」

 

フローリアはそんな事を言われると思っていなかったのか、一瞬目を見開き驚いた様子だった。だが次の瞬間には目を輝かせ笑顔になって話し出した。

 

「次も誘ってくださるのですか、すごく嬉しいです。実は、今度は私がレイ様をお誘いしようと思っていたんです。」

 

「そ、そうだったのか」

 

 珍しく表情が変わったレイを見てフローリアはふふっと笑った。

 

「あっ、そういえば。花壇の件では本当にありがとうございました。アリアからレイ様が色々調べて下さったと聞きました、本当にありがとうございます!」

 

 そう言って深々と頭を下げるフローリアにレイは少し俯きながら言った。

 

「いや、これは当然の事だ。と言うよりもっと早くに対処するべきだった、……すまない……」

 

「い、いえその、レイ様が謝る事では無いのです!わ、私が言わなかったのがいけなかったので……私はレイ様やケリー、アリアが助けてくれた事がすごく、すごく嬉しいのです。だから……また、何かあればレイ様に頼ってもよろしいでしょうか?」

 

 普段言わなかった事を言ったため顔を上げずらかったレイだったが、フローリアの上目遣い攻撃をくらい、朱色に染まりそうな顔を片手で隠しながらあぁ、と呟いた。

 

「?」

 

「おーい、フローリア!レイ様!もう馬車に乗りますよ〜!」

 

 レイの呟いた声にキョトンとしていたフローリアだったが、アリアの声を聞くとその場に立ち上がり自分より背が高いであろうレイに手を差し伸べた。

 

「では行きましょう、レイ様」

 

「……、普通こう言うのは男がリードするものだろう。俺の役目を奪うつもりか?」

 

 そう言いながらもフローリアの手を掴みフローリアと同じくその場に立った。フローリアはレイの手をぎゅっと握ると満面の笑みで言った。

 

「えへへ、奪っちゃいました♪」

 

 (俺の心をか?)

 

 フローリアの言葉にレイは心の中で即答した。

 レイはフローリアに手を握られたまま馬車へと向かい、途中でケリーに冷めた目で見られていた気がするが今は余裕が無いので無視した。

 帰り道、フローリアやアリアは疲れたのか熟睡していた。レイはフローリアに握られた手を眺めていた。

 

「良かったですねー」

 

「なんの事だ」

 

 少し余裕が出てきたのか、ケリーの言葉に一言言い返したレイだった。


ここまで見てくださりありがとうございました。

登場人物達の深堀もしたいです。

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