共犯?
「何にですか...?」
「壊すの」
「——え?」
一瞬、何を言ってるのかわからなかった。
「......どういうことですか」
「私はそこで作られた側なの」
「でも......無理ですよ」
「だって、そんなの警察とか...能防隊とかが...」
能防隊とは、能力防衛隊の略称。
「警察も、グルだよ」
「——え?そんなわけ。。。」
...頭が、追いつかない。
「ここの傷」
そういって、左腕の袖をめくる。
露わになった肌に——
色は肌と同化しているけど、うっすらと、刻まれた数字。
「......これ、ほんとに......?」
「番号。能力と一緒に管理されてた」
「なにそれ.......」
「あとこれ施設の写真ね」
「中は子供の肖像権とか、表向きはそれで撮影禁止ってなってるけど」
「え?こんな。。。」
写真を見た瞬間、絶句した。
明るい部屋で、子供たちが笑っている。
能力を使って、楽しそうに。
——でも。
もう一枚。
真っ暗な部屋。
倒れている子供。
床に、血。
「ちょっと、信じてもらえた?」
「......これ、嘘じゃないですよね」
信じられないからなのか、少し笑みを浮かべてしまった気がする。
「そうだね」
ふふっと少し微笑んでから赤月さんはそう言う。
怖い。
正直、絶対に関わりたくない。
——それでも。なぜだろう。
「......全部は無理ですけど」
「できる範囲なら、付き合います」
言ってしまった。
——なんでだろう。
「ですが、1つだけ聞かせてください」
「うん、なにかな?」
「他に当てがあるんじゃないですか」
「僕みたいな力をまともに使えない能力者よりも、もっと良い当てが」
「んー、それはね」
人差し指を顎に当てて、少し考えるようにしてから。
「強い人はね」
「最後まで一緒にいてくれないもん」
——何かが刺さった。
「.......だからさ」
「君みたいな人の方が、ありがたいんだよね」
.....断れなかった。
「ま、君が弱いのは事実だけど」
うっ、別の意味で刺さった。確かに僕は弱いけど。
少し怪訝そうな顔をしていると。
「じゃあ、場所変えよっか」
さっきと同じく、静かな夜道を淡々と歩く。
駅に向かうようだ。
東京都調布市、ここが僕の地元。
赤月さんの自宅も調布市らしい。
調布駅に着くと、また歩き始める。
歩いて20分くらいだろうか。
白い長方形型の建物。黒い屋根とシンプルな外観。
なんか自宅というより、事務所に近いような?
「ここが私の家、というか拠点みたいな感じかな」
ここから、僕の話は始まった。




