第66話:『酔いどれ創世記。 ―通貨はドングリ、山はデザート―』
神様たちの宴会の余波で、世界は「ドングリ経済」と「スイーツ地形」へ。
株価は大暴落(ドングリの形による)し、登山家たちは「プリンのカラメルで滑落」する事態に。
しかし、お母さんにとっては、通貨が何になろうとも「安く肉を買うこと」が最優先。
リィナはドングリを拾いながら、神様たちの「飲み会禁止」を心に誓うのでした。
「……おはよ。……えっ、何これ」
リィナが翌朝、眠い目を擦りながらリビングへ降りていくと、そこには空のワンカップ酒に囲まれて爆睡する神々の姿と、窓の外に広がる「狂った景色」があった。
まず、テレビのニュースキャスターが真顔でこう告げていた。
『本日未明、日本円の価値が暴落。政府は新たな法定通貨として「そこらへんに落ちているドングリ」を採用しました。都内の公園ではドングリの争奪戦が始まっています』
「……パパ、これ昨日の宴会のせい?」
『リィナ……。……(印:ログ解析)×(印:因果関係の特定)。……ああ。北欧の神と日本の八百万の神が「お金なんて丸いもん(ドングリ)で十分だろ!」と意気投合して、世界の経済サーバーを書き換えたみたいだね』
パパが頭を抱えながら、庭を指差した。
そこからは、遠くに見えるはずの富士山が「巨大なプリン」に変貌し、山頂からカラメルソースが優雅に流れ出しているのが見えた。
「ちょっとパパ! 会社行こうとしたら、バスの運賃が『ドングリ3粒』だって言われたわよ! 私、ドングリなんて持ってないわよ!」
お母さんが憤慨しながら、神々をほうきで叩き起こし始めた。
「こら! 起きなさい! あんたたちのせいで、今日の買い物に行けないじゃない!」
「うぅ……頭が痛い……。……あ、教母様……。……プリン、食べたかったんです……(二日酔い)」
ゼウスが虚ろな目で呟く。
「(印:現実逃避)×(印:強制パッチ)×(投げ銭:神々へのウコンの力)」
リィナが指を鳴らすと、神々の二日酔いは消え去ったが、一度書き換えられた「プリン富士山」や「ドングリ経済」は、あまりにも神々の魔力が深く刻まれすぎていて、すぐには元に戻らなかった。
「……仕方ないわね。リィナ、庭のクヌギの木からドングリを収穫してきなさい! 今日はそれで特売の肉を買うわよ!」
九条家は、世界がどれだけバグろうとも、結局「今日の献立」を中心に回り続けるのでした。
第66話、ありがとうございました!
富士山がプリンになるという、夢の(?)バグ。
パパが冷静にログ解析している横で、ドングリを拾いに行く九条家の順応性が凄まじいです(笑)。




