第61話:『商店街の福引き。 ―特等:地獄10泊11日、朝食付きの旅―』
溝掃除の副賞で当たったのは、まさかの地獄旅行。
しかし、九条家が足を踏み入れた瞬間、地獄の業火は「アロマキャンドル」に、針の山は「高級足裏マッサージ器」へとランクダウン。
魔王サトウも荷物持ちとして同行し、地獄の住人たちは「本物の悪魔(お母さん)」の来訪に震え上がることになります。
「はい、お疲れ様! 九条さん、溝掃除のご褒美にこれ、商店街の福引き券5枚あげるわね」
近所の田中さんから手渡されたのは、どこにでもあるピンク色の紙切れ。しかし、お母さんがそれを受け取った瞬間、**(主婦の徳)×(溝掃除の功績)×(お母さんの強運)**が発動し、券の表面に「黄金の幾何学模様」が浮かび上がった。
「リィナ、あんたガラガラ回してきなさい。パパの晩酌のビールでも当たればいいわ」
リィナは溜息をつき、駅前の特設会場へ向かった。そこには、ただの商店街のオヤジが回すはずの抽選機が、リィナの接近を察知して**(超高密度演算機)×(運命操作ログ)**へと変異していた。
「……はい、回すわよ。……(印:確率固定)×(印:全次元の特等)×(投げ銭:商店街への景気回復)」
ガラガラ……カランカランカランッ!!
出たのは、見たこともない「七色に発光する玉」だった。
「お、おめでとうございます……! お嬢ちゃん、特等だよ! 『異次元・地獄極楽10泊11日、地獄の釜茹でエステ&針の山ハイキング付きペア旅行券』だ!!」
商店街のオヤジが白目を剥きながら叫ぶと、商店街のど真ん中に「奈落の底」へと続くエスカレーターが突如として出現した。
「……パパ。ビールじゃないわ。地獄行きよ」
『リィナ。……これ、ただの旅行じゃないね。地獄の王が、九条家の「溝掃除の噂」を聞きつけて、自分の領地も掃除してほしいと招待状を送ってきたんだ。……よし。……(印:バカンス仕様への書き換え)×(印:地獄の冷房完備)。……これで行けるよ』
パパが指を鳴らすと、灼熱の地獄は「南国のナイトプール」のようなお洒落な空間へと一瞬でデバッグされた。
「あら! 地獄のエステ、お肌に良さそうじゃない! サトウさん、荷物持ちなさい!」
「は、はい! 喜んで冥界までお供いたします、教母様!」
九条家一行は、福引きの景品として「全次元で最も恐ろしい場所」を「最高の避暑地」に変え、悠々とエスカレーターを降りていった。
福引きの玉が七色に光る時点で、もう普通の旅行なわけがありません(笑)。
「地獄の釜茹で」をエステと言い張るお母さんのポジティブさが光ります。




