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貴族の子ルニスと緊急事態③

誤字や抜けがありそうな気がしますが、とりあえず投稿します。

「フギッ!フギィィィッ!」


クレイの隣で、同じ様に先程のオークが触手に捕らわれていた。

同じダンジョンのモンスターでもお構い無しの様だ。


「もしかして、触手(コイツ)がゴブリン発生の原因か……!」


下層に居た触手モンスターが次々に周囲のモンスターを襲い、居なくなれば上の階層へ行き、再び襲う。

そうやって元々居た階層のモンスターが上の階層へと次々追いやられ、逃げてきた下層のモンスターに居場所を奪われたゴブリン達がダンジョンの外へ追い出された。

そんなところだろう。


手足に巻き付いた触手には大小様々な吸盤が不規則に付いており、吸盤の縁には小さな牙の様なものが並んでいる見て取れた。

触れただけで引っ張りあげられたのはこの吸盤のせいだろう。

吸盤だけでなく、小さな棘が無数に付いた鱗の様なものが触手を覆っていた。

触手に触れた部分がチクチクする。

本体上部には口のようなものがパクパクを閉じたり開いたりしており、何とも気味が悪い。


「このッ!離せッ!」


もがいてみるが、まだ長さに余裕があるせいか、動きに合わせて触手も動くだけで引き千切る事ができない。


そうこうしている内に上半身にも触手が巻き付き、左頬にも触手が引っ付き引っ張り始めた。


「ほりゃ、ひゃへろ!ひゃへろっへ!」


ルニスの居る前で神剣を使いたくはないが、このまま捕まっている訳にはいかない。


クレイは神剣を呼び出し、絡みつく触手を斬っていく。

地面へ降り立ち、ルニスの近くまで下がる。

斬りはしたが、触手はまだ巻き付いたり引っ付いたままだ。

どうやら本体から切り離されると触手や吸盤が自動で締め付けるようになっている様だ。

「一度捕えた獲物は逃さない」そんな意志を感じる。


クレイは神剣を消し、体中に巻き付いた触手の切れっ端達を強引に引き剥がしていく。

触手に触れたらまた引っ張り上げられてしまう、視線を触手モンスターから離すわけにはいかない。

上半身に巻き付いた触手を引き剥がした時に()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()が、確認する余裕は無い。


「ギィァ!グガァッ!」


捕らわれたままのオークが触手本体の上部……口の上まできていた。


やたらと牙や歯の多い触手。

歯の無い口。

ーーまさか。


これから起きる食事(惨状)をルニスに見せる訳にはいかない。


「く、クレイ……さん?」

「見ちゃ駄目!」

「うわッ!」


ルニスの視線と触手モンスターとの間に自分の()()()が来るように、左腕でルニスを引き寄せる。


「クレイさん!クレイさん!み、()()()()()!」

「だから見ちゃ駄目!」

「むぐッ……」


どうも視線が通っているらしく、右腕で()()()()()()()()()()()()()()()

これで見えないハズだ。


オークの体を長い触手でズリズリと撫でる、否、()()


「ピギィィアァァァッ!」


悲鳴と同時に削られた場所から血や細かな肉片が滴り落ち、本体の口へと落ちていく。


腕を削り。

脚を削り。

顔を削り。

腹を削り。


既に骨がいたる所で露出している。

オークが叫ばなくなり、辺りに「グジュグジュ」と生々しい嫌な音が響き渡っている。


ここはまだ触手の範囲かもしれない。


「ルニス君もう少し我慢できる?」

「む、無理かもしれません」

「悪いけど、頑張って」

「は、はいぃ……」


左腕をルニスの腰へ回し、跳躍して一気に距離を離す。

そしてそのまま岩陰へと滑り込んだ。

ここなら触手も届かないだろう。


問題はあの触手モンスターのいる位置だ。

出口への道を塞ぐように居座っている。

……倒すしかない。


「ルニス君、そこの岩陰でじっとしてて」

「うん……うん……」


(何だか上の空だ……音だけとはいえ、余程衝撃的だったんだな……)


クレイはルニスを岩陰に置き、神剣を再び呼び出し触手モンスターと対峙する。


「さて……やるぞ!」

Q:上半身裸ですか?

A:上半身裸です

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― 新着の感想 ―
[気になる点] ルニス君の性癖が褐色少女に固定されそう [一言] ルニス君、そこを変わりたまえ とても羨まし(ry ここで文字は途切れている...
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