特務部設立
放課後になり、いまだに何で呼び出されたのかわからない隼人は生徒指導室に向かっている。
「早く帰って亜季を攻略したいってのに」
ぐちぐち言っているうちに目的地に着いた。
「失礼しまーす」
一応挨拶をして部屋に入る。
部屋には机が2つとイスが4つあるだけのシンプルなものだった。
そして奥の机に女教師が座っており、その手前の机に女生徒が座っていた。
隼人が入ってきたのに気付き、女生徒が振り向き目が合うと
「あー。あんたこないだの」
突然大声を上げた。
「こないだの?」
そんなフラグがいつ立ったのだろうかと隼人が考えていると
「まさかこんな美少女と腕を組んだことを忘れたわけ?」そう言われてやっと目の前にいるのが昨日の女の子だと気付いた。
「あっ。昨日の」
「そっちの話しは後にしてもらえる?」
不機嫌そうに女教師が言った。
「「すいません」」
素直に謝る2人。
「とりあえず座って」
言われた通りに座るを見て
「さて、なんで今日呼び出されたのかわかるわよね?」
「まったく」
「なんとなく」
心当たりのない隼人と思いあたる節のある少女が答えた。
「まだ神戸は救いがあるな。」
そう言い隼人を睨んでくる。
何か気に障ることでもあったのだろうか
「まあいい。今日呼び出したのはお前らの欠席や早退についてだ」
「ですよねー…」
「えっ、なんで?」
これまた2者2様の答え。
「そうか。大東はわからんのか」
「だって、この学校って勉強さえできればあとは適当でいいって」
この竹ヶ原高校は日本屈指の進学校で勉強さえできればいいという風潮があるのだ。
「適当にも限度があるだろ。お前らはあと1回でも休めば補充だったんだぞ?」
「「えっ、こいつも?」」
自分以外にもそんな奴がいたのかと驚く2人。
「さらにお前らは学年の1位と2位なんだぞ?」
どういうわけか隼人は学校をさぼってばかりなのに成績がいいのである。
「お前がいつも俺(私)の邪魔をしてたのか(ね)!」
また口論を始めた2人。
「だからそっちの話しは後にしてくれる?」青筋が浮かんでないのが不思議なくらいの顔ですごんでくる。
「「…はい」」
2人が黙ったのを確認して
「学年の1位と2位にさぼってばかりいるのは私はよくないと思ったわけだ」
「「はぁ…」」
「だからこれからは毎日学校にきてもらう。そして君らには部活をしてもらう。」
女教師は突拍子もないことを言い始める。
「部活なんて面倒臭いこと嫌ですよ」
「私も部活は嫌です」
当然の如く断る2人。
「2人とも親に報告されるのだけは嫌だよな?」
竹ヶ原高校の通知表には欠席などの回数は書かれておらず内申だけが書いてある。
「「・・・・・・」」
2人は黙って女教師を見る。
「なんでそのことをって顔だね?」
女教師はニヤリとしながら机の上に置いてあった紙の束を手にとった。
「大東隼人。父親は有名な外科医で母親は専業主婦。両親共に厳しく幼い頃から躾られてきた。そんな両親から離れたくて県外の高校を受験。」
紙を見ながら言う。
「なんでそんなことまでまで」
驚く隼人。
そしてさらに畳みかけるように女教師は言った。
「へぇー。中学時代に色々あったみたいね」
「…っ!!」
今度こそ隼人は驚愕した。
まさかあのことをしっているのか?
そして次の獲物に狙いを定める。
「神戸彩花。父親が神戸不動産社長、母親が社長秘書。母親が特に厳しく幼い頃から多くの習い事をさせられる。親から離れたくて県外の高校を受験。」
紙を1枚めくる。
「あんたも中学時代に色々あったみたいね」
「なんであんたがそんなことまで知ってるのよ」
警戒心を露わにして言う。
「そういえば自己紹介がまだだったわね。私の名前は加持菫。加持自動車の社長令嬢です」
加持自動車とは日本のトップ企業である。
神戸不動産もそこそこ大きい会社だが加持自動車には遠く及ばない。
「金持ちってほんと恐ろしいな」
「でしょー。」
すごい笑顔で言う菫。
「いままでの先生達はあんたらの成績が落ちることにビビって何にも言わなかったようだけど、私は趣味でやってるだけだから辞めさせられても困らないわけ。ぶっちゃけ仕事しなくても暮らしていけるしね」
勉強さえできればいいという風潮は、逆に勉強ができなければならないと言うことである。
教師の指導などにより生徒の成績が落ちた場合にはその教師は辞めさせられるだ。
「そんなわけだから部活動がんばってね。あんたらも親に連絡されたくないでしょ?」
脅しのようなことを当たり前に言ってくる菫。
「ちっ、わかったよ」
「しょうがないわね」
教師に対して敬語を使うのをやめた2人。
「よろしい」
満足げに頷く菫。
「部活って何やるんだ?」いまさらなことを聞く。
「学校の雑務と生徒相談」
「それ私達の仕事じゃなくない?」
雑務や生徒相談は教師の仕事のはずである。
「人手が足りないし、生徒も教師には相談しにくいこととかあるでしょ」
「はぁ。もうなんでもいいや」
と溜め息混じりに隼人。
「どうせそんなに仕事ないしいいか」
と諦めた感じの彩花。
「よし。じゃあ明日からよろしく。ちなみに部長は大東だから」
「俺かよ。ところで部活名は?」
どうとでもなれといった感じで隼人が言った。
菫が親指をたてて言った。
「特務部だ」
やっと特務部という名前が出てきました
次からは特務部の活動を書いていきます
隼人と彩花の過去についてもそのうち書く予定です
次は3日以内には投稿する予定です
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