煙の味
注意!
ハルカの話だよ!
第三期の第3話
「煙の味」
広い広い草原を、自転車とバイクの中間みたいな乗り物(イスターという。)に乗って走る。
風が私の髪を攫って、靡かせる。
なんかいい気分。どこまでも走っていけそう。
……あれ?待てよ。
私はイスターを止めて、冷静になる。
あやふやに進んでても、どこにも辿り着かないじゃん!
どうしよ。
周りには……あ!
向こうの空に、黒いもくもくとした煙が立っている。
めっちゃ不穏な雰囲気だけど、まあいいや。火のないところに煙は立たないし、文明がある証拠でしょ。
安易な考えで、私はそっちの方向へ向かった。
○
思っていたより遠くに火の元があったから、辿り着くまでに時間がかかってしまったせいで、すっかり夕方になっている。
「やっとついた───!それで……。」
火の元は、ボロボロになった国の跡地だった。
焼け焦げた煙が喉の入り込み、咳をする。
……戦争なのかな。
こんなになるまで戦って、何を思っていたんだろう。
正義?家族?平和?勝利?わからない。
悲惨な光景の国を歩いていると、瓦礫の下に何かを見つける。
「何だろう?ひゃっ!」
変な声が出た。
そこには誰かの腕があった。
私は急いで瓦礫を退かす。
真っ黒になった瓦礫は、瓦礫以外の重みを感じる。
「あっ。」
やっとの思いでどかした瓦礫の下には、ぐちゃぐちゃになった赤い何かがあった。
腕だけが奇跡的に残ってたのかな。
うへぇ……吐きそう。
と、言うか吐いてる時、後ろにだれかがいることに気がついた。
「ああ!なんて事だ……!」
「もしかして、この国の方ですか?」
私は嘆いている男の人に話しかける。
「君は……旅人だね?タイミングが悪かったね。あの素敵な国はもうないんだ。」
「……。」
「急にすまない。何もかも、あの西の国が悪いんだ。」
「あの国?」
「この国が豊からだって、急に爆弾を落とすって言ってきたんだ!」
男の人は怒ったように叫ぶ。
「だから話し合いで解決しようと向かったら、その国の奴らなんて言ったと思う?」
「国を半分分け──」
「『12分前に発射したよ。』だとよ!わざわざ俺のことを待つ必要なんてなかったんだ!」
「それは……。」
可哀想。
物語だったら、主人公のことを待ってくれるだろうけど……あいにく現実なんだ。
「そうだったな。どうやら旅人が入れ知恵したんだ。」
「入れ知恵?」
「ああ。その旅人の名前は……メルだったっけ。……ごめん。君も旅人だよね?気分を害してなければいいけど。」
私は既に、西へ向かっていた。
煙なんかでお腹は満たせないのです。
……無いよりかは、ましですか?




