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現実的な友達

「え?空見に行った時にバイク買っちゃったの?」


 僕はバイクを買った次の週の月曜日に、親友の和也に早く自慢したくてたまらなかったけどその気持ちをぐっと我慢して大学の講義終わりにやっと話していた。


「いや〜実は一目惚れした獣人用レブルがあってさぁ、そのレブルを他のコボルトに取られたくない!って思ったらもお手続き終わってたよ笑」


「でもお金はどうしたの?学生ローン?」


 本当にしっかりとそう言う所をちゃんと聞いてくるよね和也は。


 だってお祝いしてくれる前にまずローンの事を心配してくれるなんて、ある意味流石は親友って言えるよ。


 …でも、買ってまだ納車もしてないのにそんな現実だけを突きつけるのは残酷だよ…?


「う、うん。残りは学生ローンで43万支払う感じだよ。でも返済すれば自由な身でバイクを乗り回されるんだよ!最高じゃん!」


 ちょっと僕っぽくないやんちゃ風に乗り回すって冗談をかけてツーリングの話に持って行こうと僕自身が盛り上がりながら言って、痛感するお金の話からなんとかそらそうとした、けど。


「うん、そうだね。でも43万かぁ…それだったら空でもまぁ大丈夫そうだし安心かな」


 全く乗って来ない…


「…何を心配してるの?」


 え?もしかして僕が返済出来ないって思ってるのかな?


「ローンぐらいちゃんと返済するから大丈夫だよ!そんなところで心配しないでよ!」


 優しいけど、心配性にも程があるし心配するところによったら僕以外の人(多種族)で親友以外だったら関係性に角が立つよ?…多分…


「それより!ほら!ツーリングの予定立てようよ!」


「もぉ…せっかちだな。バイクを買って嬉しくてテンション上がってるのは分かるけどお金の事はちゃんと考えておかないと」


 考えてる事が現実的で言い返しも出来ない…確かに楽しい事だけ考えてはいられないのは僕も分かってるつもりだよ。


 納車できても直ぐにはツーリングにも行けないし。


 大学の講義、課題の期日、ローン返済の為のバイトってやる事自体はいっぱいあるからね。


 だから結局のところ納車できても和也とツーリングに行けるのは2〜3ヶ月は先の話になるな…


 親友に現実を突きつけられて、バイクを買ってもやっぱり世の中楽しい事だけじゃないなって思いながら僕達は大学の正門をぬけて同じバイト先へと向かっていった。


「あぁ〜…了解。じゃあ今日もバイト頑張ろっか…」


 結局ツーリングの予定は立たなかったけど、こんな現実的な親友の物の見方はやっぱり頼りになるし、何より僕のことをちゃんと心配してくれてる気持ちは伝わってくるから全てよしかな。

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