空中都市に於ける軍隊
空中都市の最大規模の大インフラである、空中レール。24時間当たりの総貨物輸送量は都市全体で500万㌧に達し、平均輸送距離は都市の直系を大幅に超える、大動脈である。
当然、その維持管理、防衛は絶対的必須事項であり、犯罪者としても空中レールの活用法は、重大な計画である為、警察や軍隊は日々空中レールを点検し、その情報を鉄道員と共有する事で、膨大かつ緻密な捜索網や監視網を形成する。
防衛軍最大の任務は監視網と追跡網の維持と高効率なシステムの開発、更新であり、通報に対する迅速な対応は特に重要な任務である。
防衛軍兵士の装備は、所属や任務により異なる。基本的な歩兵は雑用を担う他、数を揃えたシンプルな兵隊であり、空中レールの市民や列車を保持する電磁結界を応用した、電磁バレルを利用したビームアサルトライフルは、発射する粒子の種類や量、速度を調整し、目的に応じ拘束用の麻痺攻撃を目的としたスタンモードや、対人戦に於ける殺傷攻撃を行うキルモード、装甲車や戦車を相手取る想定の対物攻撃機能アンチマテリアルモード、そして前述の電磁バレルを使えない際に、その時の攻撃モードと併用するマテリアルバレルモードなどを使用可能である事が、歩兵用基本ライフルとしての採用基準となる。
当然ながら、射撃精度も要求され、適正射撃距離200メートルを基準に、セミオート射撃の連射力は最低でも分間100発、直径50センチの的に対し中央命中率80%が求められる。
適正距離と言うのは軍隊として兵士同士の連携を前提とした、屋外や準屋外を想定した距離である。ショートレンジバレルモードに切り替え、電磁バレルを調整する事もある屋外戦に関しての性能要求は、その時代別の事情に寄りけりであり、基本的には粒子拳銃による近距離戦を前提とし、歩兵の訓練内容が調整される。
狙撃兵はその特性上、屋内の敵の排除を苦手とする反面、1キロ前後の長距離精密射撃を得意とし、常に観測兵と行動を共にする。護衛兼狙撃補助の観測兵は、スコープで視野が極端に遠方に固定され、狭い状態の狙撃兵が、致命的なまでに無防備になる近距離戦で、強力な護衛となる為、装甲服や電磁保持結界を応用した、敵弾軌道干渉型電磁誘導結界『バトルシールド』の実用訓練を行う。
観測兵はその特性上、長距離偵察用のロングレンジスコープやターゲティングスポットレーザーなどを装備しており、誘導レーザーを使う事で攻撃機や戦車のレーザー誘導式ミサイルの誘導を行う事もある。
通常の手榴弾の他、高指向性粘着爆弾を壁際に投げて敵を警戒し、その接近を妨害する…のは良いのだが、残念な事に訓練兵の場合、自分や相棒が忘れた頃に爆発させて、訓練用の塗料でドロドロになったり、実戦配備されたばかりの新兵による、敵を目の前にしたうっかり自爆など、事故が絶えない装備がある為、敵味方識別機能の搭載が検討されたが、システムを乗っ取られたり、機能剥奪などに気づかずに自爆したり、敵の遠隔起爆による被害の可能性が指摘され、最終的に敵味方識別機能の搭載が見送られている。
その様な事故を防止する為に開発されたのが、ネットグレネードである。使い方は高指向性粘着爆弾と同じで、違いは爆発ではなく粘着性の高いネットを射出する点である。高重量物の高速走行を検知して射出する事も可能であり、敵の兵員輸送車が全速走行していても、距離や角度次第では三つ程度で捕縛可能な事もあり、ネットグレネードは生け捕り装備として高評価である。
スモークグレネードは範囲煙幕型と、下部に重心を移動させた特殊設計の狼煙型、高指向性粘着煙幕手榴弾、地雷型煙幕装置など、種類が豊富である。
またスタングレネードは超強力な閃光と、超音波を含む超高音を発し、敵の平衡感覚を奪う。スモークグレネードと併用すると、状況を把握させずに砲兵の一方的砲撃で蹂躙する事も可能である。
工作兵は敵部隊の進路を妨害したり、対装甲攻撃や建物を爆破解体して地形を崩し、敵を特定箇所へ誘導したり、正面から戦うのではなく、様々な罠を仕掛け、敵を混乱させ、味方を支援する。
砲兵は砲撃装備を有し、手持ち輸送可能な迫撃砲の他、大型砲を搭載した車両『自走砲』を保有。なるべく高所に陣取る都合上、高重量積載型の大型リフト式グライドケーブルなどの比較的特殊性や専門性の高い装備を活用する事から、実践訓練は当然、座学も難易度が高いとされる。
相手が歩兵か装甲車なのかなどで砲弾を変更し、有効な弾薬で攻撃する。




