地上
トムとマリーがこれまでに言えなかったあれこれを離していると、レーラーがやってきた。方にはリルイが乗っている。
「その様子だと、しっかり話し合えたようだな」
「レーラー気を遣わせたな」
「良いんだ、私はlehrer(教師)。生徒の問題を解決するのも私の役割さ。それよりそろそろ帰らなくていいのか?」
「そろそろ帰ろーよー」
リルイが退屈そうに足をパタパタさせている。
「そうだな、そろそろ帰るか。ありがとうレーラー」
「そうですね。レーラーお世話になりました」
トムとマリーが頭を下げドアを開けていった。ドアベルがカランコロンとなり、客人の退出を知らせる。二人の背中が光の中に消えていった。
トムが光に包まれる。目をあけるとレクチャールームの入り口に立っていた。となりにはマリーもいる。
「トム!マリーさん!戻ってきましたか!」
「マリー!トムさん!おかえり」
目の前には、リコとクロムがいた。クロムはマリーのもとに走っていき抱き着いた。
「リコとクロムか?どうしてここに」
トムはリコのもとへ駆け寄った。
「トムの姿が見えなかったので、理事長にお聞きしたらダンジョンに向かったとおっしゃっていたのでこっちに来たんです。そしたら入り口が光ってトムたちがここに」
「そうか、心配して来てくれたのか、ありがとう」
「あ、いえ、その……」
トムの素直な謝罪に、頬を染めながらゴニョゴニョ呟き俯いた。そこに、遠くからこちらに呼び掛け
ている声が聞こえてきた。
「トム!無事でしたか」
こちらに向かって走ってきたのは、ライラと一人の騎士だった。
「叔母様、ただいま戻りました。今回の件……」
トムがライラにダンジョン内で起こったことを話そうとするとそれをライラが手で制す。
「報告は後で大丈夫です。それよりも王都が……」
そう言って騎士を見る。
「トム・ヘイカー殿、現在王都は襲撃を受けています!貴公も【偉人代理】として事態鎮静のため出兵せよとの王命です!」
「襲撃?何にだ?」
王都襲撃の報にトムも驚く。
「二体の魔人です!」
「魔人……ついに動き出したか。今誰が戦ってる」
「現在、【槍神】【剣聖】【大魔道】【影雄】そして……」
対応に出てる偉人の名前を騎士が羅列していく。トムは、顎に手を置きながら考え込む。
「【探索王】が戦闘中です」
最後の名前を聞いて、トムの頭が真っ白になった。
「父さんだと……?」
「ヘイカー殿?」
騎士は急に固まったトムに声をかける。トムは肩を震わせていた。
「トム?」
「兄さん?」
周りにいたマリーたちも不思議に思い、トムの顔を覗き込む。
「リルイ!行くぞ!」
「はーい!」
トムは勢いよくそこから走り出した。残されたものは首をかしげる。
「あの……まだ、王都のどこで戦闘しているのか伝えていないのですが……」
騎士だけがトムの走り去った方に手を伸ばしていた。
走っているトムの顔は笑顔に満ちていた。
「急に上機嫌だねー!」
リルイトムの頭の上で、キャッキャッとはしゃいでいる。
「そりゃそうだろ。この長すぎるかくれんぼを終わらせる、千載一遇のチャンスだ!」
トムは、そういうと足に力を籠める。思いっきり地面を蹴って、風のように王都を目指す。
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