深層での戦い
マリーの魔法が副理事長の胸を穿った。体が糸の切れた人形のように崩れ落ちる。マリーは振り返り、入り口のほうへ歩き出す。
「やはり君はこちら側ではなかったのだね?」
マリーは驚いて声の出どころを探る。
「お兄さんの差し金かな?」
ようやく見つけた声の出どころには、先ほど倒した副理事長が立っていた。
「あなたは殺したはずです」
「殺した?これのことかな?」
そういって、副理事長は床に倒れている自分の遺体を持ち上げる。すると、その遺体が黒い靄へと変わり消えていく。
「これはねドッペルゲンガーという魔物だよ。人間の真似が得意な魔物でねよく影武者で使っている魔物だ」
「魔物……」
「私は召喚士なのだよ」
「召喚士ですか?しかしあなたは風魔法が得意な魔導士だったはず」
「この学園内では隠していただけだ。その証拠を見せてやろう」
杖を振ると地面に魔法陣が広がっていく。強い光と同時に多種多様なモンスターの群れが出現した。
「これは!?モンスターパーティ!!」
マリーは即座に杖を構える。
「違うね、これはモンスターパレードだ!いけ!あの小娘を蹂躙してやれ!」
副理事長に号令により、一斉にモンスターがとびかかる。モンスターの雪崩にマリーが飲み込まれて行った。
「さすがの女傑もこの量のモンスター相手では手も足も出まい」
山のように膨れ上がる魔物たちを眺め笑っていると、不意に身震いを起こす。
「なんだ?寒いぞ」
部屋の温度が明らかに下がってきていることに気が付いた。
「【コキュートス】」
魔物の山の中から、呪文が聞こえると一面が銀世界へと変わる。あれほどいた魔物たちも氷の彫像と化している。その彫像の一つにひびが入ると、次々とバラバラと崩れ落ちていった。そこには杖を構えるマリーが先ほど変わらず立っていた。
「この程度では私を殺すことなどできませんよ?」
マリーは余裕の笑みを浮かべて、杖を振った。
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