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アカデミー

 トムは走りながら、結界の割れめからなだれ込む天使たちを見る。そこに、小さな光の玉が飛んできた。


「リルイ!」

「一緒に行くよ!はいこれ!」


そう言って一つの箱を手渡す。受けとり、中を見ると一枚のハンカチが入っていた。


「さすがエリトリッヒ仕事がはやい。何か言ってたか」

「んーなんか五秒かかって、三十秒もつって」

「十分だな」

「それよりあれなにー」


そう言ってリルイはゴーレムの群れを指さす。


「敵だな」

「良いのほっといてー」

「大丈夫大丈夫。アカデミーの講師陣はあんなのでびくともしねーよ」


そう言って一心に【講義室】(レクチャールーム)を目指す。



 学園では、校舎への避難誘導がまだ終わっていなかった。逃げ遅れた生徒にゴーレムが手に持った槍で襲いかかる。生徒は思わず目を瞑ると、バキンという音がした。目を開けると、熊のようながたいのタンクトップを着た男が、ゴーレムの頭を握りつぶしていた。


「アルメデス先生!」

「大丈夫ですか?早く行きなさい」

「ありがとうございます!」


生徒を見送り、ゴーレムと対峙する。目の前には十以上のゴーレムたち。しかしアルメデスは臆しない。


「いきますよぉ!」


掛け声とともに、敵に飛び込む。パンチ一発でゴーレムの頭が吹き飛び、飛んで逃げようとする敵を抱きしめて粉々にする。


「ん~!今日も筋肉が答えてくれてる!」


満面の笑みで敵を見据える。感情ないはずのゴーレムが、たじろいでいるようにあとずさる。


「さぁ次いこうか」


笑顔の筋肉の壁がゴーレムたちに迫る。



 別の場所では、生徒の避難した校舎へと向かうゴーレムたちが、壁を破ろうとしていた。しかし、どこかから伸びてきたツルがゴーレムを締め上げる。突如地中から竜をかたどった樹木が現れた。竜から伸びる無数のツルがゴーレムを貫いていく。その竜の上に眼鏡をかけた女性が乗っている。女性は自身の身長ほどある杖を抱きかかえ眼鏡を直す。


「皆さーん!もう大丈夫ですよー」


そう言って杖を振ると、校庭がたちまちジャングルのようになる。


「あとはこの子たちに任せてください!」


そう言うと、ジャングルの中からセクシー大根のように手足の生えた根菜たちがわらわらと出てきて、一列に並ぶ。根菜たちは口を一斉に開き、甲高い悲鳴を上げた。しばらくすると、ゴーレムが爆散した。


「みんなは聞かないでくださいね。マンドラゴラの悲鳴は強力ですから」


雪のようにゴーレムの破片舞う中、女性は生徒に注意する。アカデミーの至る所で戦闘音が響き合い始めた。



最後まで読んで頂きありがとうございます!

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