お代官様の誘い 終わりは始まりなのだ
「お疲れ様でした」
時間前に完売した私達は、時間前に後片付けをしてしまい、今は全員が一度
1年1組に集合している。
「お疲れでした」
皆で紙コップにアイスティーで打ち上げタイム。諒君が打ち上げ用に
朝から作っていてくれた。それと恵美ちゃん達が焼いてくれたホットケーキ。
「…で、これからは後夜祭が終わったら、カラオケで打ち上げやるけど参加
する人は500円用意してな。終了は20時30分だけどもその前に帰ってもいいから」
竜也はこれからの予定を皆に告げる。皆の作業は写真館になっていた2年1組を
片づけて終わりなはず。だけど、私はそれには参加は出来ない。
「竜也…行ってくる。皆少しだけ後夜祭に参加してね」
そういって私はグランドにはしりだした。
流石に4時に近いと薄着は出来ないから、私は衣装のコットンワンピースに
着替えている。
グランド中央に集合している生徒会役員と実行委員の集団と合流した。
「すみません、遅れました」
「頑張ったらしいな」
「皆がいないと出来ませんでした」
「売上期待しているから」
「そんなに利益ないですよ。うちのクラスは」
「あんな販売されたら…勝てねぇよ」
メンバーにもみくちゃにされながら進行を確認していく。
「ところでお前の幼馴染はいるか?」
「…多分。どうして?」
「恒例のカップルコンテスト…お前ら優勝な」
「はぁ?」
私は朝弘樹君に言われた事をなんとなく思いだした。
あれってジョークじゃなかったんだ。
「ってな訳で、お披露目会があるからよろしくな」
「却下します」
「そうはいかない。なんだったら衣装に着替えるか?」
「死んでも嫌です」
そんな攻防を私は繰り広げたのだが、本番では再びウェディング姿に
されてしまったのだった。
「皆…お疲れ様でした」
「来年は頑張れよ。1年生」
皆がワイワイとカラオケするかと思えばそうではない。
乾杯はしたけれども…たっちぃの会計報告を待っているのだ。
「お待たせ、最終ではないけど、利益は10万円は超えると思います。
皆協力ありがとう」
その言葉が切っ掛けになって、ようやくカラオケ大会になった。
全員だと先生を入れて81人だけども、今日の参加者は約半分の45人。
基本的に近くに住んでいる子が中心の打ち上げた。
第一、校内で全体を通した打ち上げをやっているから問題はない。
「先生、ありがとうございました」
「佐藤もお疲れ。倒れたけど頑張ったな」
「それは言わないで下さいよ」
「それよりもお前、生徒会長にならないか?」
「はぁ?」
「1月に生徒会選挙があるだろ?来年度の会長にお前ならないか?」
「竜也の方がいいと思いますけど」
「竜也にも離したが、竜也はお前の方がイベント向きだからって
言っているが?」
竜也…自分は楽しようとして逃げたな。
「他には適任者はいませんか?」
「何人かこれと言った人には声をかけたが、皆口をそろえてお前を
指名するんだ。これが。諦めてくれ」
加藤先生が私の肩を叩く。伝説の生徒会長に口説かれて断る理由がない。
というよりも、断りの術を知らない。
「分かりました…。やりますよ。会長だけが選挙で後は信任でしたよね」
「どうなっても知りませんよ」
「あぁ、構わないさ」
先生はにこやかに私から離れていった。
文化祭が終わったら穏やかに高校生活を過ごそうとしていた私の青写真は
かなりほど遠いものになりそうだ。かなり気が遠くなる。
仕方ないか、人生一度きりだもの。私らしく笑って過ごそう。
「真美?どうしたの?凄く機嫌がいいね?」
隣にようやく戻ってきた歩美が聞いてくる。
「うん、人生楽しまなきゃねってね」
そうして、私は自分がリクエストをした曲を歌いだした。
今年は終わったけど、これは来年への始まり。
多分、受験生って言いながら企画をこなしている自分達の姿が見えた気がした。
無事終了です。
哲+真美シリーズの番外編伝説のバカップル(kiss kiss kiss収録)に
真美は生徒会長になったという記述があります。
それはこの打ち上げがきっかけです。
この後は一緒に××しようシリーズに続いていきます。




