第三章 天梅雨の雫が落ちる6月 第二話 風邪
黒は、虚無を家まで連れて行く。
其処は、虚無が暮らしていたボロっちいアパートではなかった。
場所は、高級住宅街の奥にその家はあった。
テニスコートと同じくらいの庭が両側にある、白と黒を基調としたモダンな3階建ての大きな一軒家が目に入る。
黒が、玄関を開けて中に入る。
中には、数名のメイドさんが玄関周りを掃除をしており、黒が入って来たらメイドさんたとは、合わせた様に「お帰りなさいませ、ご主人様」と言って来る。
奥の方にあった扉から、白髪の女性が出て来る。
???
「貴方、虚無は?」
無神黒
「白、虚無は、高熱を出しただけだ」
「後は、が少し広がったようだ」
無神白
「そうでしたか、早くお薬を飲ませなければですね」
「用意しますから、部屋に寝かせてあげてくださいな」
無神黒
「嗚呼、そうする」
そう言って、黒は、玄関の隣りにある階段を登って、3階まで行くと、奥の突き当たりに行けば其処の扉を開ける。
そこには、沢山の絵が額縁に入って、壁に飾られていた。
地面には、描いてる途中の絵や額縁に入れ損なっている絵が無造作に落ちていた。
黒は、それを踏まないようにベッドまで連れ行けば、そっと寝かせる。
すると、虚無が薄っすらと目を開ける。
無神黒
「ん?起きたか?」
神鏡虚無
「……お義父さん?」
無神黒
「嗚呼、そうだ」
「……今は、高熱を出している。少し休みなさい」
神鏡虚無
「うん」
そう言って虚無は再度眠りに着く。
黒は、虚無が、眠りについたことを確認すると、通りやすいように、地面に散らばった作品を拾い上げ、部屋の隅や机の上に置いて歩く時の邪魔にならないようにする。
それが、終わったと同時に、市販の風邪薬と水の入ったコップ、ポカリスエットを乗せたおぼんを持って部屋に入って来る。
虚無は、扉の開く音で目を覚ましてしまう。
神鏡虚無
「ん?……お義母さん?」
無神白
「起きちゃったのね」
「お薬持って来たの、飲めるかしら?」
神鏡虚無
「頑張って飲む…」
虚無は、起きあがろうとするが、身体が重いのか起き上がる事が出来なかった。
その為に、黒が支えられながら薬を飲む事になった。
無事、薬を飲む事が出来て、ゆっくりと寝かして貰い、頭を優しく撫でてもらった。
無神白
「いい子ですね〜お薬もちゃんと飲めて偉いですよ〜」
虚無は、優しい笑を見せ、そのまま眠りについてしまう。
そして、2人は、そっと部屋を後にする。
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2人は、リビングに移動し、顔を見合わせながら会話をする。
無神白
「どうして、風邪なんて引いたんでしょ…」
無神黒
「“ アイツ ”が出て来たんだろう」
「全く。“ アイツ ”の制御は、私にはまだ出来ないと言うのに…」
無神白
「……現状、“ 彼女 ”を100%制御できるのは、無意識状態の虚無だけ」
「お義兄さんですら、50%しか制御出来ないですからね」
無神黒
「ハァ…私も制御出来る様に、修行をしなければな」
無神白
「私も、ですね」
2人は、虚無の部屋がある方向を見上げる。




