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お茶会狂想曲  作者: 鹿島きいろ
30/30

30. とある侍従のおぼえがき(抜粋)_水仙の月 再び

【オトゥール暦533年 水仙の月 20日】 

今日は、待ちにまった殿下の一世一代の勝負の日。


この計画を初めて聞いた時、ビックリはしたが、納得もした。


遠回しに、そして、婉曲に迫ったところで、彼女は気づかないし、ある程度直接的に迫っても、するりと躱してしまう彼女には、これ位ダイレクトにいかないと、彼女を捕まえる事は難しいだろう。


この日の為に、陛下やその周辺には、根回しもバッチリだ。

王妃殿下は、殿下の気持ちに前々から気づいていたようだったし、いい加減身を固めてほしかったらしく、臣下に下るという事もあり、陛下からも了承を得る事が出来たのだった。

    

ちなみに、今日の彼女のドレスは、彼女には内緒だが殿下からの贈り物だ。


サイズはどうしたのかと思ったら、「前回のお茶会で、使用人用のドレス作る話が出て時に、サイズ測ったじゃないか。彼女の兄に聞いたら、そんなに体形は変わってないって言っていたし。」とサラッと言っていた。あの時、なんでオーダー?と思ったが、殿下、まさか、あの使用人の衣装を作ると言う案は、彼女の採寸をする為だけに、発案したのでは!

    


いつも落ち着いている殿下だが、この日が近づくにつれて、だんだん落ち着きがなくなっていった。殿下の乳兄弟であり彼女の兄であるアンドリュー殿から、彼女が王都に到着したと聞いてからは、特に。


しかも、彼も殿下の旧知の中、良く殿下のツボを押さえているらしく、うらやましいだろうとばかりに、彼女と一家の団欒を話す。のは、良いのだが...いや、アンドリュー殿、そろそろ切り上げていただかないと、殿下の嫉妬で我々が凍えそうなので、それ位に...。


いつも冷静沈着な殿下だが、やはり一人の人間であり、男であったらしい。

うん。そういう事でまとめよう。


今日まで、第三部の文官達と手を取り合って、お膳立てをしたのだ。成功して貰わないと困る。とてもとても心配なので、不敬を承知で、殿下から見えない場所で、様子を窺おうと思ったら、既に第三部の連中が陣取っていた。


考える事は、みんな同じだったらしい。


殿下に贈られたドレスに身を包み、件の場所にやってきた彼女。

さすが殿下!とても彼女に似合っていた。

だが、察しの良い彼女。

このお茶会の趣旨を察したのか、ソワソワしている。


そこへ、颯爽と現れる殿下!!


若干、手先が震えている気がする。


よっ!殿下!!

色男!

がんばれー!


と声に出さない声で、殿下にエールを送る。


最初はとてもの頑なだった彼女だったが、一つ一つ殿下が丁寧に解していき、段々なかなか良い雰囲気になっていき、そして、いよいよ彼女の答えが聴けるか!と思ったが、殿下が余計な事を言った。


「寒くてとても普通の令嬢じゃ耐えられないから、君を選んだ。」って、それはない。しかも、「人がいないから、君にも仕事してもらうよ。」とも言ってしまっていた。第三部の連中とズッコケてしまったではないか!


殿下、それはない!

いくら何でもそれはない!

女性経験が乏しい私でも、さすがに悪手だとわかりますよ!


まあ、彼女も最後は笑って、頷いてくれたから良かったものの、このままへそ曲げたら、どうしてくれるんですか! 


とりあえず、一大プロジェクトが成功したという事で、うれしさのあまり蕩けそうな殿下は、他の侍従にお任せし、打ち上げと称して第三の文官達と町のパブに飲みに行く。


明日から、殿下のご成婚に向けて、また忙しくなるぞ!







【オトゥール暦534年 水仙の月 25日】

約一年間の婚約期間を経て、殿下とジョアンナ嬢は、明日結婚式を迎えられる。


その後、隣の大陸の国々を周遊しながら、そのまま、殿下の新な領地に向かう計画だ。


ああ、そうか。もう殿下ではなく、先日臣下に下ったので、リッジウェイ公爵になられたのだった。


閣下とジョアンナ嬢のご成婚は、国民に熱狂的に祝福され、私も、とてもうれしく思う。どうやら、幼馴染の王子と文官の恋愛小説が、最近巷で人気らしく、それが、閣下たちのご結婚に拍車をかけたらしい。なんとも、理由が微妙だが、祝福されたのは、良かった事だ。



私はというと、実家の都合で、王宮を離れる為、閣下とはこれでお別れであるが、間違いなくあのお二人であれば、お互い助けあい、すばらしい夫婦となるだろう。


あの二人を、ずっと見ていたかったのに、とても残念だ。

実家が片付いたら、また閣下のお側で働けるよう、閣下の元へと向かおうと思う。


そして、一年前のあの打ち上げで、偶然隣の席になった縁で心を通わせるようになった第三部の彼女を連れて行こう。


こうしてはいられない、在りし日の殿下並みに働き、さっさと実家のごたつきを解決し、彼女に求婚しなければ!


殿下、待っていて下さいね!!







約一か月に渡り、お付き合いいただきまして、誠にありがとうございます。

この物語は、これで終了となります。

少しでも皆様が楽しんでいただけたのならば幸いです。


さて、次回、11月頃に新作を投稿できたらなと思っております。

→と思ったのですが、すみません。

まだ、出来上がってません。

書き始めたのは良いのですが、伏線だけぼんぼん投げて、回収のめどが立たず...

もう少しまとまってきたら、投稿したいと思います。


よろしかったら、こちらもどうぞ!


★β版白雪姫物語

https://ncode.syosetu.com/n2562gf/


★公爵令嬢エリカ断罪裁判のあらまし

https://ncode.syosetu.com/n5652gi/

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