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お茶会狂想曲  作者: 鹿島きいろ
19/30

19. お茶会当日_前編

結果的に言うと、私の謹慎は、半分に短くなった。

理由はわからなかったが、何か“上”で調整してくれたのだろう。

とりあえず、部長に感謝しておこう。


つまり、お茶会に、間に合った。


間に合ったのだが、被害者と"される”ビビアーナ嬢も招待されている令嬢の一人な為、問題を“起こした”文官が表立って、当日のオペレーションするわけにもいかず、今回は、裏から色々と手伝う事となった。謹慎中に気になった箇所を改めて見直し、追加で手引書を作成したので、たぶん問題なく乗り切れるだろう。


アーノルドが死んだ目で、それを受け取っていた気もするが、たぶん気のせいだ。


当日、給仕は給仕係が行うので特段問題ない。文官達の当日に関する仕事も、私抜きのシフトが組まれているので、私は、アーノルドや他文官達が手が回らない箇所を細々と手伝う事となった。であれば、当日暇だろうと思っていたが、実際はそうでもなかった。



「すみません。ジョアンナさん。」


準備の手伝いをしていると、後輩の一人が申し訳なさそうに話しかけてきた。


「ん?どうしたの?」


「用意していた水仙の花が、枯れてしまったのですが、どうしましょう...。」


「え?昨日納品されたのよね?何で?」


「遠くからの農園から納品したものなのですが、もともと水枯れしてたらしく、且つ昨日、気が付いたら、日向に置きっぱなしだったらしくて...。」


「遠くって、どこの農園なの?」


「その、ワーグマン夫人のご紹介の農園でして。」


「あそこって、納品数、最小限だったはずだから、大丈夫じゃない?えっと、王宮内の温室から足りない分を調達しましょう。」


「いえ、それが、ジョアンナさんが謹慎の間に、大幅に量が増えまして。」


「は?何で?」


「費用は、第四が持つからと言って。ごり押しされまして...」


何てこと!

アーノルドは?と思ったが、この時間彼は、各担当責任者達との最終ミーティングで小一時間帰ってこない…


「そしたら、まず、必要総数教えて。で、あなたは、街の花屋に連絡して協力してもらえるか頼んで。私は、前にアーノルドが調べた農園リストから調べるから!えっと、お茶会まで、あと...6時間。大丈夫なんとかなる!」


と取り合えず、指示を出し、あとでアーノルドに事後報告する事にした。


「すみません~」


「大丈夫よ!何とかしましょう!」




それから、必死で水仙の花をかき集め、何とか時間に間に合わせる。

本当に水仙の花にしておいて、良かった。


そして、以前アーノルドの調べさせておいた市場調査と一緒にあの夫人の農園の価格比較ように周辺農園リストも役立って良かった。





なんとか、間に合い招待客が入場し始めたが、やはり忙しかった。


「ジョアンナさん、すみません。招待状を持参していないご令嬢が来てしまったのですが...。」


「アーノルドは?」


「彼は、今別のご令嬢に捕まっていまして...。」


「了解。どこのご令嬢?」


「カーティス伯爵のルチア嬢です。従姉のマールバル侯爵のジュリア嬢と一緒にいらしてて。ジュリア嬢は招待状をお持ちなのですが、“たまたま”領地から遊びに来ていて、せっかくだから参加したいと。」


「それ絶対“たまたま”じゃないわよね。カーティス伯のルチア嬢...あそこのご令嬢は、確か...歳がちょっと合わないから撥ねたんだったはず。確か、今年で14歳よね。デビュタント前だし、妹枠で何とか押込みましょう。あとは、問題なかったはずだから、通して差し上げて。後で、部長に書面で報告して。部長の方から、向こうの家にそれとなく注意してもらうから。」



「ジョアンナさん、すみません。ちょっと、アーノルドさんには聞きづらいので、ジョアンナさんに聞いてもよろしいでしょうか。」


「はい。今度は何かしら?」


「あちらのご令息から、この後どう...って誘われたんですけど、私どうしたら...。」


「断りなさい!こんな場で、サラっとそんな事言える殿方に関わっても、すぐに捨てられるわよ。それでも良いなら止めないけど。“もし、本気で付き合いたいなら、部長を通して後日改めてご連絡を”と伝えなさい。たぶん十中八九連絡来ないわよ。」


普段関りのない高位貴族からのお誘い。心惹かれるのわかるけどね。

結局は、碌な事ないからね...


「あ、やっぱりそうですよね...。すみません。ちょっと夢見ました。」


という感じで、何かと忙しい...。


(後半へ続く...)

ちょっと長くなってしまったので、

中途半端ですが、それでも比較的区切りの良い所で切りました。

すみません。

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