第一話 第5王子誕生①
初めまして、こんにちは!
本作が初投稿となります。
手探りでの執筆ですが、のんびり頑張っていきますので、お付き合いいただければ嬉しいです。
感想や誤字報告などもお待ちしております!
ここは千年の歴史を誇る大国 ローヴェン王国
今日、正妃に待望の男の子が生まれた。
この国の国王には正妃、側室3名がおり、それぞれ子供を授かってはいるが、男の子は側室の子供だったので、正妃の男の子の誕生は国を挙げてのお祭り騒ぎとなった
「よくやったぞ、イウローネ。元気な男の子だ」
第一子の娘から10年、諦めかけていた待望の男の子。
正妃の宮殿である鈴蘭宮の一室で、国王であるヴェルナード・フォン・ローヴェンは、生まれたての赤ん坊を抱きながら、飛び上りそうな程喜んでいた。
「おめでとうございます。聖母様」
無事出産を終えた正妃イウローネに、侍女たちが次々と祝福の声を届ける。
「ありがとうございます。ヴェル様。みんな」
イウローネは、待望の男の子誕生への祝福に、穏やかな笑みで感謝を伝える。
「ささっ、これ以上は身体に触りますから」と、産婆と侍女に促され、王は部屋を追い出される。
「名前を考えんといかんなあ〜」
ヴェルナードは鈴蘭宮を後にし、執務室へ向かいながら、幸せそうに頭を悩ませていた。
その頃――。
王宮の片隅にある月下宮の一室で、けたたましい声が響き渡る。
「男の子が生まれたですって!? あの正妃に男の子が生まれたなんて……エルヴィラに任せておいたのがいけなかったんだわ。今からでも私自らの手で終わらせてやるわよ!」
「お待ちください、マティルデ様」
「退きなさいよ、エルヴィラ! あなたの呪術は効かなかったじゃない! 退きなさい!!」
「いえ、退きません。私の呪術はしっかりと発動しました。正妃の命はあと5年です。じわじわと衰え死にゆく様を、どうぞ特等席でご覧いただけます」
「特等席ってどういう意味よ?」
「そのままの意味です。正妃にかけた呪いは、我がノックス家でも秘中の秘の呪い。かけた者が死なない限り絶対に解けず、かけられたものは必ず死ます。この呪いは、私がかけられたとしても気づけないし、解けません。それほどの呪いです」
「そして、この呪いにはもうひとつの効果があるのです」
「どんな効果なのよ?」
「母体の能力を封印し、子供には遺伝しません。ですので、生まれてきた赤子には魔力も癒しの能力もない、本当の出来損ないが生まれます」
「出来損ない!!?? それがほんとなら、最高じゃない! 第一王女のシャルロッテは魔力はあっても使えないポンコツで、今度は完全に出来損ない!!公爵家はもう終わりね」
「ええ、そうです。公爵家の命もあと5年です」
「ちょっと待って、この5年の間に解呪方法とか見つかったりしないかしら?? あと、死んだ時にバレたりしないものなの?」
「大丈夫です。まずバレません。解呪方法もあと5年で見つかるわけありません。出来てから何百年経っていると思っているのですか? 今でもまだ別の解呪方法を探している所なのです。ですが、解呪はできなくとも、改良はできます。私が死んでも自動的に解呪されないようにしましたから」
「でも、エリクサーみたいなもので治ったりはしないの?」
「それは無理です。エリクサーの材料は上級魔物の結晶石、上級魔物を狩れるのは王国騎士団のみ。そして王国騎士団の団長は、あの侯爵様です。ですが、結晶石からエリクサーを作れるのは、魔導家筆頭ノックス家の私たちだけです。よって、バレようがありません」
「ですので、これからの5年の間に私たちの力を増やし、正妃の死亡と同時に、マティルデ様は正妃に、私は第一側室となりましょう」
「そうね! 赤ん坊の力があるないは3年もすればわかるでしょうし、5年後には、私の可愛いマクシミリアンも宣託の儀を終えて、王太子として動けるようになるわ」
「その通りです。私が正妃になれば、ノックス家を魔導家筆頭の侯爵家にしてくださいますね? 私の家門は王妃を輩出する最高峰の家門となるのですから」
「ええ、もちろんよ! 私が正妃になれば、ノックス家を今以上の侯爵家にしてあげるわ」
「ありがとうございます、マティルデ様。今すぐ祝杯をあげたいところですが……」
「ふふ、今は生まれた赤ん坊の祝いをしないわけにはいかないわね。まずはそちらの仮面を被りましょう」
二人の陰は闇に深く溶け込んでいく。
タイトルの変更です。
1話目前編となりました。




