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37.

数ある小説の中から閲覧していただき、ありがとうございます。


4投稿目です。

食事も終わり、無事就寝。

えぇ、何もなかったですよ。リンネとノーレムからみたら俺はリーダーだけど弟ポジ、リュカからは兄ポジ。シホ?シホは普段通り幼馴染ポジですよ。肉体は10才ですしね。けど精神は達観しているんだよなぁ…なんて言うかこの世界の考え方を違和感なく受け入れて、実行まで出来ている?現代日本人なら絶対と言っていいほどの『殺す』ということと『奴隷』に俺の中では忌避感がない。サイコパスとかでは無いだろうけど壊れてる?でも世界でも日本でも歴史をみると…奴隷制度や死が隣にいた時代もある。その時代の感覚を植え付けられてる?うーん、わからん。

と、まあ朝早く起きすぎて得体ない事を考えてしまった。


でもそろそろ6時か…あ、リンネ起きたな。朝ご飯は何にしよ。みんなに確認かな。


しばらくしてノーレムとリュカも起床。リュカがシホを頑張って起こしているな。シホに聞けてないけど、みんなサンドイッチでいいみたいだ。着替えて貰う間に食堂で買ってこよう。



無事、シホも目を覚まして食事も終了。乾燥野菜も購買部に置いてあったので補充も完了。

外は昨日に引き続き小雨模様。

少し早いが馬車は協会出張所前にすでに停まっている。

乗り込むと男達3人はまだみたいだ。…昨日の状態のままか、たぶん悪化してるんだろうな。起きれてないかも。


出発ギリギリの時間、男が1人だけやってきて…キリュウさんに話しかけているな。

こちらにも話が聞こえてくる。


「なぁキリュウさん、2人が体調崩して起き上がれないほど衰弱してるんだ…何とかしてくれよ。」


「ん?今朝、体調崩したのか?違うだろ?昨日の時点ですでにまともに動けなくなっていたのは皆が見て知ってるぞ?何故、昨日のうちに相談しない?それに体調管理は自己責任だ。お前はどうする?2人の為に残るのか?」


「いや…俺は試験を受けに行く。確かに自己責任だ。アイツらは残して行く。」


「なら、乗れ。もう出発だ。」


馬車の中は奥に俺達が詰めて座っている。右側にリンネとノーレム。左側にリュカ、シホに俺。男は右側の馬車の後方に離れて座った。


「よし、出発するぞ。今日もこの天気だ。昨日と同じスタイルで次の野営地まで向かう。ただ火は起こせないから携帯食料のみになるからな。」


おぉ…やはり雨はハードモードになるな。


キャラバンスタイルの大所帯。昼の短い休憩を抜け野営場所に着くと先は森になっているみたいだ。

キリュウさんに聞いた話だとこの森の手前と次の野営場所の峠の手前で盗賊が出ることもあるらしいが…これだけの大所帯だと可能性はほぼ無いらしい。


今回は火を起こせないので皆で素早くテントを張る。男1人も今日は馬車の近く…キリュウさん達のテントの隣ににテントを張っている。彼は残してきた男2人に巻き込まれたみたいで、少し可哀想な気もするが…ウチの女性陣からみたら同類なんだろうな。

針の筵だろうが、頑張って欲しい。




野営4日間の行程は、ずっと小雨。峠で道がぬかるんで何台かの馬車がハマったが周りの手助けもあり無事通過。昼は携帯食料だが、夜はBOXから出したお弁当にサンドイッチ。やはり反則だよな。

そして、先に待っているのはアルトと同じくらいの規模の街、バッカート。小麦を中心に栽培している農業主体の街で王都の小麦を一手に担っている。


「そろそろバッカートだ。皆、探索者証の準備を。門を通る時に簡単だが身元確認と荷物の検閲がある。」


協会の馬車は門から連なる行列を脇目に街道を進む。協会の馬車は貴族と同じような優遇措置があるみたいだ。

バッカートの協会は入った門の反対側、王都寄りにある。

協会前に馬車が停まったタイミングでキリュウさんが告げる。


「すまんが、皆荷物は置いたまま協会の会議室に行ってくれ。伝達事項があるそうだ。」


荷物を置いたまま会議室へ向かう。キリュウさん達、護衛も一緒だ。

うん、伝達事項は大した事無かった。王都の探索者協会宿舎の部屋が空くのに1日待って欲しいとの事。雨季で道中遅れる事を込みで考えていたみたいだ。


ただ、その後に俺達のチームだけが残され協会長室に連れていかれる…あぁ…厄介事だ絶対、しかも特大の!!


「呼び立てて、すまんな。バッカート協会長のガルファルドだ。まずはかけてくれ。」


「初めまして、ガルファルド協会長。俺がリーダーのユキト。そして、メンバーのリンネ、ノーレム、シホ…そしてシホの弟子のリュカです。」


「ユキト、シホ、リュカがチームだったのは知っている。リンネとノーレムの2人が加わっていたのは初耳だったがな。」


「で、俺達チームを執務室に呼んだのは?」


「ユキトとシホは婚約してると聞いている。解消することは可能か?」


「は?協会長…それは自分に喧嘩を売ってます?」


抑えきれない怒気と殺気が溢れだす。


「まてっ!あくまで聞いただけだっ!!殺気を抑えろ!!!」


「ふぅ…で、聞いた理由は?」


「そなた達に絡んだゴドリック商会は覚えているな?そこの生き残っていた嫡男が…何故かシホさんの情報を得ていてな。王都の法衣伯爵の嫡男に情報を売ったのだ。その伯爵の嫡男が協会に対してシホさんを娶りたいと言ってきた。そして本人に会わせろと。」


「協会長。ゴドリック商会の嫡男と伯爵の嫡男を殺せば話は無くなりますか?」


「待て、待て。さすがに貴族の嫡男をいきなり殺せば重罪だ。フルトラング伯爵も嫡男も…アルトール辺境伯が抗議しているのだが聴く耳持たないって態度でな。」


「アルトール辺境伯?フルトラング伯爵?」


「ん?辺境伯はアルトの協会長の兄上で領主様だぞ。そなたらの後見人になってるはずだが…知らんかったのか?フルトラング伯爵はシホさんを娶りたいと言ってる法衣伯爵家だ。」


「はい。辺境伯が後見人ってのは初めて聞きました。確か協会長からは後見人になるって聞きましたが。」


「そうか。だが辺境伯は後見人になっておる。フルトラング伯爵だが、厄介なことに王都の協会長の叔父なんだよ。しかもシホさんを娶れれば更なる支援を約束したらしい。」


「今回の推薦試験を受けずにここからアルトに帰るって選択肢はあります?」


「帰る…推薦試験を辞退って事になると…できない事はないが探索者資格を永久剥奪となる。推薦を承諾する前なら辞退も出来たが、承諾した後だと推薦試験を受ける依頼を破棄したとみなされるのじゃ。」


「理不尽ですね。フルトラング伯爵の嫡男に決闘を申し込むことは?」


「それは可能だ。代理人を立ててくるかもしれんがな。ワシもそれを提示するつもりだった。相手が逃げられぬように国王宛の嘆願書としてな。」


「なら、生死不問。降参無しで。代理人も不可。シホが欲しいなら本人しか認めない。そして、求めるのはシホの自由意思。」


「はぁ…そうくるか。では、その旨を国王様に嘆願書として提出する。ユキトとシホは更に2日遅らせて王都入りしてくれ。」


「遅らすのは…チームではダメなんですか?」


「そうなると、キリュウ達は1人だけ護衛して送ることになるからのぉ。流石に全員遅らすことは出来ないからの」


「ユキト、ボクとノーレムは先に行くよ。そして…フルトラング伯爵?の情報を集めておく。」


「リンネ…助かる。ノーレムも任せていいか?リュカは俺達と一緒にな。」


「すまんの、ユキト。話の持って行き方を間違えたの。とにかく決闘で話を進めていく。話は今のところ以上じゃ。宿舎で休んでくれ。」


「いえ…俺としても殺気を振り撒いてすみませんでした。」


一気にあたまに血が昇り…うん、かなり失礼な物言いになったな。だが貴族は以前聞いた人身売買、違法奴隷に囲い込みと、やはりクズが多いな。

馬車から荷物を下ろし、宿舎へ。

部屋に入るなり俺以外がベッドにへたり込む。


「ユキトぉ…殺気強すぎて気を失うかと思ったよぉ。守りが遅れてたら、リュカちゃんは失神してたよ。」

「うん、うん。ボクもヤバかった。座ってなかったら、腰が抜けてたよ。」

「私は半分、意識飛びました。」

「ユキト兄様…」


「あぁ…ごめんなさい!血が昇ってすっかり周りが見えてなかった…」


「あれは協会長の言い方も悪かったし…仕方ないよ。ボクでもユキトの立場ならキレていただろうし。」


「でも、貴族ってこんなに理不尽なの?婚約してるのに奪い取ろうだなんて。」


「ユキト。最悪、国外に逃げよっか。守りを掛けたままならどんな事からでも逃げれるし、2人一緒なら、なんでも出来るよ。」


「ユキト兄様。リュカはシホ姉様の弟子で兄様の妹です!どこまでも一緒にいきます。」


あぁ…本当に逃げれるなら逃げたいよ。

でも国王様まで俺とシホが婚約しているってのが伝えることができる。そして、国王様のお墨付きが貰えたなら今後の憂いが無くなる。

そう考えたら悪いことばかりでは無い?


とにかく嘆願書の行方次第だな。






お読みいただきありがとうございました。


読んでみて、面白かったと思ってくれて評価してくださると嬉しいです。


不定期になるとは思いますができる限り書き続けていきますので、よろしくお願いします。

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