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帰投
「ミスタ・ツワブキ。それでは、無事に?」
「うん。ワイバーンは討伐した。」
迎えの馬車の中での一幕。
「王国暦九九六年十三月十一日未明、演習中の直轄軍リベルタス公隊が、王都西方より飛来する飛竜を確認。王都へ到達する蓋然性極めて大と判断し、これを弩砲により狙撃。左翅部に損傷を与え、撃墜したと考えられた。ここまでよろしいですか?」
「ああ。」
「しかしながら正午、王都監視兵が左翅部に損傷を受け、なお飛行を継続する飛竜を観測。東部大森林までの飛行は不可能であるが、着陸して翅膜を再生、報復攻撃を行う可能性があり、迅速な討伐が必要となった、と。」
「要は、仕留め損なったから止めを刺さなくちゃならない、ってことだろ?」
「ただし着陸予想地点に翅膜の再生前に到達可能な兵が存在しなかったため、特別斥候ソウヤ・ツワブキが派遣され、単独での討伐を試みることとなった。」
「そこから先は大丈夫か?」
「ええ。これで報告書が書けます。」
「ああ、そういえば。」
「なんです?」
「妙なものが手に入ったんだ。」
大理石で出来た筒を見せる。
「密信筒?」
「そう呼ぶのか? これがワイバーンの脚に括り付けてあった。」
馬車が、止まった。




