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近づく終わり
「いってきます」
大輔は由美を見つめるが、返事はない。
ゆっくりとリビングのドアを閉める。パタン、と最後完全に閉まる音が全てが終わった音に聞こえた。
大輔は考えていた。
いつからだろう。こうなってしまったのは。
由美の目を見たのはいつだろう。いつになったら、「いってらっしゃい」がまた聞けるようになるのだろう。
でも、大輔は気づいていた。自分から目を合わさなくなったことを。自分が由美の話を聞かなかったことを。
何台もの車が大輔を追い越していく。
いつかこの車のように由美も追い越して、見えなくなるのではないか。




