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エピローグ

エピローグ。


都内某所。

雑居ビル三階。一階には喫茶店等の店舗が。地下はジムになっている。

二階より上は大家さん所有。我々はその一つを事務所として使わせてもらってる。

大金持ちの大家さんのおかげで貧乏探偵の我々には大助かり。

昔は名を馳せた大探偵だったと噂の大家さん。今はその面影は見られないが。

探偵仲間のムラトが言うには今でも現役だとか。

俄かには信じられないが奴が嘘を吐くとも思えないしな。


お隣のアイ探偵事務所のムラトとアイさんにはよくしてもらっている。

彼らはこのビルが建てられる前からの付き合いだそうで大家さんをよく知ってる。

何でも大家さんは高級老人ホームを蹴って新たに探偵の為のビルを建てたらしい。

それがここ。通称探偵ビル。

今俺はその大家さんに捜査報告書を持って行くところ。


「済みません。大家さんいませんか? 」

「ああ優秀お兄ちゃん。たぶん大家さんなら無能探偵お兄ちゃんのところだよ」

彼女はお兄ちゃん探偵を標榜する美少女探偵。大事件を一つ解決したんだとか。

このビルに来て日が浅い。要するに後輩探偵。

まあ同業者なのでただの生意気なライバルでしかないが。

それにしても男に媚びるテクニックは僕も見習わなければ。

彼女は誰でも彼でもお兄ちゃんと相手の懐に飛び込んでくる厄介な探偵。

明後日探偵の強力なライバルと言えなくもない。


「そうだ。新しく来月から二人組がやって来るよ優秀お兄ちゃん」

「へえ…… どんな感じ? 」

「何でも逃げて来たんだって。逃亡探偵? 」

「はあ? 」

これ以上関わるのはよそう。退散だ。


お隣のアイ探偵事務所へ。

ムラトは…… いないか。やはり出掛けちまったか?

取り敢えず休憩室を覗くとしよう。

暇な時はよく皆でテレビを見ながらくつろいでいる。


トントン

トントン

「あの…… 」

「ああ何だい。報告書は出来たかい? 」

大家さん発見。

隣にはムラトとアイ探偵の姿が。

「はい。目を通してください」

「ちょっと待ってくれないか! 」

アイ探偵が制止。

「おいドスグロ山だっておかしな名前だな。ははは…… 」

ムラトがからかう。

皆テレビに釘付け。仕事してよね。


《えーこちらドスグロ山入り口からお伝えしています。

未だにバス運転手と乗客の黒木さんの行方が分かっておりません。

炎上した車内からは何も見つからず謎が残るばかり。

果たして一体二人はどうなってしまったのでしょうか?

現在も懸命な捜索活動が続けられていますが行方不明のままです。

以上現場からお伝えしました》


「もうこればっかり! 」

そう言うと大家さんはテレビを消してしまった。

あれから三日が経ったが進展はまるでなし。

一体どうなってしまったのだろう?


報告書を大家さんに渡し任務終了。

これがないと給料が支払われないので報告書作成は欠かせない。

情けないが今は先生たちも僕自身も大家さんから給料を頂いて生活している。

さすがは大家さん太っ腹。だが果たしてこれでいいのかどうか?

もちろん給料以上にしくじるから大家さんにはマイナスはあれどプラスはない。

明後日探偵ここで極まる。


「そうだ皆さん。先生たちを見ませんでしたか? 

事務所にも喫茶店にもいなかったんですが」

喫茶店でサボってることが多い。僕もそこでよくスイーツを。

「ああそれだったらもう出かけたよ」

大家さんはご存知のようだ。

「出かけた? どこにですか? 」

「それはもちろん依頼人のところさ」

「はああ? いつ? 」

「朝早くにね。改心したんだろうね。二人で張り切って出て行ったよ」

大家さんは止めもせずに見送ったそう。


「依頼人ってどこですか? 」

「南の島だってさ。いいね優雅で」

「それで行かせてしまったと? 」

「ああもう大丈夫さ」

大家さんは先生たちを信頼してる。僕だって。だがそれはことごとく裏切られる。


「ちょっと待って! 何で先に? 」 

「ああいつも助手に先に行かせてゆっくりしてたから行けないって反省してたよ」

「でも先生たちは方向音痴だから辿り着けませんよ。大家さんもご存知でしょう」

「大丈夫だろ。今回は時間もあるし。いくら明後日探偵だって心配ないって」

「甘いです! 明後日探偵は伊達じゃない! 」

「だったら早く追いかけな! 」

「追いかけるってどこに? 」

「だから南の島」

「うわああ! どこだ! 」


明後日探偵南の島ニチル。


先生どこですか? 返事をして! 

こうして今日も明後日探偵は明後日の方向へ舵を取る。

決して依頼人の元へ辿り着くことはない。


『探偵はいつか依頼人のいる現場へ辿り着くことが出来るか? 』

『探偵はいつか』シリーズ。


『ドスグロ山の雷人伝説殺人事件』  


                 <完>

この物語はフィクションです。


後記。 

最後までお読みいただきありがとうございます。

参考までに解説。

ダブル密室殺人。

ファミリータイプの観光ホテル。

家族を二組に分けた上で部屋と部屋が中で行き来できるタイプ。

子供の頃に何度か泊まった記憶がある。

実際は一つの大きな部屋の間をドアで閉じられてるだけだとは思うけれど。

中で繋がってるのだから当然二つの部屋は同じ鍵で開けられるかなと。

今回はそれを密室殺人に応用した形。


物語の序盤にマジシャンより一号室と二号室が同じ鍵で開錠可能だと伝えられる。

だがそれだけでは密室トリックは解けない。秘密の通路を探し当てる必要がある。

これが二の意味の答え。


二の意味にはもう二つほど……

真犯人は二人組。

同時多発で起こる二つの事件。

この二つだが……

実際には明後日探偵自身のことも。相棒との本当の関係性。

これはシリーズが進むうちに分かってくるはず。


潜在的協力者ポテンシャルワーカー

結局犯罪被害者の会の者は事件には関係していない。

但し真犯人はいつでも彼らを共犯者に出来る余裕から連続殺人を。精神的存在。

ただ本当に彼らが真犯人に気づけなかったか或いは気づかなかったかは不明。


黒木について。

当初の予定では殺されていた。ただ犯人役が居なければと黒木を残す。

小駒さんと一緒に物語を盛り上げる。

結局最後に黒木がどうなったかは分かっていない。

復讐は果たされたか? どう足掻こうと逃れられない運命。

黒木番外編 黒木=ブラックウッド 

どこかでちょうどいい悪役として出てくるかも。


物語誕生秘話。

去年の夏にA県に旅行へ。そこでの経験を活かして物語に。

A県と言いながらさらっと地名が出てたりもする。

それから去年の秋に見た『うみねこのなく頃に』を参考に。二十話ぐらいまで。

そこでは密室は魔女によってあらかじめ決められていた。

だからこれも密室を決定事項に。そこからどうやって密室にするかを試行錯誤。

ドスグロ山の由来もこの物語のイメージから。グロでグロ。

ちなみに山田さんの本名には二つの意味が。

保志=真犯人のホシ。

『ひぐらしのなく頃に』の声。


答え合わせ

ヒント:トリック。

ドラマ『トリック』より主人公の山田。「ヤマダ! 」

ヒント:ドスグロ山×10

ドスグロ山 ドスグロやまドスグロ…… ドスグロヤマダ…… ヤマダ 

ミステリー好きには簡単すぎたかな。初心者でも解きやすくヒント多めに。

ホシも含めて分かりやすいが恐らく真真犯人は予想できなかっただろうと。


なぜ凶器に壺を選んだか?

①詐欺師たちを震え上がらせるための道具として。

②第一発見者に余計なことをされないようにする為。

これが銃殺や刺殺なら近づく可能性も。

だが壺なら破片が散らばっていてそれ以上踏み込まないだろう。

③恐怖の軽減。または現実味を帯びないように。

恨まれる覚えがあり犯罪に手を染めてなければ安全。

それは被害者の会のメンバーからも分かるはず。

もし銃殺や刺殺に毒殺だといつどこでと怯える訳だが壺で撲殺なら限定される。

壺を抱えて後ろから襲う犯人に気をつければ問題ない。

あくまでフィクション。ミステリーエンタメを楽しむものである。


明後日探偵シリーズはこれからも展開していくつもり。

ただ次のミステリーは『シェアハウス殺人事件』(仮)来年の予定。


関連作品

『第一村人殺人事件』

『夏への招待状特別篇(解決編)』

『なぜお母様と呼ばないのです』

『ヒロインタブー』


では最後に告知。

『タピタピクライシス~閉ざされた楽園』八月中旬。

英語教師と生徒たちによる学園冒険ファンタジー。

危険度マックスの青春残酷物語。

生徒との禁断の関係に陥った主人公は誘われるままに禁断の地へ。

新たな楽園の扉が開く。

夏への招待状シリーズ。

夏に贈る特別編なので多少いつもと毛色が違う。

グロだったりピーだったり…… もはやそのレベルにない。


『ファイブダラーズ』から二作開いたシークレットナンバー4

あまりに危険なので封印していた物語。

だから慣れる意味でも出来れば前シリーズを読むことをお勧めします。

興味がある方はどうぞ。

但し保障は出来ません。

 

最新情報。

六月より三か月連続投稿。

『モンスターに告白を』(仮) 六月下旬。 ファンタジー

『永遠のトナラ―』(仮)   七月上旬。 ホラー

『タピタピクライシス(仮)  八月中旬。 青春残酷モノ

以上。予定につき変更あり。

六月七日現在。



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