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ミカロは血を飲ませる


「それは私も気になってたんだよね、モグがユウと街で話したって聞いたから」


「それは私が頼んだ買い物ですね、確かに買った物は届いたんですがユウからじゃないんですよね」


 ミカロ姉さんとルンキ姉さんが言い合い、どんどん悪い雰囲気になっていく。


「ヤンカにはユウに頼まれて届けたと言われたんですが、ユウは一体どこに行ったのか聞いてもぜんぜん答えてくれないんですよね」


 どうやらマオの所に行った事は黙っててくれたらしい、だがそのせいでミカロ姉さんには俺がどこか別の場所に行ったと思われている。


「そんなの気にしなくてもよくない、ユウが私達に内緒でどこか行くなんて考えられないよ」


 ブラン姉さんのおかげで少し空気が変わった。


「確かにそうですね、ごめんなさいユウ疑ってしまって」


「俺もヤンカさんに預けたのが悪かったからごめんなさいちゃんと自分で届ければよかったね」


 ミカロ姉さんが謝ると、すぐに俺も謝った、そして楽しくご飯を食べるのを再開した。


「ごちそうさまでした」


「ごちそうさま、すみませんが私は疲れたので今日はこのまま寝かせてもらいますね」


「はいはい、ユウは任せてよって寝ちゃったのか」


「それでしたら私が部屋で寝かせますよ」


「じゃあ任せたよミカロ」


「ええ、お任せくださいブラン姉さん」


 ユウを抱き抱え部屋に連れていく事は出来た、ここまでは順調、後はユウが起きないようにしないと、ユウをベッドに寝かせるのではなく、両手を手錠に繋ぎ、すぐに部屋から出ると、マオの母屋に向かった。


「ユウにいに、ユウにいに起きるのじゃ」


 マオの声で目が覚めた、あれついさっきまで皆でご飯を食べていたのになんでマオの母屋にいるんだ。


「おはようございますユウ」


 周りを見ると、ミカロ姉さんが立っており、両手が手錠で繋がれていた。


「ミカロ姉さん、なにこの手錠、外してよ」


「ごめんなさいそれは出来ないです、これはユウが本当の事を話してくれないから悪いんですよ」


「本当の事ってなに、俺なにも隠し事なんてしてないよ」


「してますよ、今日だって内緒でマオと遊んでいたんでしょ」


 どうやらミカロ姉さんにはマオと会っていた事がバレていたみたいだ、ついさっきマオの声が聞こえたがどこにいるんだ。


「マオを探してもここにはいませんよ、さっきの声はルンキ姉さんに造ってもらった魔道具の録音ですからね」


「どうしたのミカロ姉さん、少し変だよ」


 ミカロ姉さんがおかしい事に気づいたが、ミカロ姉さんは笑顔だった。


「変じゃないですよ、変なのはユウの方ですよ最近私と話してませんよね」


 そんな事はないと考えたが、確かに最近マオと会っていて、ミカロ姉さんと話したのはご飯の時だけのような気がする、さらに姉さん達とも話した覚えもない。


「マオが産まれる前は遊んだりしていたのに、何故か産まれてからユウはマオの面倒をみるようになってしまいましたね」


「だって妹だし、面倒をみてあげないと」


「それは確かにそうですが、面倒なら私達もみるじゃないですか、ユウ一人で見なくてもいいじゃないですか」


 ミカロ姉さんは怒っていた、何故こんな事をして怒っているのか、さっきまでは笑顔で話していたのに。


「仕方ありませんね、これは使いたくなかったのですが」


 ミカロ姉さんは納得したように、ナイフを取り出した、するとそれを自分の掌で少し切ると血が溢れてきた。


「さあユウ、この血を飲むんですよ」


 無理矢理口の中に血を飲まされ、少し違和感を覚えながらも意識がなくなっていった。


「ユウ起きてくださいユウ」


 ミカロ姉さんの声と共に目覚めた。


「あれ、ミカロ姉さん」


「ユウ、今日は私と遊ぶ日でしょ、呑気に寝てちゃダメですよ」


 ミカロ姉さんに起こされ、起き上がると、確かに今日はミカロ姉さんと遊ぶ日の気がした。

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