第二話
★あらすじ:
・学校に閉じ込められる
・花子さんをトイレに流す
・テケテケに学習能力がある
第二話《さよなら、テケテケ》
くそ、どうする、どうすればいい、俺。
「!」
そうか、その手があったか。
「そ~れ」
俺は能力【設定を変える】を使った。
これで廊下は進んでも進めない、動く床になった。
床がいきなり動いたので、テケテケはスピードを上げた。ちなみに俺らはトイレの中にいます。
「そ~れ☆」
さらに俺はスピードを上げた。
これによりテケテケは新幹線よりもはやい速度を出すことになった。
それでも少しずつテケテケは近づいてきた。
なんか可哀想になって来たので、床の設定を戻すことにした。
「それ」
床は止まり、テケテケを邪魔する障害物はなくなった。
「さー、おい――」
ビューン ドゴッ
目の前をテケテケが物凄いスピードで通り過ぎていき、壁に激突してしまった。
ポケットに入れていた七不思議を倒したかを調べる機械(長いから“セブンベル”にしよう)、セブンベルの光がまた一つ消えていた。
どうやら倒したらしく、感動を分かち合うために後ろを向くと、
「お前って凄く酷い奴だな」
と茂がいい、
「テケテケが可哀想に思えてきた」
と琴美が言っていた。
「?」
俺は二人の言っている意味が分からなかったけど、とりあえず倒したのでまあいいや。
俺らは次の場所へ行く前に、壁に激突したテケテケを見に行くことになった。
テケテケが激突した場所の壁には穴が開いていて、テケテケは瓦礫の下敷きになっていた。
「酷いね」
と茂が言った。
特にすることもなかったので次に進もうとしたとき、テケテケの体が光った。
「なんなの、何が起きたの」
琴美がギャーギャー騒いでいた。
その間もテケテケの体は光っていて、どんどん光が強くなっていった。そして、急にテケテケの体が粒子になり消えていった。
「へー。七不思議って倒すとこうなるのね。勉強になったわ」
と琴美が言いながら紙を取り出して、何かを書き始めた。
「何してるの」
俺が聞くと琴美は紙をこちらに見せて、
「倒した七不思議と、倒した後どうなったかなどをまとめてるのよ」
といった。
今倒したのは『1、トイレの花子さん』『2、テケテケ』の二体で、残りは『3、呪いの鏡』『4、ガイコツ』『5、なんだっけ』『6、知らね』『7、えーと』で五体残っている。
「5、6、7がわかんないってどういうことだよ」
茂が文句を言ってきた。
「まーわかってるのから行けばいいわ。次は『4、ガイコツ』でも……?」
あれ、琴美が急に喋るのを止めた。どうしたんだろう。
「ねぇ、なんで七不思議以外の霊が全く出てこないのかしら。この学校は七不思議以外の幽霊の話だって聞いたことあるわ。なのにいまだに出てこない。これはどういうことだろうか」
と琴美が悩んでいた。なんだそんなことだったのか。
「それは「そういえばおかしいな」」
茂が台詞を被せてきた。
二人して凄く真剣に悩んでいる。
「ねぇ二人とも」
「なに、進」
別に悩む必要ないのに。
「他の幽霊が出てこない理由は「何か知ってるの!?」」
今度は琴美に台詞を被されてしまった。
「人の話を最後まで聞け。コホン。他の幽霊が出てこない理由はね、」
ここで間を開ける。
「「理由は?」」
二人でこっちをじーっと見ている。
「理由、それは、俺が最初のうちに他の幽霊がいるという設定を能力でいないという風に変えたのさ」
「What?」
何で英語?
「だから、最初に能力を使って書き換えたんだよ」
俺は自慢げに言ってやった。すると、
「どういうこと。一話の時の説明じゃ人や物をいないことにするなんてできないんじゃなかったの」
琴美が俺の頭を思いっきり振りながら聞いてきた。
「す、ストップ、琴美」
「あっごめんごめん」
何とか放してもらえました。アタマガモノスゴククラクラシマスネ。
「で、なんでいないことに出来たの」
と琴美が聞いてくる。
「普通に設定を変えただけだよ」
と俺が言うと今度は茂が、
「じゃあなんで七不思議や閉じ込められるという設定は変えなかったんだ」
ちょっと睨みながら聞いてくる。こわいこわい。
「一応変えようとしたんだけど、(変えると物語が始まらないから)変えられなかった」
ん。今自分以外のやつの台詞が混ざってたような気が……。気のせいかな。
「そういえばなんでこのタイミングで他の幽霊のことについて思ったの?」
と俺が聞くと琴美は首をかしげながら、
「うーん、なんか急に気になっちゃってね。なんでだろう(答え、作者が文字数を稼ぎたかったから)」
ん。琴美の台詞にも別の声が混ざっている気が……。
「まーいーや。とりあえずガイコツのとこへ行こう。確か理科室だったよね」
俺が琴美に聞くと、
「そうだよ。確かガイコツがいるのは、第二理科室(主に生命について授業する部屋)の方だよ」
「よーし、早く行こう」
そういって俺らは3階の第二理科室に向かった。
理科室の前まで来ると、中から変な音が聞こえてきた。
『肉、肉が欲しい』
なんて肉食系ガイコツなんだ。時代の先端を行ってるぜ。
「とりあえず開けるわよ」
琴美が俺らの方へ向いた。
「「うん」」
俺らが返事をすると、琴美は思いっきりドアを開けた。
バンッ ガシャンッ
そして閉めた。
「なにあれ。想像以上に恐ろしいわ」
琴美は泣きそうになっていた。
そういえば琴美はお化けとかは平気だけど、ガイコツとか暗闇に人型の物がいるというのが駄目なんだ。
駄目になった理由は確か、琴美の父が……。今はこの話はどうでもいいや。
まあ、理科室を開けたらガイコツが中を歩き回っていた。窓から差し込んでくる光がより一層ガイコツの怖さを引き立てていた。それを見た琴美は扉を閉めた。
「あー、茂。琴美と一緒に待っててくれ」
俺はそう言ってさっさと中へ入った。
俺に気づいたガイコツは、
『肉、肉を、肉をくれーーー』
と言って襲い掛かってきた。
「確かにそんなガリガリじゃ、ちょっとは肉が必要かもな」
俺はガイコツをひらりとかわした。
今、ガイコツVS.俺の戦いが幕を上げた。
☆第二話《さよなら、テケテケ》 完
★次回予告:
テケテケとの戦いに勝った進たちは三人目の七不思議、ガイコツと出会う。
コイツは余計な肉が付いてなくて早い。果たして、進はガイコツに勝てるのか。
そして学校の壁にはコンクリだけで、金具などの補強するものが一つも入っていなかった。一体地震が来たらどうすんのか。
進と学校の運命は!? 次回、学校の七不思議?第三話《琴美の過去》