虚影録 20話 未来との境界線。
強制系は強いんですよ。だから座小杉は座小じゃないんです。
座小杉と同じタイミングで、
黒嶺とワタシの戦闘が始まろうとしていた。
──黒嶺Vsワタシ・ヒトコ・ロシ───
ワタシは蒼い長剣を持ち、
黒嶺は気にせず兵達を殴り飛ばしていた。
ワ「こんにちは、初めまして。
私はワタシ・ヒトコ・ロシと言うものです。」
ダゴォォン! ドガァッン!
黒嶺はなぜか無視して兵を倒し続けている。
ワ「はぁ、無視ですか。
まぁ仕方ありませんね。
私と戦いなさい!」
黒嶺が腕を振り回しながら気色の悪い挙動をし、
ワタシの方へ走ってくる。
まるで”無理やり”やらされているがのように。
黒嶺が落ち着き、ワタシの前で立つ。
ワ「こんにちは、初めまして。
あなたを倒す者です。」
黒「……仕事なら敵に容赦をするな!」
黒嶺がワタシへ自身の豪腕を振るう!
本来なら確実に当たる距離。避けようのない間合い。
だが…黒嶺の攻撃は当たらない。
しかも腕が意図せず場所へ動いていた。
黒『俺の攻撃が当たらなかった……?
俺と同じ概念系か?だとしてもなぜ体が勝手に……』
黒嶺は体が固定されたがごとく、
その体制から動けなかった。
その隙をワタシが突くッ!
ワ「そこですッ!」
ザシャゥッ!
黒嶺の横腹をワタシの長剣が貫く!
黒「ゴァッ。ゴッフ。」
ワタシが長剣を抜こうとする。
だが…抜けない。
黒嶺が筋肉で押さえつけていた。
魔力は使えど人間とは思えない力で…
ワ「ぬ、抜け……」
ドガァッン!
黒嶺の豪腕による殴りが炸裂し!
ワタシの体が吹き飛ぶ!
黒「部下の前なんでな、
少し格好つけさせてくれよッ!」
黒嶺はワタシの方へ突っ込んで行く。
黒嶺がその豪腕を振り落とそうとした瞬間!
当たる寸前で黒嶺の動きがとまる。
ワ「全く分かっていないようなので、
縛りの為にも能力をあなたへ、
教えて差し上げましょう。
私の能力は未来の固定化…です。」
黒「そうか…”未来の固定化”か、
やはり概念系に近しいな、
まぁ俺の能力も教えてやろう。
俺の能力は境界を広げる能力だ。」
ワ『奴の能力は分かったところで対策があまりない…
だがそれは私も同じこと、
最終的にはただの殴り合いになりそうですね…』
黒『未来の固定化…ねぇ、
俺の能力で先延ばし出来りゃいいんだが、
縛りのせいで敵には付与できねぇ、
がむしゃらに殴るしかないか?』
黒『いや、今の”自分”の境界を未来に広げる!
出来なかろうと別の策を考えればいい!』
黒「現押付」
ワ「はぁ、私の能力が制限されたら、
今剣もないですし、
殴る蹴るしかできないじゃないですか…」
黒「来な。」
ワ「体術は苦手なんですがねッ!」
ボァッ
火球が黒嶺に向かい投げられる。
黒「魔法による目くらまし!?」
ワタシは黒嶺の横腹に刺さっている、
剣の柄を掴んでいた!
黒「まずッ」
シュシャッ!
ワタシは黒嶺に刺さっていた、
自身の剣を引き抜いた!
しかし血が出なかった。
黒『現在と言う過去を未来に押し付けているからか?…
何しろワタシは俺の射程距離!今仕留める!』
ワ「私…幼い頃から剣を学んでいましてね。
剣はとても得意なんですよ。」
スゥ
それは何も音はならず静かな剣筋だった。
誰にも気づかれず既にその剣は鞘に収まっていた。
黒「あ?」
黒嶺が自分の手を見ると切られているのに切れていない。
不思議な状態が広がっていた。
そして気づいたことがあった。
自身の魔力が元の2割程度しかないことに……
黒「チッ。
魔力が少ねぇ、何か方法は……」
黒嶺が辺りを見回すとそこには兵を倒し終わって、
なぜか呑気に暇してる杉が居た。
黒「おい!杉ー!
こっちに加勢してくれーッ!」
杉「は?んぁっはい!」
黒『最初から杉に任せたら良かった……
こいつと俺は相性が悪い。』
突如ワタシが座った。
がワタシの能力で杉は戻って行った。
黒「2対1を避けたかったんだろうが、
杉の能力は範囲が広いからな、
無駄だったな。」
ワ「そうですか……
私の負けです。
煮るなり焼くなり好きにしてください。」
ガチィッ。
黒嶺は手錠型の魔道具をワタシに付ける。
黒「その顔…余程覚悟を決めていたのだな…
最後まで漢らしく戦わなくてすまないな…」
ワ「戦いに卑怯もくそもありませんから、
仕方ありませんよ…」
ワ『オマエ侯爵様、任務を遂行できず、
すいません……』
いやぁ、座小杉Vsワタシ面白かったなーわー(棒)
いやねぇ!?黒嶺Vsワタシで閉めたかったんですけどね?こっから勝つ方法が杉以外思いつかなくてね!?
これはもう運命としか言えなくてね!?強制技が強すぎるのがいけないんすよ!?
ワタシも黒嶺も悪くないんだ!杉の能力が強すぎるのが悪い!




