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わたくしの旦那様は素晴らしいのです  作者: 梅雨子
蛇足的続編(※必ず、本編のあとがきをご覧になってから閲覧くださいませ)
13/13

蛇足あとがき(私事含みます。ご注意ください)

.



 『わたくしの旦那様は素晴らしいのです』に最後までお付き合いくださり、ありがとうございます。心から感謝しております。


 様々なご意見・ご感想があるかと思いますが、このお話はこれにて完結となります。


 少々『わたくし~』の裏設定をば。

*ローランドとオフィーリアの子ども達の幼い頃

 生前、ローランドはこっそり子ども達に「……実はここだけの秘密だけれど、父様は母様のことが大好きなんだ。絶対に言ってはいけないよ?」と、唇に人差し指をあてて教えていたりします。この時、子ども達は頷きながら、(うん、知ってる)と思っていたとかいないとか。

 ちなみに、オフィーリアはローランドへの愛情を誰にも言ったことはなかったりします。そんなこんなで、子ども達から見ると、ローランドがオフィーリアに片思い溺愛している図でした。

 それでも家族仲良しだったので、円満だったのではないかと。


*ローランド自殺後の残された子ども達

 息子・娘達は成長していくと、薄々両親のあれこれに気づいていたりします。幼い頃はローランドがオフィーリアに片思いの図にしか見えませんでしたが、なにやらオフィーリアもローランドの気づかぬところで熱っぽい視線を送っていたりと、そんなことに気づいたり。

 家族や使用人から見ると仲睦まじい夫婦ですが、違和感はあったのではないかと思います。その真相を、両親亡き後にオフィーリアの日記で知ります。

 突拍子もなくローランドが自殺してポカーンな家族と使用人ですが、影ながらオフィーリアを溺愛していたことを知っているのでどこか納得しているやもしれません。

 オルコック伯爵家はその後、爵位継承と自殺隠蔽に慌しくなることでしょう。


*メアリーについて

 お問い合わせが数件あったので、こちらにて失礼致します。

 メアリーは、『青い薔薇のルクレティア』というお話の主人公であるルクレティア(ハンナ)が転生してメアリーになっています。メアリーがなぜオフィーリアと同じ世界にいるのか……は、『青い薔薇~』の続編のネタバレとなる可能性もございますので、伏せさせてくださいませ。ヒントとしては、『短編集』にある、アリストフォン視点の番外編タイトルの通りです。掲載してからネタバレしていることに気づき、ポカーンした覚えがあります……orz...。


*蛇足6話 ある夫婦の未来について

(ローランドのこれまで)

 ローランドは侯爵に可愛がられていた為、愛人の子でも上位神官によって名づけられています。さらに、オフィーリアと同じく幼い頃は言語で苦しみ、上位神官から前世の記憶持ちであることを告げられます。この辺り、どこまでもブーメラン体質だなぁ、と思います(オフィーリアの言語障害に関しては、ローランドこのやろぉ!!! だと思います)。しかし上位神官はその際、「なにかあったらいつでもいらっしゃい」と言います。

 思春期になったローランド少年は心の空洞・喪失感に耐え苦しみ、上位神官を訪ねます。そこで、前世がどんな人生であったのか、さらに青い薔薇の呪いを自身がかけたことを教えられます。

 ローランドの趣味 放浪(別名 徘徊)・睡眠というのは、夢の中でオフィーリアに逢いたくて眠り、同じ世界にいるはずのオフィーリアを捜す為に街に出ていました。


(その後の二人)

 蛇足6話の後に話は飛びまして、その後、のんびり別邸で二人は暮らします。が、オフィーリア母の助言で、ローランドはオフィーリア父に認められるようがんばり始めます。

 ローランドの才は、生まれながらのものというよりも前世の記憶ゆえであったりします。元伯爵であり、実業家や技術者への支援をしていたこともあり、最低限の知識はあります。

 けれどもオフィーリア父は、家の為、オフィーリアにどこぞの貴族の息子との縁談を持ってきます。駆け落ちすればオフィーリアとローランドは結婚できますが、ともすればオフィーリアは母を捨てねばならない。オフィーリアが葛藤しつつも「駆け落ちします」と言っても、今度こそ大団円的に幸せにしたいローランドは「それでは駄目だ」ということで、まずは自分にできることをやろうと必死になる、そんな未来。

 結論としては、なんだかんだあっても、ローランドはオフィーリア父に認めてもらい、二人は幸せいっぱいに暮らすのだと思います。

 実は他のパターンも妄想したりしましたが、『青い薔薇~』と被ったので却下しました(笑)。オフィーリアとローランドのお話はこれ以上長くするつもりもないので、すんなり復縁ハッピーエンドです。





*あとがき(私事いっぱいなので、ご注意ください)

 さて、このお話をご覧になった方は「こいつら面倒くせぇ」と思ったのではないかなぁ、と思います。書き手ながら、私も思います(笑)。

 しかしプロット作成時から、二人が最初の生で愛をどちらも告げずにすれ違ったまま死を迎えることは決めていました。

 三年前くらいの自分ならば、正直こういった展開にしなかったと思います。恐らく、一度目の生にてなんだかんだで和解させたかと。

 けれど、生きている内に和解できるとは限らない、と現在の私は思います。

 このお話を書いて伝わったらいいなぁ、と考えていたことは、伝えられる内に心にある気持ちは伝えるべし、ということです。

 私事になるのですが、二年前に喧嘩をしたまま祖父が急逝し、激しく後悔しました。その時、大切だと思っているならば、思っているだけでは意味がない。言葉にしなければ伝わらないことがある、ということに気づきました。不思議なもので、その後に友達も似た体験をし、後悔をしていました。自分が体験し、第三者として客観的に見て、色々思うところがありました。

 物語では簡単に書ける言葉も、実際に口にするのは勇気が必要で、羞恥心ゆえに妨げがあったりします。言葉にしなくても伝わる、と思っている部分もありました。そして喧嘩した後の仲直りには、プライドと意地が邪魔をしてきます。

 そんなこんなで、以上の感情・考え方の変化から、ローランドとオフィーリアは、気持ちを言葉にしない限りハッピーエンドにするつもりはありませんでした。

 物語に必要以上のリアリティや自己投影は避けたいと考えながらお話を書いていますが、書き手の価値観・倫理観は多少なりとも反映するものだなぁ、とお話を書くようになってから気づきます(苦笑)。不快に思われましたら申し訳ありません。

 それでも、このお話をご覧になって、なにかしら感じていただけたらいいなぁ、と思います。


 ちなみに、青薔薇シリーズも含めてなのですが、自殺の推奨・肯定は一切しておりませんので、ご理解いただければと存じます。


 最後までお付き合いくださり、心から感謝致します!



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― 新着の感想 ―
[一言]  評価は☆5ですが、最後まで意地をはりつづける、裏切られたら信じない主人公は別作品でありましたね。  信じられる何かがあったのでしょうか。
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