みんなでバッファル観光!?(後編)
私たちはあの怪物に会ってしまった森を速やかに走り抜け、また馬車タクシーに乗った。
私は馬車に揺さぶられながら
「ねぇ、明莉。」
と明莉に話しかける。
「何?」
と明莉。私は
「あの人たち強かったね。」
と言う。明莉はうんとうなずく。母もうんとうなずく。なのに、田中は顏を赤くして少しニヤニヤしている。なんだコイツ。ヘンタイか?私はそう思う。本人は俺たちを助けてくれたあの子に一目ぼれをしたんだ、というが第一、やっぱり何かいけないこと考えてたでしょと私は思うのだった。
1時間後、やっと私たちの目的地・陽の森に着いた。「陽」って南の意味なはずなのに地図を見るとここは西だった(まぁ、そんなことどうだっていいけど)。私たちはその森林に入った。とても明るい森だ。ガサガサとざわめき、木と木の間からは太陽の光がはみ出ていて、まさに”自然”って感じだ。空気もおいしいし。昨日、空港から出て言った言葉を今なら前言撤回できる。こんな、すばらしい森林がある島を”奇跡の島”と呼ばないのにはちょっと無理がある(あのときの言葉が当たっていたことは、私たちには知るよしもなかった)。
そして、夜が訪れる。私たちは森の中にテントを張ることにする(このテントは『マリアのよろず屋』という、店で買った、見た目は通常のテント、中はコテージという不思議なものだった)。私たちはテントの中に荷物を置き、夕食の準備を始めた(今日の夕食はこれもまた『マリアのよろず屋』で買ったものだ)。
夕食の準備が終えた私たちは焚き火をして、生だった食料を焼く。
十数分後、食べ物は全て焼き終わり、私たちは近くにあった沢で手を洗って食事に手を伸ばす。
「美味しい...。」
私の第1声はそれだった。他の3人も美味しいと言っている。私たち4人は同時に幸せかもぉと和むのであった。
そして今、そんな私たちにとある化け物が刻々と近づいているのである。
ジャラジャラジャラジャラ...
何かが揺れる音がした。これは森のざわめきではない。かと言って藪が揺れた音でもない。私たちにはそんなことわかりきっていた。テンポの速いジャラジャラ音。これはきっと鳴き声だ。私たちは震えがる。すると、冷静沈着な田中が下がってろと言って、私たちの前に立つ。彼は火のついた薪を取りどこからでもこいと覚悟を決める。私と明莉は文句なしにかっこいいと思った。
そして、化け物は現れた。そして、ジャラジャラ音の正体を知った。あれは鎖の音だったのだ。その化け物は巨大な騎士の姿をしていた。田中がソイツに向かって薪を投げる。しかし、奴は一切動じずに、鎖の先についた棍棒を彼に向かって振り落とす。私はすぐさま田中に飛びつき、一緒に藪の中に飛び込む。
ガサガサガサ...ゴロゴロゴロ...
私は田中と一緒に転がる。それが止まる私が彼に床ドンをする状態になる。その瞬間、私も田中も顔を赤くする。
ドッシッーン!
大きな音がする。私たちは急いで戻る。すると、倒れた巨大な騎士。明莉に
「どういうこと?」
と聞いてみると、後ろにいた男の人を指さす。なるほど、あの人が助けてくれたのね。そう思った私はその男性に近づきお礼金を渡すが首を振った。でも受け取ってくれなきゃ困りますと言うがやっぱり首を振る。まぁ、いらないならいいかと思った私はポケットにお金を戻す。
「ここら辺一帯に結界を張っておきましたので怪物が入る心配はありませんよ。安心してお休みください。」
男性は笑顔でそう言った。私たち4人はその人にありがとうございましたと深くお辞儀をし、深く感謝をする。そして、その男性はいいんですよともう1回笑顔になって言い、森の闇の中へと消えていった。
次の日、起きてすぐに私たちは馬車のタクシーに乗り、サンシャイン空港に到着する。
そして、飛行機に乗る。飛行機に乗り込んで、あのときの田中かっこよかっただとか、あのときはマジ恥ずかったよなだとか雑談をしているうちに飛行機は離陸をする。
約7時間後、我が国に着いた。その頃にはもう東の地平線に太陽の光が見え始めていた。




