表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
LEGEND MONSTERS(レジェンド・モンスターズ)-The Extra-  作者: プリンアラモード
レジェモン外伝 #13~#15
54/149

#13 バーロンとの出会い

◆今回登場する人物◆

リドナー(14)

バッファル島南東の、とある館に住む剣士。アルカディア学園第8学年。

エレン(32)

リドナーの父。鍛冶屋をしている。ジョブは聖剣士。18の時、手に入れた館で、家族とともに生活している。

リサ(33)

リドナーの母。光属性の魔法使い。家事や、応急処置をそつなくこなす。

バーロン(24)

バッファル島に住む剣士。正義感が強く、力もある。剣術”回転切り”を自分で編み出した。

イーサン(23)

エリザの義理の兄。”赤猫盗賊団”のリーダーでもある。ジョブはナイフ使い。残忍な心を持っている。

●今回登場するアイテム●

スティーラーナイフ

盗賊が使うナイフ。刃は短いが、その分、扱いやすく素早い攻撃も容易に出来る利点がある。

バトルソード

バーロンが愛用していた剣。エレンの自信作の1つ。

ガーディアンソード

防御に特価した、護身用の剣。エレンの自信作の1つ。リドナーは、これをいつも持ち歩いている。

 バッファル島に住む剣士・バーロン。彼との出会いは突然であった。

 その日、まだ14歳を迎えたばかりだった僕は、護身用の剣を持って、陽の森地下通路へ向かっていた。鍛冶屋をしているお父さんから、装飾品・青銅剣を作るための銅と錫を採ってきてと頼まれたからである。

 僕は、その途中、とある盗賊に行く手を阻まれた。彼らは、

「持ち物を全て置いていけ!」

と命令してきた。しかし、護身用の剣以外の何物も持っていない。その時、まだ、人と立ち向かう勇気が無かった僕は、その剣を地面に置いた。そうすれば、見逃してもらえると思った。しかし、そうは上手くいかなかった。

 「それだけか!」

盗賊たちはそう言って、腰から短剣を抜いて、襲いかかってきた。当時から、素早さだけは自慢だった僕は、それを右に左にかわし続けた。が、体力が無くなってくるとその動きは鈍くなっていった。

 そして、僕はついに膝から崩れ落ちた。体力も失い、両足も斬られ自分で立つことが出来ないのだ。そんな僕に、容赦なく盗賊たちは短剣で攻撃してくる。僕は、それらを転がりながら何とかかわし続けるが、それも、やがて出来なくなってしまった。

 それなのに、盗賊たちはニタニタしながら、こちらに向かってくる。まず、背中を刺された。続いて、両腕。さらには、肩。そのせいで、体中は刺し傷だらけになり、その痛みで動けなくなってしまった。これを見た、1人の盗賊はさっきよりも恐ろしい笑みを浮かべて、こちらに近づいてきた。そして、その人は短剣を振り上げた。この絶体絶命の危機に、まだ、両親に「さようなら」も言ってないのに...。と、嘆いた、その時だった。

 「やぁぁぁぁぁ!」

1人の男が茂みの中から現れ、僕を刺そうとした盗賊をタックルで吹っ飛ばしたのである。その人は近くの木に頭をうち、気絶した。その様子に、しばらく唖然としていた、盗賊たちであったが、すぐに彼に襲いかかった。しかし、彼はそれらを見事に剣でさばいた後、返り討ちにしたのである。盗賊たちは全員気絶。そよ救世主は、安堵の息を漏らし、こちらに向かってきた。

 「つかまれ。」

その人は、そう言いながら、手を差し伸べてくれた。僕をそれにつかまり、立ち上がった。のは良いものの、怪我で上手く体を動かせない。次に、彼は地面にあった僕の剣を渡してくれて、腰に納めたのだが、こんなものがあっても動けないんじゃ意味がない。

 そこで、僕は

「僕はリドナーです。良かったら、家に帰るまで護衛をお願いできますか?」

と、自己紹介に交えて、護衛を頼んだ。すると、

「俺はバーロンだ。わかった、お前の礼儀に免じて、護衛を勤めてやろう。」

と、同じく自己紹介に交えて、護衛についてくれた。

 バーロンさんはとても強かった。彼は襲いかかる怪物たちをバッサバッサと斬り倒し、地下通路の奥へと進んでいく。その様子は、当時の僕の憧れになるに十分であった。

 その後、無事に銅と錫を手に入れた僕たちは、家に向かって歩き始めた。その途中、災難にも怪物の群れや、さっきとは違う盗賊団に出会ったが、全てバーロンさんが倒してくれた。

 そして、家に辿り着いた。お父さんは、まず、バーロンさんに誰何すると思っていたが、どうやら2人は主と客の関係らしく、僕に

「リドナー、その怪我はどうしたんだ?」

と聞いてきた。僕は、それが盗賊によるものだと言うことを話し、バーロンさんがソイツたちから守ってくれたこと、そして、今に至るまで護衛をしてくれたことを話した。すると、父は彼を家に上げ、お茶をもてなした。2人はそれを飲みながら、意気投合し、友のように仲良くなり、僕はお母さんに怪我の手当てをしてもらっていた。彼は、この時から僕の付き人となった。

 それから、僕はバーロンさんに弟子入りし、サドリール地区の北端から突き出た、ヒューマニー半島で特訓を始めた。その特訓をしているうちに、僕はすっかり彼に慣れて、敬語もなくなっていった。彼の指導は厳しかった。しかし、そんな試練を乗り越えてこそ、人間は強くなれるとお父さんに教わり、信じていたので、一度も折れることなく、彼の指示に従い続けた。

 そんな日々が、3年ほど続き、僕は強くなった。バーロンからは自慢の素早さを生かした剣術や、強さとは諸刃の剣であることを教わった。何でも、正しい使い方をすれば、身を守る糧となるが、誤った使い方をすれば、身を滅ぼす原因になってしまうらしい。当時は、全く理解できなかったが、その言葉は目に見えない

大きな力で僕を引き付けた。学校では剣術の成績のトップに上り詰め、バーロンは自慢の僕の師匠となった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ