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LEGEND MONSTERS(レジェンド・モンスターズ)-The Extra-  作者: プリンアラモード
LORD SCROLL - 0~3話
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2話 血の示す場所

 アレックスとヘンリーの結託からしばらくが経ち、スカーレット魔法帝国ではこちらに来た「ラグナロク」の組員たちが一部合流し、帝都郊外に隠れ家を経てていた。その内、5人は「海神聖典」の欠片を持つ者である。

 誰1人ヘンリーの裏切りを知るものはいない。

 「邪神派の通信を傍受した。どうやら、邪神軍の大隊が既に『海神聖典』回収のためこちらに来ているらしい。それに、文明派も反乱軍を使って俺たちを捜索しているようだ。」

「ラグナロク」技術班の1人、ユリウスは盗聴の受信装置に耳を傾けながら言う。

 「そうか...。できれば同士射ちで互いに減らしあって、漁夫の利をいただきたいが。」

と誰かが理想を語るが、

「邪神軍も反乱軍も軍事力は絶大だ。ヤツらが互いに減らしあったところで、今の我々ではどうにもならん。それに、我々は不法入国でこの国の連中にも追われている。」

「そうだな。ここに隠れて仲間の合流を待った方が良い。『ミストルティン』の数も限られている。同士討ちで能力者が死んでもその能力は殺した者に受け継がれる。9人の能力者を一度に相手にするのもマズいだろう。」

と2人はこれを否定し、再び周辺の仲間たちへ呼び掛ける作業に入る。


 * * * * *

 

 さて、邪神軍の分隊は恐喝により入国書を手に入れ、不当にしかし正式に帝国内へと来ていた。

 「プテロス、周辺に欠片はあるか?」

道を歩きながら分隊長のリアは横を歩く分隊副長プテロスに聞く。

「待て、今調べる。」

プテロスは答えると、指に小刀で小さく傷を入れる。一瞬待って切り口から血が滲み出し、赤い雫が落ちる。

 「我、『海神聖典』を望むもの。我が血よ、その行方を指し示したまえ。サングィス・ヴィア。」

雫が落ちるのに合わせて、プロテスは固有魔術を発動。血に魔力が流れ出し、やがて地面へ落ちる。探すものが範囲内にあれば、その方角を血痕の形により示すのである。

 プテロスは血を滴らせたまま、これを常時発動。しばらくして、彼らは効果範囲に入り帝都のある方を指し示した。

 「見つかりそうですよ、リア分隊長。」

これを見るなりプテロスは不適に笑んで言う。その目も残忍に輝き、彼の悪しさを表していた。

 プテロスはそのまま在処を血で辿り、兵士はこれに続く。


 そして、十数分歩きその場所に辿り着く。

 「ここのはずですが...。」

プテロスはここだと示す血痕を見ながら言う。だが、隠れ家らしきものは見当たらない。「サングィス・ヴィア」は超高精度であり、周りにあるいくつかの建物のいずれかということもない。

「だが...!」

リアは信じられないというような顔をしたが、少し待って

「いや、流石は『サングィス・ヴィア』だ。裏世界の物まで探知するとはな。」

と納得する。

 「裏世界...?まさか、裏面構巣(リバースベース)に隠れているのか...!?しかし、あれは邪神軍の最高機密のはずだですよ!」

「おそらく、邪神軍の幹部の中に内通者がいる。それに、欠片が盗まれて発覚が遅れたが、裏面構巣(リバースベース)の013から104が保管庫から消えていたとの報告があった。間違いないだろう。」

驚く兵にリアは答え、物を保管する「ホレウム」から薄石を1つ取り出す。

 「まぁ、開発側の我々から隠れることなど不可能なのだがな。露天石よ、全ての力を無に帰せ。」

血痕のある場所へリアはその石を無げて唱える。すると、石は眩い白光を発し、晴れると地面に正方形の扉が現れた。

「ホレウム。」

と唱えて、次は中から裏面構巣(リバースベース)のマスターキーを取り出した。

 リアはしゃがみ、その鍵を鍵穴に刺し込もうとする。

 「ルクスランケア。」

「ルクスランケア。」

「ルクスランケア。」

「ルクスランケア。」

「ルクスランケア。」

と、そこで後ろから揃って詠唱が聞こえた。

「何者だ!?」

と後ろの兵が振り向いた頃にはもう遅く、幾条の槍がその心臓を貫き倒れ伏す。

 「敵襲です、リア分隊長!」

プテロスは二丁の拳銃を構えて言う。これを聞き、リアも「ホレウム」から小銃を取り出し、立ち上がる。兵も銃を構え、

ズガガガガガガガガガガ...!

一斉に銃弾を浴びせる。だが、奥から

「ルクスパリエス。」

と聞こえ、光の壁が弾を全て弾き返す。

 「つけられるていることにも気付かないとは愚かですね。邪神軍の皆さん。」

間もなく壁が崩れ、そう語りかけるのは術者のある剣士。名はレイン、魔剣ノックスを扱う反乱軍の精鋭戦士の一角である。

「レインか...!」

彼と面識のあるリアは一瞬慄き、すぐに思い直して強敵への恐怖は薄まる。

「俺の『ホレウム』には大量の機械兵を保管している。その数で太刀打ちできると思うのか!ホレウム!」

と言って、数十の機械兵を取り出した。

 「その数?あなたは何度愚行を重ねれば気が済むのですか?あなたは"その数"というのはもしかして、この数のことですか?」

レインは言うと、指を鳴らす。その瞬間、分隊を数百人の兵士が突然現れ、邪神軍を取り囲んだ。

「私の固有魔術は『トゥルマ』。対象に設定した万物を俺の意思でいつでも呼び出せる。お忘れですか?」

さらに、彼は言って合図を送る。

 すると、その数百人が一斉に邪神軍の方へ銃口を向ける。しかし、リアは口元から白く輝く歯を忍ばせていた。

《裏面構巣(リバースベース)》

邪神軍がドュンケルの世界創造の力を借りて開発した潜伏用の魔道具。裏世界を形成し、そこに隠れ家を構築する。現在337個が製造済であり001~337のシリアルナンバーが振られている。その中には単なる隠れ家ではなく、様々な設備を備えたものもある。

《ノックス》

反乱軍の精鋭剣士・レインが扱う漆黒の魔剣。切れ味も凄まじいが、空間を斬り裂くことができるのが最大の特徴である。切り口は世界の修復力によりすぐに閉じるが、レインはこの力を応用して様々な技を編み出している。空間を生み出す魔剣ディエスと対をなしている。

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