見る?
お久し振りです。
フィギュアについて。
「女性キャラのフィギュアあるじゃん、スカートとか穿いてるキャラがさ、ちゃんと下着まで穿かせてもらえてるかって気になったことない?」
突然な秋乃の質問に、香月と章、近くで本を読んでいた犀の近くにいた朔が、秋乃の方を見て「は?」という顔をした。
「おれはさ、レデンツのフィギュア結構集めたりしてるから、毎回手に入ると確かめるんだけど──」
「覗くってことか?」
と章が秋乃に聞き返す。
秋乃はさも当たり前のように頷いた。
「そう。皆はやらない?」
秋乃の問いかけに四人はそれぞれ頷いたり、首を傾げたりする。
「俺はやらないな」
「俺もやらないかな……」
と章は苦い顔で、朔は苦笑いして答えた。
「オレは恥じらいながら、確認するくらいかな……!」
「絶対嘘だ。香月はハアハアしながら覗くタイプだね」
「なんだと?! オレはそんな変態じゃないんだよ!」
秋乃に言われた香月は、怒って反抗する。
「秋乃だって見るんならオレと一緒じゃんか」
「おれは紳士的だからね、香月とは違ってハアハアなんてしないさ」
「オレだってしねえよ?!」
「いや、見てる時点でお前ら一緒だろ」
と章は何言ってんだお前らという目を二人に向けた。
犀は特に会話に参加するでもなく、本のページを一定の速さで捲っている。
「じゃあ章は一度も見たことないんだね?」
「そうだそうだ、見たことないんだな? それで見てたら許さないぞ」
「意味わかんねえよ──」
秋乃と香月に章はツッコミながら、何故か隣で申し訳なさそうにする朔に訊いた。
「……どうした? 野嶋」
「うん、俺見たことないと思ってたんだけど、見てた……」
「ほらー、野嶋もこっち側じゃん。絶対男なら気になるって」
と秋乃は仕方ないよと頷いてみせる。
香月も頷きながら、朔の肩をポンと叩いて親指を立てた。
「仲間だな!」
「……ちょっと同じにはしてほしくないけどね」
「なんだよそれ!」
香月はショックを受けながら、全く会話に入ってこない犀に話を降った。
「湯川は? やっぱり見ないタイプ?」
犀は本をパタンと閉じると、香月を見て言った。
「見る」
真面目な顔で言った犀に、四人は一瞬驚きで固まった。
「……えっと、湯川頭でも打った?」と秋乃。
「変なのでも食べたか……?」と香月。
「頭おかしくなったか?」と章。
「大丈夫犀、疲れてるの?」と朔。
四人の反応に、犀は若干イラつきながら言葉を返す。
「その言葉、そのまま君たちに返すよ……。僕が見てたら、そんなにおかしいか?」
とくいっと眼鏡を押し上げて、犀は不思議そうな顔をする。
秋乃は三人と顔を見合わせてから言った。
「おかしいっていうか、意外?」
「まあ、そうだな。香月が見てるっていうのは、まあ想像できるけど、湯川がな……やってるのは想像できない」
と章も頷く。
「軽くオレのことディスるのやめてくんない?」
「確かに、田端は普通にやってそうだしね」
「うん、野嶋もさりげなくディスるのやめて?!」
「香月はもう抜け出せないんだよ、オレイケメン変態っていう枠からは」
「どんな枠だよ! 入った覚えがないわ!」
と香月は秋乃に吼える。
そんな二人を無視して、章は単純に気になったことを犀に質問した。
「……で、湯川は何で見るんだ?」
「舛田と理由は一緒だな。でも、その製作会社がどのくらい本気で取り掛かってるのかを知りたい時とか。細かい所までしっかり手が込んでる物は、製作会社の思いがやっぱり違うだろ? だから、そういう感じだな」
と犀は答えてから、また本を広げる。
四人はやっぱり見るとこが違うわと思いながら、犀を見るのだった──
秋乃「……見ないの?」




