サンタについて
犀の話。
遅くなりました(_ _)
「そろそろクリスマスか──」
ふいに章が言った。
すると、近くで話していた秋乃と香月が、章を見て目を輝かせた。
「……なんだよ」
「プレゼント!」
「くれ!」
と手を出してくる。
「あるわけねえだろ。それにクリスマスはまだ先だろうが」
「じゃあクリスマスになったらくれるの?」
「やったな!」
と秋乃と香月がガシッと手を組む。
「だいたい、サンタさんからもらうんだろ?」
止めろよ、と章は散れ散れと手を払う。
それを聞いて、秋乃と香月がニヤニヤし始める。
「なにニヤニヤしてんだよ」
「あれぇ〜、もしかして、章くんはサンタさん信じてるの〜? いるわけないよね〜、なあ? 秋乃くん」
「そうだよねぇ、いるわけないよねぇ?」
と二人が口に手を持ってきて、章に聞こえるように話す。
「高校生になってサンタさん信じてるなんて、今時章くんぐらいじゃないの?」
「ね、そうだよね?」
「……黙れ」
俺だって信じてねえわ。と章は言う。
「大体、世間体ではそうだろ。サンタさんがプレゼント届けにくるんだから──」
「そうだな」
といつの間に来ていたのか、犀が眼鏡を押し上げて言った。
「クリスマスイブに来て、子どもたちに夢と喜びを与えるんだ。いいよな──」
と犀がふっと表情を和らげる。
そんな犀を見て、三人はひそひそと話す。
「おい、湯川サンタさん信じてんのか?」
「信じてんじゃね?」
「かもね……」
「どうした?」
と犀が三人に声をかける。
「いや、その……湯川はサンタさんとか?」
「……信じてるが? それがどうした?」
「「ぶふっ──」」
と秋乃と香月が噴き出す。
「けっ……結構ロマンチストなんだね?」
「おい、どうして笑うんだ」
と犀は笑いを堪えながら言った秋乃に首を傾げる。
「いやっ……その……っ、サンタさんを、信じていらっしゃるからっ──」
「むしろ信じてないのか?」
と犀は三人を見る。
そして、説明するように話し出した。
「サンタさんというのは、子どもたちに夢と喜びを与えてくれる大事な存在だぞ? それを今になって無いものにするのか? それは悲しいじゃないか──小さい頃は胸を躍らせて待っていたのに、今になってサンタを否定して、サンタを信じる者に対し、いないと言う。そんなことをして楽しいか? 僕は楽しくないと思うな」
それを聞いて、三人はそんなとこまで考えてるのか……と犀を見る。
犀はどうした? と言うように三人を見る。
「うん……」
「サンタさん、信じるよ……」
「考えを改めるよ……」
と三人は静かに誓うのだった──
朔「サンタさん?いないでしょ(笑)」
休日投稿です。




