広がる輪
二学年勢揃い。
【友だちの友だちは友だち】ということで、今日はお昼に偶然居合わせた秋乃たちと柚子、ヒナミ。
そこに食堂に向かっていた関野とそんな関野を見つけた篠山が、長いテーブルに集まった。
「なんという偶然。勢揃いだ──」
と秋乃がお弁当を広げながら周りを見る。
ちなみに席は、一番端が秋乃、隣に章、香月、朔が座り、秋乃の前にちゃっかり柚子、その隣にヒナミ、関野、篠山で、犀が一人出っ張って座っている。
「篠山と、関野さんだけだよね? 知らない人いるの」
「そうじゃね? 関野は俺初めて会うけど」
と章が言う。
そうだな、と他も頷く。
柚子とヒナミは二人とも知らないので、静かに二人を見ている。
「じゃあ、これでまた輪が広がるね──篠山、夏見さんと羽山さんね」
「わかった。よろしく」
と篠山が柚子とヒナミを見て笑う。
「よろしく」
「よろしくね」
柚子とヒナミも挨拶を交わした。
「えっと、関野さんはおれと篠山以外とは初対面だよね」
「あ、うん。そうです──関野です、よろしく……」
と関野はおずおずと頭を下げて言う。
皆も口々によろしくと言って関野を見た。
「じゃあ関野さん、こっちから紹介するね」
はい、章。と秋乃が章に自己紹介を促す。
章は関野を見ると、口を開いた。
「平井章。よろしく──」
次香月よろ。と章は肩を叩く。
「田端香月、よろしく!」
へい、野嶋! とハイタッチ。
「野嶋朔、よろしく」
次は、犀。とぱちんと犀と手を合わせる。
「……。湯川犀。よろしく」
ちらっと篠山を見てから、秋乃に声をかける。
「篠山はいいよな。舛田」
「そうだね、篠山は生徒会とかで会ってるだろうし」
と秋乃も頷く。
「夏見柚子よ。よろしくね」
「羽山ヒナミです。よろしくね!」
秋乃が言い終わってから、柚子とヒナミが関野を見て言った。
関野は二人を交互に見てから頷いて、
「こちらこそ、よろしく//」
と笑った。
「……じゃ、自己紹介も済んだことだし、食べよう」
と秋乃が箸を持って、食べ始める。
それぞれ、パンやら弁当を食べ始める。
「関野さん、それ手作り?」
ヒナミが関野のお弁当箱を覗いて訊く。
関野は笑って、
「うん。今日は早めに起きたから……」
と少し恥ずかしそうに言った。
「すごいね! 玉子焼き一つ食べたいな」
「いいよ、おいしいかはわからないけど──」
はい。とヒナミのお弁当箱に玉子焼きを移す。
「ありがとう。じゃあ私からはタコさんウィンナーあげる」
「ありがとう//」
嬉しそうな関野を見て、篠山が口を挟んだ。
「関野さん、俺にも一つ欲しいな」
「だめ。もう一つしかないから」
と関野は弁当をすっと篠山から遠ざける。
「篠山ドンマイ!」
「ドンマイってなんだよ。田端くん……!」
「まんまの意味だ!」
と香月は親指を立てて篠山に向ける。
「前途多難だね」
「舛田くん?!」
「ファイト、篠山」
章もパンをかじりながら言う。
朔と犀も、うんうん。と頷いている。
関野は柚子とヒナミと楽しげに会話をしていた。
「……何だよ、皆して──」
篠山は拗ねたようにパンにかぶりついた──。
それからわいわいと話して、昼休みが終わる少し前に、食堂を後にした。
「ふふ──」
教室に向かいながら、ふいに関野が笑った。
隣を歩いていた篠山が関野を見て訊いた。
「どうしたの?」
「いや、楽しかったなって──ああやって、わいわい食べたの久しぶりだったから」
と前を歩く秋乃たちを見て関野は言った。
「最近、生徒会の仕事多かったから。だから一人でさっさと済ませてた。でも、やっぱり皆で食べると楽しいね」
初対面の人が多かったけど、皆良い人だったし……ね。と関野は笑って篠山を見る。
「そ、そうだね」
「また、食べられたらいいな」
「食べられるよ。きっと──」
二人は顔を見合わせて笑った。
「篠山〜、鼻の下伸びてんぞ〜!」
と香月が振り返って、にやついて言う。
「なっ!? 伸びてないよ!」
と篠山は顔を赤くして否定する。
「またまたぁ、これだからなぁ、ねえ? 秋乃」
「香月には言われたくないと思うな」
「そうだな」
と章も真顔で頷く。
「え……、ちょっとそれどういう意味?」
香月の質問に答える者は、誰もいなかった。
しかし、関野だけは小さく笑っているのだった──
秋乃「思った。初めて読んだ人、おれのこと女子って思うんじゃない?」
作者「……そうかもしれない」
休日投稿ですが、諸事情により今月は出来ても一回、来月の第二週目からになります。三週目からかもしれません……。




