世界設定
この物語の舞台は、現代日本。
一見すると普通の社会に見えるが、この国には表の歴史にはほとんど残らない異能の世界が存在している。
古くから、日本には異界の存在や異能による災厄が起きてきた。
それらから国を守ってきたのが、二つの名門である。
龍宮院家と神宮寺家。
龍宮院家は、異界に棲む龍と契約する一族。
神宮寺家は、神の名を冠する獣――神獣と契約する一族。
どちらも国防に深く関わる家であり、表向きには語られない場所で、日本を守り続けてきた。
異能について
この世界では、異能は完全な空想ではない。
日本では一定数の人間が、何らかの異能に目覚めることがある。
ただし、誰もが異能を持っているわけではなく、異能の強さや種類も人によって大きく異なる。
異能者の存在は一般社会にもある程度知られているが、龍宮院家や神宮寺家のような名門の詳細、契約の儀、異界の存在については、限られた者しか知らない。
龍宮院家
龍宮院家は、龍と契約する名門。
契約した龍の力を借りることで、炎・氷・風・雷など、人の力を超えた能力を扱うことができる。
龍には階級があり、契約者の魔力が強いほど、より高位の龍と契約できる可能性が高くなる。
そのため、龍宮院家では六歳で行われる契約の儀が、その子供の将来を大きく左右する。
神宮寺家
神宮寺家は、神獣と契約する名門。
神獣は清らかな気を持ち、穢れを祓い、邪なるものを退ける存在である。
守護や浄化に優れ、時に癒やしの力を持つこともある。
ただし、神獣の力は穏やかなものだけではない。
悪しきものに向けられた神聖な力は、強力な裁きにもなる。
神宮寺家にとっても、契約の儀は一族の誇りを示す重要な儀式である。
龍宮院家と神宮寺家の関係
龍宮院家と神宮寺家は、どちらも日本を守る名門である。
国を守るという目的は同じだが、決して仲が良いわけではない。
龍と神獣。
異なる力を継ぐ二つの家は、長い歴史の中で何度も協力し、同じくらい何度も衝突してきた。
現在も両家は協力関係にある一方で、互いに警戒し、強い対抗意識を持っている。
契約の儀
契約の儀とは、六歳になった子供が異界の存在と契約を結ぶための儀式である。
龍宮院家の子供は龍と。
神宮寺家の子供は神獣と。
それぞれ生涯を共にする存在との縁を結ぶ。
儀式は好きな日に行えるものではなく、龍脈と聖脈が最も高まる日に行われる。
龍脈とは、大地の奥深くを流れる力。
龍と道を繋ぐために必要な力である。
聖脈とは、神聖な気の流れ。
神獣と道を繋ぐために必要な力である。
龍脈と聖脈が重なる日、異界への道は最も安定する。
そのため、両家はその日を選んで契約の儀を行う。
儀式の場
契約の儀が行われるのは、龍宮院家と神宮寺家が共同で管理する神聖な山奥である。
深い森に囲まれ、普通の人間は近づくことも許されない場所。
幾重にも結界が張られた祭場には、龍宮院家の契約陣と神宮寺家の契約陣が存在している。
龍の道と、神獣の道。
本来なら交わらない二つの力が重なる場所で、契約の儀は行われる。
前世のゲーム
主人公・龍宮院颯真には、前世の記憶がある。
前世で彼がやり込んでいたゲームの名は、『神龍ノ國』。
龍、神獣、異能、名門家、そして日本の裏側を描いたシミュレーションRPGである。
しかし、颯真が生きるこの世界では、ゲームの知識どおりに進まない出来事が起こり始める。




