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42/156

42 攻撃力と防御力があるようです

 フレデリック君、聖剣をゲットしたようです。

 伝説の宝剣、『聖剣グラム』をゲットした。私、未だ5歳です。聖剣なんて絶対早すぎます。まあ、もう返しませんけど。


 自分の部屋に戻って、グラムを鑑定してみる。


    「鑑定。」


   ショートソード(聖剣)

   銘  グラム

   素材 ヒヒイロカネ合金

   攻撃力   1,250

   魔力対応力 3,800

   属性 火


 なんか、とんでもない剣のようだ。攻撃力って、使い手の攻撃力は関係ないのかな。まあ、自分自身の攻撃力が幾つか知らないけど。攻撃力があるのなら、防御力もあるのかな?うーん!よし、久しぶりに自分を鑑定してみよう。


   「鑑定」


   フレデリック・フォン・ランカスター

   アスラン暦458年2月14日生まれ(5歳5か月)

   人間族 男性

   レベル 9

   HP    905

   MP  4,649

   攻撃力 1,875

   防御力 1,169

   魔法適性 全て

   称号:日本からの転生者

      神童

   スキル:剣道錬士6段

   逮捕術上級

   高校教諭(体育)

   中学教諭(体育)

   瞬動(中級)

   鑑定(中級)

   空間操作(初級)

   神の加護

   錬金術(上級)


 あ、出来た。よく見ると、鑑定スキルが中級になっている。後、空間操作スキルが生えている。初級だけど、これで空間魔法が使える下地が出来たようだ。ダンドール主任教授から教わっても、全然使える気がしなかっただけに、地味に嬉しい。


 私の攻撃力は、素で『1,875』という事は、木刀なり剣なりを持てば、その攻撃力が加算されるということかも知れない。という事は『聖剣グラム』を使えば、攻撃力の総量は、『3,125』となるわけだ。私の素の防御力は『1,169』だから、もし私程度の者から攻撃を受けたら攻撃力と防御力の差『1,956』のダメージを喰らうわけだ。私の生命力つまりHPは、『905』だから、一瞬でマイナスHPつまり死亡となるわけね。まあ、攻撃力は、色々な要素で上下するだろうから単純ではないが、ある程度の防御力は必要だろうな。ところで地竜の攻撃力って幾つなんだろうか。絶対に、バトル前に鑑定しなくっちゃ。


 あと、『空間操作(初級)』って何ができるのだろう。『空間転移』なら、見える範囲への転移かな。ものすごく欲しかった『空間収納』なら、どれくらいのキャパなんだろう。この世界には、『マジックバッグ』と言う収納量がとんでもなく大きい魔法のバッグがあるんだけど、古代遺跡やダンジョンからしか入手出来ない超貴重品らしい。たまに発見されても、オークションで信じられないほどの値段が付くって聞いた事がある。そんな入手不可能な物を欲しがるよりは『空間収納

』の方が現実的だよね。


  えーと、えーと。あ、この使わなくなった2斤(1200グラム)の木刀を収納してみよう。これなら取り出せなくなっても大丈夫だし。まず、落ち着いて、魔力のエネルギーが圧縮されて、空間を捻じ曲げて、それが次元の狭間に割れ目を作ってと、ワールド・グリモワールに記載されていた『空間収納』を唱えてみる。


    「ストレージ」


お、出来た。黒い裂け目だ。ここに木刀を入れて、閉じるイメージで、よし、割れ目が消えた。あの長さでも余裕で収納できるみたい。あとは、取り出せればいいんだな。


    「ストレージ」


 黒い裂け目が空間にできた。手を入れると


   『ストレージ保管中』

   武器:木刀


 ほうほう、こういう風に表示されるのか。木刀と念じると、手に木刀が触れた。それを持って引き出す。うん、問題ない。あとは、時間制限があるかどうかだな。




 討伐遠征の出発日は、3日後の7月20日と決定した。今日から、ご学友としての勉強は中止となり、遠征の準備となる。私は、取り敢えずゾリゲンさんとスザンヌさんの3人で、ドワンゴ武道具店に向かうことにした。メルボルンの騎士団からプレゼントされた鎧セットがあるが、メルボルン家の紋章が描かれているので、このままでは不味いと言う事になって、新たに新調することになったのだ。


 洋服店で扱っている『見た目だけ騎士セット』の防具は、ペラペラの薄い金属箔を張った紙製の防具だが、今回は、キチンとしたものを買わなければならない。スザンヌさんは、不満そうだったが、見た目じゃなくて防御力で買うんですからね。


 ドワンゴ武道具店の防具売り場は、当然のように大人用の物が多く、子供用も10歳程度からの物が殆どだ。中々サイズ的に合う物がなく、仕方が無いので、メルボルン家で貰った防具セットの紋章を書き換えようかと思っていたら、店長のガンスさんが奥の倉庫から、小さめの木箱を持って来た。中には、少年用の防具セットが入っている。


   「これは?」


   「ある伯爵家で、息子のために誂えたんですが、7歳の誕生日前に流行病で亡くなってしまって。このように家紋も描いておいたんですが、金は払うがもういらないと言われて。これならお気持ちだけでお譲りいたしますよ。」


 見ると、中々しっかりした作りだ。胸の家紋は、1日あれば書き直せるというので、お願いした。購入費は、そのまま伯爵家へ売却代金として渡すそうだ。


 この防具、フルアーマーではないが鎧、小手、腰当て、脛当てと全て魔物製の革に魔鋼のプレートを張ってあり、鎧は、その上から銀色の金属で二重にカバーしている。聞けばミスリル合金を張ってあるそうだ。伯爵家、よほど裕福だったんですね。フル・ミスリル合金製の兜は、少し大きかったので詰め物で調整することにしたが、半円キャップに後頭部に垂れがついた形状だ。飾りも何もないのが、この世界の兜だが、スザンヌさんがどうしてもというので、羽飾りを付けて貰う事にした。あ、スザンヌさんは、今回、お留守番です。シュナちゃんを宜しくね。




 出発の日が来た。その日の朝、王城の前庭で出陣式だ。王都在住の男爵以上の貴族全員が見守る中、国王陛下から、遠征の詔勅と印綬の示達、守り刀の宝剣の授与が行われた。ブルーム殿下、ガチガチに固まっていて、右手と右足を一緒に出していたが愛嬌だね。


 この式典、王族は全員参列するはずなのに、アンドレイ王太子の姿は無かった。このまま廃嫡されるんじゃあないかと噂されているが、どうなんだろう。まあ、改心して国王となるべく精進してくれるなら別に廃嫡しなくても良い気がするんですけど。


 出陣式も無事終了して、出陣だ。ブルーム殿下はご自分の愛馬に騎乗している。愛馬と言ってもポニーなんだけど。それも、騎士が手綱を引いているので、まるで動物園の『ポニーに乗ってみよう』コーナーを見ているようだ。私は、ゾリゲン団長と一緒だ。ゾリゲン団長の騎馬の鞍が特注製で、前部に小さい乗馬席が付いている物だ。はい、未だ5歳ですからね。うん。そういうことに、しておこう。


 東の森へは、入り口近くの村まで1泊2日、村から森の入り口までは1日半と言う行程らしい。王都の冒険者達は、近場の村、ミンチ村と言うらしいが、その村を拠点にして森を攻略しているらしいんだけど、ここのところ、物騒になってしまって、冒険者達が立ち寄らなくなってしまったらしい。それはそれで、村の産業が成り立たなくって困っているんじゃないかな。


 しかし、1日中馬に乗っているのって苦痛だよね。私は、午前中でお尻が痛くなってしまい、魔力を薄くお尻の下に敷いていたら、ゾリゲン団長から、


   「坊、馬に乗るのも訓練ですよ。」


と言われてしまった。最近、ゾリゲン団長は、私のことを『坊ちゃん』とか『坊』と呼ぶようになった。まあ、呼ばれ方なんてどうでもいいんだけど、この調子だと大きくなっても『坊』と呼ばれ続けるようで怖いんですけど。


 今回購入した防具セット、装着しても違和感はないみたいだ。まあ、30年間以上、剣道の防具を付けていたわけで、今更、違和感などある訳がない。それよりも、この防具、異様に軽いんですけど。兜以外の金属部分が魔鋼とミスリル合金のハイブリッドとなっているとは言え、こんなに軽くて防御力大丈夫かな。さっき、防御力を鑑定したら、この防具セット、防御力が『+256』と示していた。と言うことは、総合防御力は、『1,425』となる訳で、思ったよりも防御力が上がらなかった。おかしいと思ったけど、平均的な防御力を知らないので、まあ、しょうがないよね。


 今回の遠征部隊、ブルーム殿下と側近騎士、直轄近衛連隊で80騎、王城警備騎士団から派遣された2個大隊250騎、王都守備騎士団から派遣された3個大隊380騎、それと各公爵家からの60騎、私達ランカスター騎士団50騎の合計760騎だ。他の公爵家や伯爵家からも遠征部隊に加勢したいとの申し込みが殺到したらしいのだが、それらの加勢には、後ほど経費を精算しなければならず、王家の出費が大変なことになるので、とりあえず、手持ちの部隊だけで対応をすることにしたみたいだ。あ、ランカスター家騎士団は、私の警護という名目で経費は我が家持ち出し、公爵家は王家一族ということで、当然に経費の請求はないらしい。


 しかし、これだけの部隊を長期間拘束し、3食を賄うだけでも膨大な軍費がかかるだろうに、それで地竜1頭では大赤字なのではないだろうか?

 この聖剣の能力を発揮するのは、もっともっと後になる予定です。そのころには、シュナちゃんは覚醒しているでしょうか。

 明日から年末年始のお休み期間になる方も多いと思います。年末年始は、元旦以外、毎朝6:00の投稿を計画しております。元旦だけは、完全休載(初めてです)とします。

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