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24 また修行の毎日のようです

 総アクセス数が6000PVを超えました。これも皆様のお陰と感謝しております。ありがとうございます♪

 初の魔物討伐です。4歳児のやることではありません。

 今回、少し長くなりましたが分割するほどではありません。長いなと思ったら、一旦お休みを入れて下さい。

 ギルドから、一旦侯爵邸に戻り、支度を整えてから、メルボルン領に戻る事にした。ストレプトマイシンの治験はうまく行っているみたいで、11月からはクリスティーナ様も投入を開始する予定だ。メルボルン領での私の鍛錬も順調で、魔力操作に中級魔法の操作、それに鑑定や瞬動などのスキル操作も怠りなく行っている。1日の鍛錬メニューは、次の通りだ。


   5:30 起床

       魔力操作とスキル操作

   7:00 朝食

   8:00 駆け足(概ね15キロ)

   9:00 2斤木刀による800本素振り

  10:00 公爵家騎士団との打ち込み稽古

  11:00 部屋で空中浮遊(瞑想)

  12:00 昼食

  13:00 ベス嬢とお勉強

  15:00 念動木刀との模擬戦

  16:00 ワールド・グリモワールの熟読・暗記

  18:00 夕食

  19:00 ベス嬢との雑談

  20:00 入浴・就寝


 現在はセフィロ嬢もいないし、独学が多いが、それなりにレベルも上がっているような気がする。


   フレデリック・フォン・ランカスター

   アスラン暦458年2月14日生まれ(4歳7か月)

   人間族 男性

   レベル 3

   HP   601

   MP 3,654

   魔法適性 全て

   称号:日本からの転生者

      神童

   スキル:剣道錬士6段

   逮捕術上級

   高校教諭(体育)

   中学教諭(体育)

   瞬動(中級)

   鑑定(初級)

   神の加護

   錬金術(上級)


 変な称号が増えている。きっと、この前の冒険者ギルドで誰かが漏らしたのだろう。この称号に良い思い出はないので、消去したいが、消去の方法が分からない。


 来年2月で5歳になる。5歳になれば、いろいろな習い事が本格的にできる。まず錬金術を正式に習いたい。と言うか魔道具を作って見たい。それから空間魔法を修得したい。ワールド・グリモワールにもまだ表示されていないので、自分の何かが足りないのだろう。


 あと、ペットで魔獣が飼いたいな。この前のオオカミの魔獣、腹ばいになって可愛いったらありゃしない。ペットにできる魔獣って、どこかに売っているんだろうか。まあ、飼うにしても両親の許可がなければいけないんだけど。


 この前の婚約式で、ブルーム第三王子殿下と約束した新しいゲーム、リバーシについて現在、ベス嬢と使い心地を検証中だ。意匠はそんなに難しくなかったが、それなりの部材を使わなければならなかった。メルボルン屋敷に出入りしている商人に頼んで作って貰ったのだが、結構高価なものになった。盤面に並べる石は、プラスチックが無いこの世界では、白面は象牙、黒面が黒檀を使って貰った。最初、碁石のように蛤と黒曜石で作っても良かったが、加工のしやすさで現在の仕様にしたのだ。盤は8マスずつで、マルっと元の世界風に二つ折りの箱型にした。石が少し重いが、許容範囲だろう。


 制作を依頼した商人が、このまま玩具として登録して制作販売をしたいと言ってきたので、最終的な版権さえこちらにあれば構わないと答えておいた。細かな契約条件は、メルボルン家の家令さんに任せている。


 リバーシは、ベス嬢には少し難しいようで、私とやってもずっと負け続けている。やはり対象年齢は4歳からなのだろう。ブルーム第三王子殿下用に未使用品をワンセット準備していたが、殿下も忙しいのか、お呼びが中々かからない。


 ランカスター屋敷とメルボルン屋敷の大きな違いは、騎士団にあった。ランカスター屋敷の騎士団は、王都屋敷の警備が主な任務のため、殆ど実戦はない。しかしメルボルン領騎士団はそうは行かない。街道に出没する盗賊の討伐や、領内の市町村の巡回、それと森や山岳地帯に出没する魔物の討伐がある。特にこの魔物が要注意だ。対人間は、向こうが逃げ回るし、叶わないと思えばすぐに降参する。しかし魔物は、必ず襲って来るし降参することもない。流石に叶わないと思うと逃げ出すが、それまでは死に物狂いで襲いかかって来る。そのため、必ず怪我人が出るのだ。


 戦闘において、損耗率というものがある。30%以上では、ほぼ全滅と同義なのにこの世界では全滅は完全消滅を言う。怪我をして倒れた場合、そのあと魔物に捕食されてしまうので、生き残れないのだ。


 今、ここの騎士さん達と打ち込み稽古をしているせいか、知り合いもずいぶん増えている。そんな知り合いの騎士さんがいなくなってしまうのは、我慢が出来なかった。今は一幼児に過ぎないので何もできないが、せめて少しでも役に立ちたいと思っている。


 そんな意気込みが皆に伝わったのか、最近、皆が私を『若様』と呼んでくれるようになった。午前の訓練では、対戦したいという騎士さん達が列を作ってくれるのだ。大勢の騎士さん達と稽古をして、技術もさることながらお互いの信頼関係がしっかり出来上がってきた。


 秋も深まったある日、屋外鍛錬場に行くと、騎士さん達が整列していた。団長のカーネル卿が前に出てきて、渡したい物があると言う。テーブルの上のカバーを取り去ったら、皆と一緒の鎧セットだった。胸にはメルボルン家の家紋が書かれていた。


 私サイズの特注品だが、装備をしてみると、少し大きいが、ベルトで締めたら違和感なく動ける。うん、これで打ち込み稽古をすれば、より実践的な稽古が出来るだろう。


 しかし、驚きはこれだけではなかった。団長のカーネル卿が、魔物狩りに私を連れて行ってくれるというのだ。バーン卿には了解を貰っているとの事だった。将来、自分の領地になるのだから、実情を知るには良い機会だと言うのだ。この辺は、我が父上と比較しても、かなり信頼して貰えているようだ。


 討伐日は明後日、領都郊外の森に熊型の魔獣、ポイズンベアが出現しているらしいのだ。私はよく知らないのだが、大型の熊だが、体内に毒袋を持ち、毒を吐くとともに、爪も毒腺があって、軽く引っ掻かれても致命傷らしい。


 討伐に参加する際の注意点を指示された。絶対にカーネル団長のそばを離れない事と、危なくなったら騎士を囮にして逃げることと言われた。うーん、本当は納得できないけど、連れて行ってくれないと困るので、ニコッと笑って『はい』と答えておいた。


 討伐の日、カーネル団長以下20名の騎士達が馬車で領都の東に向けて出発した。馬車で2時間ほどの所に大きな森があり、森沿いの街道近くでポイズンベアの目撃情報があったらしい。


 森の中は馬車から降りて徒歩になるので、5名1組の分隊編成で横隊になって進行する。初めて入る森は、興味深いものばかりだった。普通の小動物もいるが、元の世界では絶対にいない小型の魔物も結構見つかった。あの有名なスライムもいたが、ゲームのように可愛らしいものではなかった。目も口もなく、木の枝の根元に茶色のゼリーのような状態でへばりついていた。スライムというより大型の粘菌のようなものだった。生きているものは襲わず、虫や動物の死骸を掃除する益魔物だとの事らしい。


 角ウサギは、頭に長さ30センチ位の角が生えているが、草食であることや土の中に巣を作って繁殖するウサギの生態からは全く役に立たないと思うのだが。いや、却って邪魔以外の何ものでもないだろう。そのため、ウサギは群れで暮らして捕食確率を低減させると言う無謀な賭けに出たらしいのだ。カーネル卿が、角ウサギのメスは、繁殖の時は角が落ちると教えてくれた。なる程。でも、それなら最初から生やすなと言いたい。


 今回の討伐対象であるポイズンベアについても色々教えて貰った。ポイズンベアは、大きさによって脅威度がC〜Bと変化し、また番や複数頭の場合も飛躍的に脅威度が上がるらしいのだ。今回は、単独の行動しか確認されていないので、それ程警戒しなくても良いだろうとの事だった。それを聞いて、不安感マシマシなのは私だけだろうか。


 森に入って1時間くらいだろうか。角ウサギの頭だけが大量に散乱している場所があった。周辺の木々には毒液が付着し、特有の酸っぱい匂いが立ち込めている。ポイズンベアの狩場だ。あらかじめ毒をばら撒いた場所に、角ウサギを追い込んで、刈り取ったのだ。マズイ。奴は狡猾で知恵が働くようだ。その時、近くに大型魔物の気配がした。それも3頭だ。


   「団長、近くにいます。それも3頭です。」


 団長は、疑問も何も言わずに、すぐに戦闘体制を取らせた。


   「若、方向は?」


   「北東、距離40。あっちです。」


   「アーチャー、矢を放て。」


 草むらと木々で姿が見えなくても、おおよその場所が分かれば勘で射ることができる。次に魔導士が風魔法を放ったが、少し距離があったようで、ダメージを与えられなかったようだ。


 

 何本かの矢を身体に刺したままのポイズンベアが姿を現わす。しかし1頭だけだ。私には、左右に分かれて背面に回ろうとしている2頭の存在が分かった。


   「団長、左右に回り込まれてます。しかも毒を撒き散らしてます。」


   「マズイな。退路を塞ぐ気だ。若、騎士2人を連れて逃げてくれ。俺らが、ここで防いでいるから。」


   「まだ、戦闘も始まってないじゃないですか。私も戦います。」


   「約束だよな。絶対に戦わないって。」


   「そんな事言ってられません。1頭が退路上にいます。」


 もう逃げるとか何とかの問題ではなくなってしまった。相手を撃退しなければ、全滅だ。正面の大型種が口からシューシューと毒霧を吐きながら近づいて来る。アーチャーの放った矢が分厚い毛皮に阻まれて致命傷を与えられない。


   「槍、前へ。」


 大型獣と対峙した時は、

長物の武器が効果的だが、後ろへの警戒も避けられないため、総合的な攻撃力が足りない。ジリジリと近づいて来る。相手が間合いに入った途端、立ち上がり両手を上げて威嚇してきた。何本かの槍が敵の胸を狙うが、分厚い皮下脂肪が邪魔をして深く刺さらない。


 あ、前衛の何人かが毒霧を浴びてしまった。即死はしないが、体力を奪われてしまう。それよりも目に入って視界を奪われるのが痛い。それを見た団長は、毒を浴びた隊員達を後方に下がらせるために、剣を抜いて切り掛かっていった。残された私の側には若い隊員が2人、剣を抜いてはいるが震えている。当然だろう。


 それを見たら、もう遠慮なんかしていられない。能力がバレたって構うものか。私は、婚約式の時に買って貰ったショートソードを抜くと、全身に魔力を纏った。剣の先から魔力が迸っている。最初に敵の戦闘意欲を奪おう。


   「ストーン・バレット」


 アースバレットの上位魔法だ。普通の土を石のように硬くして敵に放つ中級魔法だが、威力は硬さと速度に比例する。私の場合は、かなり早いようで、目で追うことはできないレベルだ。


    バシュン


 ポイズンベアが大きく開けた口の中に命中した石は、後頭部から抜けていった。あ、やっちゃったかな?まあ、いいでしょう。後方を向くと、2頭のポイズンベアに騎士さんが苦戦している。防御力も攻撃力も圧倒的に不足している。


   「アースウオール」


 土の壁が、騎士さん達とポイズンベアの間にせり上がる。これで暫くは大丈夫だろう。私は浮遊魔法で土壁の上に飛び上がる。眼下では2頭のポイズンベアが土壁に体当たりしている。通常なら諦めるのだろうが、興奮していて正常な判断ができないようだ。


 いつまでも見ていてもしょうがない。私は、ショートソードを上段に構えて、手前のポイズンベアの上に飛び降りた。


   「めーん!」 ズザッ!


 ポイズンベアの首が落ちた。着地とともに、瞬動でもう1頭のポイズンベアの前まで移動する。


   「つきー!」


 敵の首元と心の臓を2段突きで突き刺す。魔力を纏っているので、皮下脂肪に阻まれる事はない。深く刺さった剣を抜くのに大した力は必要なかった。

 気合いが、どうしても剣道です。これは直らないと思います。

 次話は明日6:00に投稿いたします。

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