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99話・ファングの交換条件


「く...あの野郎、なんて殺気を出してくるんだっ!?」


「あの殺意のオーラ、今までが可愛く見えるくらいの禍々しさじゃないか!?」


ファングから噴き出している禍々しい殺意をその身に浴びて、屋台の主達の

戦意がどんどん消失していく。


「みんなの気迫がどんどん落ちてきている...でも、それはしょうがないか...。

何せ、あのじいさんに勝つ打算が現実問題、全く見えてこないもの......」


アンジュが周囲を見渡し、現状置かれている王手状態に、無念な言葉が

思わず口から洩れる。


「ギルドへ頼んでおいたクエストを、冒険者が受けて今ここに来ていたら、

まだ逆転の目はあったのかねぇ...」


いや...それはないか...まさか、こんな強い奴がここへくるだなんて

想定外もいい所だし...。


「このじいさんが来るのがわかっていたなら、依頼ランクを上げてクエスト

依頼を頼んだっていうのに..」


クエスト依頼...か...。


「もし...ボディーガード依頼を受けてくれたあの坊やが、今ここにいて

くれたのなら...この状況を少しは打破できたかもしれないね...」


朝、ボディーガードの依頼を受けてやってきた、蒼井の強さを思い出し、

彼ならこの状況を何とかできるのでは...考えるが......


「いいや...もしもの話はやめておこう...。現実は今のこの状況なのだから...」


現実逃避だと、アンジュは首を小さく左右に振って苦笑をこぼす。


そんな考えの中にいるアンジュをよそに、痺れを切らしたファングが

少し苛立ちを見せていた。


「しかし...ここまで挑発を続けても、まだ乗ってこないとは...私を倒すのを

無駄だと認めて諦めたのですか?」


「そ、そんなわけ...あるか!」


「くく...そうですかぁ...?その割には声がブルブル震えていますが...?」


「う、うるせぇ...これは武者震いだ、武者震い!」


「やれやれ...その様な顔をされると、こちらも興醒めしてきますね...」


殺意を浴びて身体を震えさせる屋台の主に、ファングが失笑をこぼして

呆れてしまう。


「ふう...仕方がない。私とそんなに戦うのがお嫌でしたら、こう言う案は

いかがでしょうか?」


ファングが何か良いアイデアを思いついたのか、手をポンッと叩いて

相づちを打つ。


「アンジュ様...貴女がガッコ様のモノになると約束してくださるのなら、

この屋台の制圧をやめる様、私がガッコ様へ口添えをするという案なのですが...

どうでしょうか?」


今置かれている現状の立場を利用した、汚く下劣な交換条件をアンジュへ

出してくる。


「な...ガッコのモノに...だと...!」


「ええ...どうです、アンジュ様?貴女さえ、首を縦に振って返事をすれば、

事が済むんですよ...。そう、そこにいる罪のない人達を助けたいとは、

思わないんですか?」


深刻な表情で考えているアンジュへ追い討ちをかける様に、非戦闘者の事を

口にする。


「アンジュさん、騙されるな!あのガッコが、そんな事で手を引くわけない

じゃないか!」


「そうですよ、アンジュさん!気性が荒く、自分以外をゴミとしか見ていない

ガッコの野郎が、部下の言う事なんて聞く訳がない!」


悩んでいるアンジュへ、屋台の主達がそろってガッコの非道さを訴えてきた。



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