シルバー登場!
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この『東京』を【悪の秘密結社S】が占拠し、支配するようになってからは他県や外国から『東京』へ入る者たちをブラック戦闘員たちが厳しく取り調べることになっていた。
もちろん、あの『レッド』や『ブルー』たちも…この厳しい取り調べや検査を潜り抜けて『東京』へやって来たのですよ。
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「それで? 芝銀次さん? えーと、22歳独身…職業は、お若いのに古物商なんてされてるんですか!? 先程確認させて頂いたあの箱の中身は、ご商売の売り物なんですね。これまでのお住まいは、日本国内だったのですか? それとも海外?」
「国内! 関西や! 兵庫県の尼崎市っちゅうところに住んどりました」
「尼崎市ですか~! 私も昔、住んでました。懐かしいな~♪」
「あ、お兄さんも住んでたん? あそこは気さくで気取らんええところやろ?」
ブラック戦闘員に取り調べを受けているこの男…この芝銀次も何を隠そうヒーローの一人である『シルバー』だった。
「おい! 戦闘員389番! 私語は慎めよ! 怪人サボテンロブスターさまにその首を切られるぞ!」
「あああ! すみません! すみません! 以後、気を付けます! イー!!」
銀次を取り調べていた新米戦闘員が銀次と親しげに話していたので、その様子を見ていた先輩戦闘員126番から私語は慎めと厳重に注意をされていた。
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そして翌日のお昼過ぎの銀座一丁目でヒーローたちと怪人サボテンロブスターが、激しい戦いを繰り広げていた。
「諦めの悪いやつらめ!! お前らヒーローの居場所など、この『東京』のどこを探してみても無いのだ!」
「うるせえ!! 善良な人々まで戦闘員なんかにしやがって! 許さねえぞ!」
『レッド』がサボテンロブスターに向かって怒鳴り声をあげて、空高くジャンプして改新の一撃を与えようとしたその時だった。
「「イー!! イー!!」」
「うわぁー!! どけよ、お前ら~!」
怪人の後方を守っていたアルバイトの戦闘員たちが、突然サボテンロブスターの前に立って『レッド』からの攻撃からサボテンロブスターを守っていたのだ。
当然…ブラック戦闘員が善良な人々だと知る『レッド』は、攻撃の体制を崩して植え込みに突っ込んでしまった。
「相変わらず詰めの甘いやつやな~!(笑)」
「あ! その声は『シルバー』お前だな!! 戻ってたのか!? 隠れてないで姿を現しやがれ!!」
植え込みに突っ込んで、倒れている情けない『レッド』の姿を笑う声が聞こえてその声の主を良く知る『レッド』は怒鳴り声をあげて怒りをあらわにしていた。
「そんなに怒るなや! いつまでもそんなハサミ野郎に手間取ってるお前がアカンのや!!」
「うるせえ!! だったら、お前が何とかしろよ!」
「言われんでもすぐに片付けたるわ!」
『シルバー』はそう言って…手にしていた大きな剣を振り上げてサボテンロブスター目掛けて力一杯降り下ろして、あっという間にその身体を真っ二つに切り裂いてしまった。