補足とあとがき
●登場人物たちのその後などについての補足(蛇足ともいう)。
・ゼル・マックールとエレナ
60代前半までゼルはバーティマの指導者として国を引っ張り続ける。しかし、70歳の誕生日を目前に病死。妻であるエレナもその数年後に後を追うように死亡した。二人の葬式はいずれも国葬であり、バーティマの父と母として長く語り継がれている。
ちなみに、二人の間に実の子どもはいなかったが、戦災孤児たちを養子に引き取り、いずれも人格者として知られ、バーティマ、あるいはバラル帝国などの重役についた。
・ネフェリエ女王とネルグリューン
女王としてネフェリエはシレンを治め、その治世は二百年続いた。彼女の死後は、統治は議会によるものになり、ネルグリューンもその議会の一員となる。ネルグリューンはタムズとクローリエの二男と結婚し、四男三女に恵まれたという。
・セラーナと魔神セウス
ヨトゥンフェイム共和国の魔術師であるセラーナは、その後魔術の名門と呼ばれるシャイア魔術学園を創設。彼女本人も古代魔術の第一人者として知られ、多くの弟子をとる。
魔神セウスはセラーナのそばを離れず、彼女と結婚。三人の子どもをもうけた。
セラーナが老衰死後は、妻の願いもあり、かつてのトローアの地にある学園を守り続けた。
・クィルとエノラ
ヨトゥンフェイム共和国の長、クィルとエノラは魔族と人間の橋渡しとして精力的に活動し、理想のために生きた。二人の間に生まれた子どもたちも、そんな両親に似て優れた人物として歴史に名を残す。
老年期に入ったクィルとエノラは「遠くに行った娘に会いに行く」という書置きを残し、表舞台から消え、以後の行方は知れない。
・リクターとリナリー
グラウキエ大宗主国とヨトゥンフェイム共和国を行き来し、両国の発展に尽くした。
結婚したが、二人の間に子どもは生まれていない。
まだ見ぬオケアノスを目指し、旅に立つ。
・ロイとルルー
ベレフォールの地でひっそりと暮らした。
長い年月を生きてきた影響か、戦後間もなく二人は死亡したが、その顔は安らかであった、という。
・タムズとクローリエ
特に国にはかかわることなく、中央大陸の山の中でひっそりとした暮らしを営んでいた。
子どもたちに魔術や歴史を教えており、のちに二人から教わった子供たちにより、二人の語った物語『月と運命』が出版される。
・クロヴェイルとミランダ
ラウリシュテン公爵(後侯爵)として、バラル帝国でも最も豊かな領主として知られる。
50代のころに騎士学校を設立し、ラトナ騎士団の騎士となる者は絶対に通る道、とまで言われるようになる。
クロヴェイル、ミランダともに領地で起きた災害から民を救う活動中に事故死する。二人の死は多くの国民に悲しまれ、その死後、栄誉賞を贈られる。
ラウリシュテン領は、一人息子が継承し、両親の志を受け継ぎより領地を発展させたという。
・キアラ
故郷の森にてひっそりと暮らしていた。時折、他国の仲間たちを訪ねることもあった様子ではある。
後に黒髪の双子を出産。父親が誰かを聞いても、彼女は答えることはなかったという。
・ユグルタ・ヌマンティウス
ハンノ=イヴリス内で出世し続け、若くして議会の議長に選出。長年不仲だった政府と軍部の橋渡しとなる。
とある仕事の最中に中を深めた女性と結婚し、家庭を築いた。
・魔女アテナ
バーティマにおいてゼルの片腕として働き、彼の養子たちの教育も担当した。
エレナの死後、その行方は不明。
・暗殺者シャンクシーションク
オリュン山での決選以降、その姿を確認されたことはない。しかし、彼の率いていた黒装束の集団はその後、ヨトゥンフェイム共和国に棲んだことから、彼もまたその中にいたのではないか、と推測される。
・ドラッヘ将軍
オーク族の国を作り上げる。
ある時襲い掛かってきた魔物たちから仲間を守るために独り立ち向かい、壮絶な戦死をした。オーク族の最高の指導者として彼らの間では語り継がれる。
・ハーイアとアミテリア
霧の山脈でひっそりと暮らしていた。
その後は、かつて夢見た空を目指して蒼き星を去っていった。
・ハウシュマリア
決戦後の行方は不明。一説では異なる世界に強者を求めて旅立った、という。
・レヴィア=ツィリア
ヨトゥンフェイム共和国でアルゲサス家に仕え続ける。アルゲサス家の子どもたちはそのために、皆ツィリアの名を継ぎ続け、「剣聖の一族」とまで呼ばれるようになる。
クィルから数えて、アルゲサス家第14代目当主フィルと結婚、その際にスキルも喪失し、普通の人間同様年老い死んだ。
・バフォメット
クィルとエノラにより、ヨトゥンフェイム共和国が形となった直後に死亡。もともと無理をして今まで生きながらえていた。クィルら若者たちに希望を託し、消えた。
・ミアベル
アンセルムスとともに世界を守り続ける。その際に、異なる世界に迷い込み、以後、不可思議な旅を多くの時空で繰り広げた。
最終的にはスキルや虹色の神、太陽のように輝く瞳を失い、普通の人間となる。そしてその次元にて愛する人を見つける。
ミアベル・ドラウプニルと名乗り、「黒い未亡人」と呼ばれ、伝説と謳われる人物となり、ヴェルベット・ローズと言う女性に自身の持てる技術を授ける。
・アンセルムス
世界最大の反逆者とも呼ばれる人物。しかし、その行動などは多くは闇に隠されており、彼の真実を知る者はごくわずかである。
その行方は不明である。だが、彼は決して屈することはない人間であり、今なお戦い続けているものと考えられる。
●エデナ=アルバ世界簡易年表
神々による『エデナ・アルバ』創造。
五つの大陸の創造。
『神』による介入。
神話時代
三万五千年前 アンセルムスの反乱。
空白時代 詳細未詳
一万年前 魔神トラキア誕生。
魔神トラキア、五大陸を征服し一大帝国を築く。
9800年前 魔神ハウシュマリア誕生。トラキアを破り、帝国は崩壊。
9700年前 各地に人間たちによる国家が形成。
機甲大戦。
8000年前 四大陸大戦勃発。
7230年前 勇者クレオ、ハウシュマリアを北の大地に封印。ラーシェ平原、大雪原に変貌。
7200年前 魔王ヴァレンダリオスによってクライシュ大陸滅亡。
鬼神戦争勃発。
勇者クレオ率いる一向により、ヴァレンダリオス死亡。鬼神戦争終結。
7100年前 クライシュ大陸復興のため、聖女クレシア降臨。
聖女クレシア、ラカークン大陸国家によって処刑。
6500年前 魔王ヴァレンダリオス復活するもクレオの子孫アリオスにより討伐される。
6300年前 ジャヒーリア出現。
5000年前 シレン創設。
4000年前 人魔大戦(退魔大戦)勃発。人間族、エルフ族、ドワーフ族の連合軍と魔族の戦争。
魔族側敗北。
ラカークン大陸にトローア、シノルヴァ、アースウォード、フロイデンが興る。
ファムファート大陸にバラル王国が興る。
2500年前 ラカークン統一戦争。トローア王国が勝利。
トローア王国崩壊。
ラカークン大陸、再び戦乱の時代へ突入。
アノガイール騎士国成立。
2400年前 バラル大帝国成立。
バラル王国とバラル大帝国によるバラル戦争(三十年戦争)勃発。
2370年前 バラル帝国成立。
2300年前 逢魔大戦勃発。
各大陸にそれぞれ魔族による国が誕生。
2200年前 ラカークン大陸の魔族国を残し、滅亡。
2100年前 魔神ハーイア誕生。
2050年目 魔神クラウギレス、魔神ハーイアに敗れる。
1900年前 レアレス教最初の教皇レアリオン誕生。
クライシュ大陸におけるレアリオンによるレアレス教布教活動。
1870年前 セアノ王国成立。
アクスウォード王国成立。
1500年前 グラウキエ教国成立。
1100年前 ベレフォール公国滅亡。魔神キュレイア誕生。
グラウキエ教国教皇にロイフォル・オーギュナントが選出され、改革を行う。
1000年前 イヴリス大陸における紛争を英雄ハンノが平定、ハンノ=イヴリス王国誕生。
900年前 グラウキエ教国から大宗主国に国名を変える。
800年前 ハンノ=イヴリス王国崩壊。
750年前 ハンノ=イヴリス連邦成立。
700年前 バラル帝国、セアノ王国・アクスウォード王国と戦争を開始。(第一次西南戦争)
600年前 剣聖レヴィア=ツィリア誕生。
500年前 アノガイール王国滅亡。魔神レヴィア=ツィリア誕生。
(第二次~第六次西南戦争)
250年前 魔術師ゾドークによって魔神たちの調査が開始される。
(第七次西南戦争)
120年前 イヴリス大陸においてシレンと周辺各国での争いが勃発。(シレン戦争)
110年前 シレン王ロクシュヴァーと人間国家群との和平成立。
傭兵王クエンティン誕生。
約20年前 アンサズ・ルクス・アクスウォード誕生。
0年 バーティマ革命。
●あとがき
最後は駆け足になりましたが、無事(?)完結させられました。
物語のだいたいの骨組みは当初の予定通りだったのですが、思った以上にうまくいかなかったり、と言う部分も多く、反省点もけっこう残りました。キャラクター描写やら、うまく生かせていない点やらが多いですし。
それでも、こんな拙作でも意外と多くの人に読んでいただけたようで嬉しかったです。完結まで走れたのも、そう言う人の存在があったと思います。
拙作は自己満足のものとはいえ、それを読んでもらえる、といのはやはりうれしいものです。色々とテーマ性みたいなものも考えて作ったのですが、その辺はあまり深くは述べないでおきます。人それぞれ、いろいろな感想があると思いますから。それでも、この物語で何かしら感じ取れていただけたら、書いた意味もあったかな、と思います。
つたない小説でしたが、お付き合いいただきありがとうございました。




