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草案:四年五組  作者: 草案のすけ
第一章
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9/40

9話 五組へ

このお話は全年齢向けの作品です。

気軽に読んでいただけたらうれしいです。

白かった。


まだ、白かった。


でも、黒ではなかった。


うっけは、にぎっている手を(たし)かめた。


右にも、手があった。


左にも、手があった。


どっちの手も、ちゃんとあった。


白の中で、手だけ、ほんとだった。


すこしずつ、白がうすくなった。


木のゆかが見えた。


(あし)の下にも、木のゆかがあった。


(ひろ)いまどが見えた。


女の子は、(さき)にかおを上げた。


(そと)


うっけも、そっちを見た。


まどだった。


まどの(そと)に、中庭(なかにわ)があった。


(にわ)のむこうに、(ひく)屋根(やね)が見えた。


(よこ)(なが)くのびていた。


中庭(なかにわ)のまんなかの花壇(かだん)には、(はな)()いていた。


花壇(かだん)(さき)には、木が一本(いっぽん)()っていた。


()っぱが、あかるいところだけ、きらきらしていた。


(ふる)い木の(いろ)が、(にわ)をぐるっとかこんでいるみたいだった。


あかるいのに、しずかだった。


女の子が、ふりむいた。


「うっけ!」


うっけは、とまった。


いま、ちゃんと()ばれた。


まるみだった。


まるみが、うっけの名前を()んだ。


それだけで、なきそうになった。


「うっけだ」


まるみは、じぶんの口をさわった。


目が、ぱちぱちしていた。


「まるみ!」


こんどは、うっけの口から()た。


「まるみ。だ」


「じぶんで()うなよ」


「あは。だって、まるみだもん」


まるみは、なきそうで、ちょっとだけ(わら)っていた。


うっけは、あわててカサネを見た。


「カサネ!」


カサネは、へやの中をゆっくり見ていた。


木のにおいをたしかめるみたいに、すこしだけ(いき)をした。


それから、ぽつんと()った。


「……四年五(くみ)


うっけは、カサネを見た。


「おまえ、なにか()ってるのかよ」


カサネは、うっけを、まっすぐに見た。


「すこし」


「なにを」


「まだ、うまく()えない」


まるみが、カサネのほうへ、一歩(いっぽ)(ちか)づいた。


「じゃあ、あとでおしえてね」


カサネは、うなずいた。


「うん」


うっけは、まどの(そと)を見た。


あかるい中庭(なかにわ)の木の下には、うすい(かげ)があった。


それは、あの黒とはちがった。


うっけは、もう一回(いっかい)、カサネを見た。


「……カサネ。ありがとな」


カサネは、なにも()わなかった。


でも、うっけのとなりに()った。


まるみは、にこっとした。


うっけは、あわててまどの(そと)を見た。


三人は、しばらく、(おな)中庭(なかにわ)を見ていた。

四年五組のあたらしい第一話です。

https://kakuyomu.jp/works/2912051604055593695/episodes/2912051604055721181

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