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四年五組  作者: TOKEI-SU(とけい-す)
第一章

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1/9

1話 名前がない

このお話は全年齢向けの作品です。

気軽に読んでいただけたらうれしいです。

春のあさ。


今日(きょう)は、(あたら)しいクラスの発表(はっぴょう)がある。


自分(じぶん)の名前がどこのクラスにあるか、はやく見たくて、みんないつもより(あし)(はや)かった。


うっけも、ランドセルをしょいなおして、学校へ来た。


体育館(たいいくかん)の前の(ひろ)場所(ばしょ)に、掲示板(けいじばん)があった。


名前を見つけて(わら)う子。


まだ見つからなくて、前へ出ようとする子。


うっけは、四年(せい)のところを見た。


四年一(くみ)


四年二(くみ)


四年三(くみ)


四年四(くみ)


うっけの名前は、なかった。


もう一(かい)見た。


やっぱり、なかった。


そのとき、すぐとなりで、だれかが言った。


「ない」


女の子が、掲示板(けいじばん)にかおを(ちか)づけていた。


「なにが」


「わたしの名前」


「ぼくもない」


女の子が、ぱっとふりむいた。


目が、まんまるだった。


「あは。わたしだけじゃないんだ」


「わらえないだろ」


「うん。わらえない」


でも、まるみは、もう一(かい)だけうっけを見た。


二人とも、また掲示板(けいじばん)を見た。


「わたし、まるみ」


「ぼく、うっけ」


まるみは、うっけをじっと見た。


「……うっけって、へんな名前」


「へんって言うなよ」


「よびやすいけど」


「じゃあ、へんじゃないだろ」


まるみは、口をゆるめた。


「うっけ」


「なに」


「二人ともないって、へんじゃない?」


「……うん。へんだ」


うっけは、掲示板(けいじばん)から目をはなして、職員室(しょくいんしつ)のほうを見た。


「先生に()く」


「え、()きに()くの?」


「まるみの名前も、ないだろ」


まるみは、すこしだけ口をひらいた。


でも、なにも言わなかった。


「先生、わかるかな」


「わかるだろ」


そのとき、すぐうしろで、だれかがこえをだした。


「……ご」


二人とも、そっちを見た。


白いかおの男の子が、立っていた。


(ちか)かった。


「うわ」


うっけは、うしろによろけた。


まるみは、あわてて手をのばした。


「え、いつからいたの」


男の子は、こたえなかった。


掲示板(けいじばん)を見ていた。


「なに見てるんだよ」


男の子の口が、(うご)いた。


「……五(くみ)


「五(くみ)はないよ」


「四(くみ)までしかないだろ」


まるみが、男の子と(おな)じところを見た。


それから、()まった。


「うっけ」


「なに」


「ある」


うっけも、そこを見た。


なんども見た、四年四(くみ)


その下には、さっき、なにもなかった。


四年五(くみ)


うっけ。


まるみ。


カサネ。


名前が、あった。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


2話は5月1日 1:00に更新予定です。

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