↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
草案:四年五組  作者: 草案のすけ
第一章
PR
1/40

1話 名前がない

このお話は全年齢向けの作品です。

気軽に読んでいただけたらうれしいです。

春のあさ。


今日(きょう)は、(あたら)しいクラスの発表(はっぴょう)がある。


自分(じぶん)の名前がどこのクラスにあるか、はやく見たくて、みんないつもより(あし)(はや)かった。


うっけも、ランドセルをしょいなおして、学校へ()た。


体育館(たいいくかん)の前の(ひろ)場所(ばしょ)に、掲示板(けいじばん)があった。


名前を見つけて(わら)う子。


まだ見つからなくて、前へ()ようとする子。


うっけは、四年(せい)のところを見た。


四年一(くみ)


四年二(くみ)


四年三(くみ)


四年四(くみ)


うっけの名前は、なかった。


もう一回(いっかい)見た。


やっぱり、なかった。


そのとき、すぐとなりで、だれかが()った。


「ない」


女の子が、掲示板(けいじばん)にかおを(ちか)づけていた。


「なにが」


「わたしの名前」


「ぼくもない」


女の子が、ぱっとふりむいた。


目が、まんまるだった。


「あは。わたしだけじゃないんだ」


「わらえないだろ」


「うん。わらえない」


でも、まるみは、もう一回(いっかい)だけうっけを見た。


「わたし、まるみ」


「ぼく、うっけ」


まるみは、うっけをじっと見た。


「……うっけって、へんな名前」


「へんって()うなよ」


「よびやすいけど」


「じゃあ、へんじゃないだろ」


まるみは、口をゆるめた。


「うっけ」


「なに」


「二人ともないって、へんじゃない?」


「……うん。へんだ」


うっけは、掲示板(けいじばん)から目をはなして、職員室(しょくいんしつ)のほうを見た。


「先生に()く」


「え、()きに()くの?」


「まるみの名前も、ないだろ」


まるみは、すこしだけ口をひらいて、なにも()わなかった。


「先生、わかるかな」


「わかるだろ」


そのとき、すぐうしろで、だれかがこえをだした。


「……ご」


二人とも、そっちを見た。


白いかおの男の子が、()っていた。


(ちか)かった。


「うわ」


うっけは、うしろによろけた。


まるみは、あわてて手をのばした。


「え、いつからいたの」


男の子は、こたえなかった。


掲示板(けいじばん)を見ていた。


「なに見てるんだよ」


男の子の口が、(うご)いた。


「……五(くみ)


「五(くみ)はないよ。四(くみ)までだろ」


まるみが、男の子と(おな)じところを見た。


それから、()まった。


「うっけ」


「なに」


「ある」


うっけも、そこを見た。


なんども見た、四年四(くみ)


その下には、さっき、なにもなかった。


四年五(くみ)


うっけ。


まるみ。


カサネ。


名前が、あった。

四年五組のあたらしい第一話です。

https://kakuyomu.jp/works/2912051604055593695/episodes/2912051604055721181

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。