前作・登場人物紹介
■ 前作『暁星 -Étoile de l’Aube-』 とは
2027年。地球に衝突する小惑星「セオ」の存在は、ごく一部の人間しか知らなかった。
セオの軌道を変え、地球を救うための極秘計画「DAWNプロジェクト」。その拠点であるラセール研究センターでは、計画の裏でもうひとつの研究が進められていた。時空を越えるための実験である。
プロジェクトは失敗する。何度やり直しても、必ず。
研究センターは焼け落ち、研究者たちは命を落とし、世界はセオによって滅びを迎える。
その滅びの数瞬前の未来から、ひとりの青年が呼ばれた。
カリルとフィルウに憧れ、二人の死によってすべてを失ったアダン・シャルル。
目を覚ますと、そこは2027年2月17日の研究センター。計画実行の2日前。まだ誰も死んでいない、あの場所だった。
繰り返される3日間。
衝突し、すれ違い、互いの腹の底を探り合いながら、何度も同じ朝を迎えて。
それでも五人がそろって掴み取った、最善の未来。それが、この世界である。
本作『Silent Ember』は、その未来の先を描く物語。
■ 登場人物
・カリル・ラセール(Khalil Lasserre)
ラセール研究センターの所長。フランス出身の宇宙物理学者。
DAWNプロジェクトの中心人物であり、センターでのタイムリープ実験を主導した。
宇宙を「最初の恋」と語るほどの宇宙好き。生活力は皆無。
・フィルウ・ブランシャール(Filou Blanchard)
カリルの唯一無二の研究パートナー。フランス出身のデータサイエンティスト。
10歳でカリルと出会って以来、ずっと共に研究を続けている。
極度の完璧主義者で、研究に没頭すると寝食を忘れる。人付き合いが苦手。
・イーシャ・バラット(Isha Bharat)
インド出身の宇宙工学者。
カリルの理論を形にする装置設計の天才であり、努力家。カリルの依頼を受け、タイムリープ装置を作り上げた。
冷静で現実的。口調はきついが面倒見はいい。
夫と幼い息子がいるが、プロジェクト中は機密保持のため、ほとんど連絡が取れなかった。
・ユール・ウォード(Yule Ward)
政府から派遣された国家安全保障会議特別顧問。アメリカ出身。
表向きは研究チームの補佐役だが、実際は監視役。
かつてテロ事件で深い傷を負った。カリルのタイムリープ技術を知った夫は、過去に戻って彼女を救おうとしたが、そのまま帰らぬ人となった。以来、カリルとは険悪な関係にあった。
・アダン・シャルル(Adan Charles)
カリルとフィルウに憧れ、宇宙を志した青年。
二人の死をきっかけに大学を辞め、その後の人生を見失った。
2029年の滅びの直前から、2年前の研究センターへと呼ばれた。
■ 用語
・セオ
地球への衝突軌道にあった小惑星。その存在は一般には伏せられていた。
・DAWNプロジェクト
セオの軌道を変え、地球を救うための極秘計画。
・ラセール研究センター
カリルが設立した独立研究機関。『暁星』の舞台。
・タイムリープ実験
カリルがラセール研究センターで進めていた、時空を越えるための実験。




