つながっているように感じられる歴史・・・
前書き
本作はすべてが史実に基づくわけではなく、一部の真実を交えた空想物語です。歴史の闇や技術者の運命を象徴的に描いた仮説としてお楽しみください。
技術者たちはTORONという組み込みOSに没頭した。
UNIX的秩序を備え、即応性と柔軟性を持つこのOSは、世界を揺るがす技術力を秘めていた。
無償で公開することは、米国の利権やマイクロソフトの尊厳に触れる危険もあった。
1985年8月12日、日本は深い闇に包まれていた。
その日に日航機123便が墜落し、その真相は未解明のまま、公式には闇に葬られた。
プラザ合意は国家の舵取りを米国寄りに変え、日本は外圧の渦中で翻弄されていた。
時は流れ
2006年、金子勇さんがWinny開発に関わったことで、著作権法違反幇助の容疑により拘留された。
しかし、史実として5年もの拘留はあり得ず、実際には軟禁状態であった可能性が高い。
その間にビットコインが開発されていた可能性は否定できない。
そして、2008年10月31日にビットコインが発表される際、名前が変更された可能性も否定できない。
この設定により、匿名性と分散性は、技術者の無念や国家の圧力を象徴的に反映した形となる。
歴史の闇の中で、技術、国家、偶然、必然が絡み合い、未来への秩序を静かに形作ったのだ。
あとがき
もし日本政府がTORON開発者や金子勇さんの事件を、無償提供による技術の影響や戦争回避の視点で見ていたとしたら、日航機の墜落の真相を隠し、技術者を軟禁することも、否定できず、納得できる部分があるのかもしれません。
それが良いか悪いかで語られない部分が存在する。そして、結果として日本が戦争に突入することを防いだ可能性も否定できません。
また、今現在も技術や価値を安く抑える、あるいは無償で提供するという古き良き日本の考えは、資本主義経済の中で相手がいれば、相手を侮辱する行為になり、悪質でないと否定できないかもしれません。
それはアメリカ経済の視点では、TORONがマウス対応初のOSとして無償で提供されたと想定されると市場競争上いかにも「悪質」に映ったかもしれません。
ビットコインの制作者が姿を現さないことが、逆にその価値を高めているという事実も、技術思想と資本主義経済の関係の不思議さがあります。
戦後80年にわたり、戦争のない時代が続いてきたことは、まさに奇跡に近いものです。
石破総理が何か発言の機会をうかがっているかのように見える現状も、針の上を歩くように築かれたこの平和が崩されることのないように願わずにはいられません。