大うなぎの話
八重山の西表島には、ウーニ(オオウナギ)と呼ばれる大型のウナギが生息しています。
成長すると体長2m、体重20kgに達し、食用にもされています。
何年か前にお笑い芸人コンビが西表島の大ウナギを捕まえて食べている番組がありましたね。
このお話に出てくる大うなぎは、それよりももっと大きかったみたいです。
むかしむかし、とある村で牛や山羊が次々にいなくなりました。
「ドロボーがいるにちがいない。つかまえてやろう」
村人たちは毎晩、交代で見張りをすることにしました。
見張りを続けたある夜。
村はずれにある池の中から、何か大きくて長いものがはい出して来ました。
そいつはなんと寝ている牛に近づくと、大きな口を開けて飲み込んでしまったのです。
「出たぞ!」
見張りをしていた人々が、そいつをたいまつで照らしました。
たいまつの明かりで見えた姿に、人々はギョッとします。
「うわぁ、おばけうなぎだ!」
そいつは、ひとかかえ以上もありそうな太くて長い大うなぎでした。
人々はその不気味な生き物をどうやってやっつけようかと相談しました。
うなぎは意外にすばしっこく、すぐに逃げてしまいます。
捕まえようにも、ヌルヌルしているので取り押さえられません。
「私に考えがある。みんな聞いてくれ」
村人の中に、頭のいい男がいました。
男は、大うなぎをやっつける方法をみんなに伝えました。
「家のカマドにある灰をできるだけたくさん持ってきてくれ。武器になりそうな太い棒を用意してほしい」
夜になり、男が指示したものを用意して村人たちが隠れていると、池の中から大うなぎが出てきました。
うなぎは牧場の中をずるずるとはって牛に向かっています。
「今だ!」
大うなぎが池から離れたところで、男が合図しました。
村人たちは、持っていた灰を大うなぎにどんどん振りかけます。
灰まみれのうなぎは身動きがとれずに、草の上をのたうち回りはじめました。
「やっつけろ!」
男の合図で、棒を持った男たちが大うなぎに近付いて、ボカボカとうなぎを打ちました。
さすがの大うなぎも、たまったものではありません。
こうして大うなぎは退治されて、牛や山羊が飲まれることはなくなったそうです。




